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12、価値観はそれぞれ違うものだけど


日曜日の学校は本当に静かで。

部活動をしてる先生や生徒はいるけど、誰も私達のことを見ない。


誰にも会わずに無事に私のクラスの教室へ行った。

もちろん誰もいない。


「ここが、私の席なんだ」


「はい、隣に座って」


「うん。失礼します」

と隣に座る財前くん。

黙って座らない所は礼儀正しいなと思う。


「少しは夢叶った?」


「うん。しかも隣の席に座れるとか本当に夢みたい」


「あとお弁当持ってきたから一緒に食べない?」


「それって、もしかして手作り?」


「うん。本当に庶民の弁当でお口に合うかわからないけど」


「篠原さんは...俺に甘すぎる...よ。優しすぎて...心配になるよ」

声がかすれていたから、財前くんを見たら涙目になっていた。


そんなに感動するような弁当じゃないのにな。

こんな反応されると作って良かったなと思う。


財前くんは弁当の包みをとり、涙目になりながらスマホで弁当の写真をいろんな角度から何枚も撮りだした。


「やっぱり、転校したいな。そしたら篠原さんと一緒にいれて毎日幸せなのに」

卵焼きを箸で摘みながら、しみじみ言う。


「でも私友達いないし、スクールカーストでも下の下だし。同じクラスだったら話さなかったかもしれないよ」


「この学校の人が見る目無いよ。篠原さんの魅力がわからないなんて。俺が同じクラスなら休み時間の度に篠原さんの席行くのに。でも、もし交換学生が実現したら篠原さんのこと独り占めできるかな。隣同士の学校なのに今までも交流らしきもの全然なかったけど、勿体ないと思わない?格差とか言うけど、なんて親が凄いだけでたいしたことないと思うんだよね。実現させたいなあ」


「交換学生って、うちの学校から聖王に行きたい人は沢山いそうだけど、聖王からうちの学校に来たがるのって、財前くんぐらいじゃないだと思うんだけど。貧乏からお金持ちになるのはありだけど、金持ちから貧乏になるのは大変みたいな?設備とか環境も全然違うし」


「聖王の今の会長も俺と同じ考えの人で隣同士交流を深めたい派で、まずはスポーツからってことで俺達が会ったテニス交流試合が実現したんだよ。でも確かにそっちの高校のこと下に見たり、関わりたくないって思っている人達が一定数いるんだよな。価値観は、それぞれみんな違うのは当たり前だし、どっちが間違ってるとかじゃなくて、埋まらない価値観みたいのはあるよね」


自分が常識や当たり前だと思っていることが実は違ったこともあった。

育った環境や、周りにいる人達とかによって違う。

価値観って本当に人それぞれだと思う。


同じ人間だから、話せばわかるなんて理想だけど、話してもわからないこともあるのが現実で。


クラス40人全員で仲良くなんてできないのが良い例だと思う。

必ず仲良しのグループがそれぞれ出来て分散する。


「みんな仲良くって理想だけど、現実的にちょっと難しいんじゃないかなって思ってるんだ。だから、交換学生も実現しなくてもいいと思うんだ。今のままでもできることあると思うんだ。例えばお昼ごはんとかフェンス越しにならお弁当一緒に食べたり出来るかも」


ましてや聖王の生徒は、うちの学校とは生活環境が全然違う。

私と過ごすために動いている財前くんには悪いけど、無理だと思う。


でもお昼ぐらいならと提案してみたけど、頷くとは思えなかったのに


「それいい。明日からお昼は一緒に外で食べよう」


即答する財前くんに少し心配になった。


「お友達は大丈夫?豪華と噂の学食で食べてたりしてたんじゃないの?雨降ったら?それに外でランチなんて財前くんそんなこと出来るの???イメージとか大丈夫???」


聖王の君のイメージ凄かったよ。

人気も凄そうなのに、隣の学校のぼっちの女とお昼ごはん。


もしかしたら影でいろいろ言われるかもしれない。

私のせいでそんなことになったら申し訳ない。


「まわりが勝手にイメージとか作っているのはわかっているけど、俺まわりの目とか気にしないよ。でも、篠原さんが心配か。俺と一緒に居ることで何かあったら大変だし。いつも幼なじみの土岐くんとお昼は一緒なんだよね?制服のお礼も言いたいし、よかったら3人で食べない?それなら大丈夫かな?」


何かあったら大変って嫌がらせされたりとか?

私が悪く言われたりとかってことかな?


まあ、何か言われたところで私はぼっちだし、状況が悪くなることはなさそうだけど、私の心配をしてくれる財前くんに胸があたたかくなった。


月曜と金曜日の放課後以外でも会えるものなら会いたい。


「とりあえず明日実験的に一緒にお弁当食べようか。明日も良かったらお弁当作っていい?」


「楽しみにしてるね」

と笑顔で言われメニュー何にしようかで頭がいっぱいになった。

これ材料費に使ってと1万円渡された。


そんなに豪華なお弁当作る予定はないんだけどとお金を返そうとしたけど、今日のお弁当の分も含めてだからと断られた。


スーパーやコンビニのお弁当なら400円~600円ぐらいで買えるし、いくらなんでも高すぎると思う。

財前くん以外の人に私が作ったお弁当を仮に売るなら400円ぐらいだ。


私と財前くんのお金の価値観は全然違う。

これも埋まらない価値観ってやつだなと思った。

でもそれはさっき財前くんも言っていたけど、どっちが悪いとか正しいじゃなくて。


それはわかっていても、なんかモヤモヤしたのだった。

























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