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13、お昼ご飯を一緒に

朝、秀ちゃんが迎えにきて、家を出た途端

「昨日制服返しに噂の財前くんの執事がきて、クリーニングして返ってきたし、お礼にってお菓子も入ってたよ。予備の夏服あるから急がなくてもよかったのに、気遣い凄いよな。同じ年なのに本当に尊敬しちゃうよ」

興奮気味に話す秀ちゃん。


「その財前くんがお昼ご飯一緒にどうかって言ってるんだけど。お礼も言いたいからって」


「・・・え、どこで食べるつもり?」


「体育館横のフェンスあたりで」


「あそこ日蔭だから・・・ってあんなところで???・・・財前くんが???外で俺たちと一緒にご飯食べるってこと?」


「一応その予定なんだけど。お弁当と敷物持ってきたよ」


「いやいや、財前くん本当にそんなこと出来るの?俺たちと弁当食べるとか信じられないんだけど、それに何の話をすれば全然わからないんだけど」


「財前くんいい人だから心配しなくても大丈夫だよ。とにかくお昼休みになったら迎えに行くからよろしくね」


「・・・わかった」

わかったの前の一瞬の間がまだ納得いってないんだろうなと思ったけど、気づかなかったことにした。


私には秀ちゃんと財前くんは仲良くなれるって予感があった。


きっと、少し話せば大丈夫。

確かに財前くんは聖王高校だしお金持ちで世界が違うって思っているんだろうけど、でも同じ年だし、私達のこと下に見るようなこともない。


財前くんのことがわかれば、良い友達になれると思った。


********


昼休み本当に俺が行ってもいいのかという秀ちゃんを無理矢理引っ張って上履きを履き、外に出て体育館横に来た。


財前くんはすでに来ていて、秀ちゃんを見て

「こんにちは。土岐くん。テニスの交流試合以来かな?一回話してみたかったんだ。今日は来てくれて嬉しいよ。ありがとう」と挨拶をした。


「俺も嬉しいです。財前くんと話せる日がくるとは思ってなかったので」


「・・・秀ちゃん、なんで敬語なの?まさか緊張してるの?」


「緊張するよ。俺、財前くんのテニスのファンだもん。あの綺麗なフォームとかマジで唯一無二なんだよ。葵にはわからないと思うけど」


「・・・悪かったわね。テニスのこと何もわからなくて。今までそんな話してなかったよね?!秀ちゃんが財前くんのファンとか初耳なんだけど」


「いや、今までの葵の話信じていたけど、半分ぐらい信じていなかったというか。本当にあの財前くんなのかなって。一緒にいるところとか見たことなかったし」


「確かにまわりにいろいろ言われたくないから学校から離れたところに迎えに来て貰っているからね。でも正解だったな。財前くんが聖王の君とか人気者なの知らなかったし。もしクラスの人に財前くんと知り合いなのばれたら質問攻めにあいそうで怖いなあ」


「えっ?でも今3人で食べているこの状況見られたら、ばれるんじゃない?大丈夫?」


「別に友達と御飯食べているだけだし。それに3人だからいいんだよ。2人だったら、篠原さんに迷惑かけたかもしれないし。土岐くんこの前も制服貸してくれたし、色々ありがとう」


「いや、俺は別に・・・」


と秀ちゃんが言ったところで、きゅるると私のお腹が鳴った。


「・・・あのさ、話は後にしてご飯食べない?」

と言うと、秀ちゃんと財前くんが笑った。


そうだねと敷物を広げ、お弁当を出す。

ちゃんと財前くんのお弁当も作ってきた。

便利なように使い捨ての容器に割り箸を用意した。


財前くんは弁当を取りに来るときだけフェンスを軽々と乗り越えた。


そしてまた戻った。

運動神経いいんだなと感じたけど、あっ、テニス上手いんだっけ?忘れてた。


「本当はそっちの敷地内で一緒に食べたいけど、見られると何か言われて迷惑かかるかもしれないから」


その後フェンス越しだけど、楽しく話してお昼を過ごした。

秀ちゃんもお昼を食べ終えた頃にはすっかり財前くんと仲良くなっていた。


財前くんのやりたいことはまたひとつ出来たし、秀ちゃんも楽しそうだったし、これからもまた一緒にお昼食べられたらなと思ってた。


思っていたんだけど。


3日後。


【ごめん。学校からもうあんなところでお昼ご飯食べないでくれって注意されたんだ。『君は生徒会役員で、全国の模試でもトップクラスで聖王高生徒の憧れ。そんな財前くんが外でご飯とか他の生徒が真似をしたら困るし、聖王高生徒として相応しくないから今後は止めるように』って。もう一緒にお昼ご飯食べられなくなった。せっかく土岐くんとも仲良くなったし、俺も楽しみだったんだけど残念だよ】


とメールがお昼前に来た。


一緒に食べたのはたった2日。

たった2日で終わりを告げられた。


ちなみにこの携帯は財前くんから貰って、料金も払って貰っている。


なんか借金がさらに膨らむ気がして嫌で断ったんだけど、また笑顔で気にしないでと強引に持たされた。


まあ、今まで携帯ない生活をしていたから必要性を感じていなかったんだけど、使ってみると本当に便利だなと感心してまった。


ちょっとした調べ物は本当に便利だ。

電子辞書もなく、普通の重い辞書で勉強していたから、携帯でサッと調べられるのは本当にいい。

辞書を持ち歩かなくてもいいのが、本当に嬉しい。

鞄が軽い。


今日もお弁当作ってきたんだけどな。

残念だなと思いながら、学校が違うもん仕方ないよね。


ただ一緒にお昼ご飯を食べているだけ。悪いことしていないのにって思うけど学校が駄目って言うなら、駄目だよね。


確かに聖王高はお金持ちの学校だし、食堂も豪華みたいだし、外で食べるような人はいないかもしれない。


財前くんはいつも普通に接していてくれたし、私の話もきちんと聞いてくれた。

優しくて、いつも笑っていてくれたから、差なんてあっても大丈夫と思っていたけど。


差はあるんだ。

私が思っているより遙かに大きい差が___。


そう思ったら、モヤモヤして胸が苦しくなった。


















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