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11、日曜日

あれから、いろいろ財前くんを喜ばせる方法がないかいろいろ考えた結果、なんとかお金を掛けずに喜ばせる方法を思いついたのだ。


実行しようと財前くんに予定を聞いてみる。

「財前くん、次の日曜日何か予定ある?」


「友達と遊ぶ予定だけど・・・いや、気のせいだったかも。今特に予定なくなった。大丈夫」


「いやいや、全然大丈夫じゃないでしょ。普通に予定あったよね?」


「せっかく篠原さんに日曜の予定聞かれるなんて貴重なことがあったのに、篠原さんより大事な用事なんてないよ」


「・・・いやいや、友達大切でしょう?じゃあ、再来週は?」


「再来週は生徒会関係の仕事があるけど、全然大丈夫」


「・・・全然大丈夫じゃないよね。リア充は忙しいね」

2週間前の先まで予定があるなんて、リア充は違うなとしみじみ思った。


「篠原さんはちなみに日曜日何してるの?」


「洗濯に、掃除、料理したりかな」

母は退院したけど、無理をさせたくないため時間があれば家事を手伝っているのだ。

やることは沢山あって、1日はあっという間だ。


「いやいや、それなら篠原さんの方が忙しいでしょ」


「今度の日曜は友達と何時から会うの?」


「約束は11時だけど、今からなら断れるし」


「だめ。友達は大切にして。それなら、その前の少しの時間一緒に出掛けない?出掛ける場所は私が考えていい?」


「少しの時間とかじゃなくて、篠原さんのためなら朝の3時とか4時の待ち合わせでも大丈夫だよ。待ち合わせ何時にする?」


そんなキラキラした目で言われても、困る。

そして思う。

3時は朝なんだろうか?


「・・・いやいや、その時間普通に寝てるから。8時に私のうちに来てほしいんだけどいい?」


「もちろん。車出す?他に必要なものとか、用意するものある?」


「一応、用意してほしいものがあるんだけど」

私が要望を言ったら、意外だったのか財前くんは目を丸くした。


*********


日曜日の待ち合わせの8時。

財前くんは、家のチャイムが鳴る。

ピッタリ8時だった。


今日の財前くんの格好は黒のジャケットとパンツに赤いシャツとなんかお洒落だ。

いや、スタイルが良いから尚かっこよく見えるのかもしれない。


楽しみで仕方なかったと朝から笑顔全開で大きい花束を持っていた。


「はい。今日の記念に」


「ありがとう」

財前くんから渡された花束を受け取る。


こんな大きな花束今まで貰ったことないよ。

どうしたらいいかわからないけど、飾ればいいの?

でも、私のうちお花とか飾るうちじゃないから花瓶なんてないかも。

とりあえず、バケツに差していいかな。


って、花束渡すとか男子高校生のすること???

いかにも慣れてるって感じがちょっと嫌だ。


「じゃあ、ちょっと来て」

と、家に入るように促した。

両親は二人で出掛けて、いなかった。

財前くんが来る話をしたら、きっとうるさいことになりそうだからちょうど良かったかも。

きょろきょろしながら、「おじゃまします」とうちに入る財前くん。


庶民のうちで申し訳ないけど、2階の私の部屋を開けた。

「これが篠原さんの部屋」

私の部屋シンプルで普通の部屋なのに、感動しているのがびっくりだ。


「じゃあ、さっそくこれに着替えて」と財前くんに紙袋を渡した。


「着替え終えたら声掛けてね」

と私は部屋の外で待機だ。


「篠原さん。・・・これでいい?」

私の高校の制服を着た財前くんが、おずおずと声を掛けてきた。

これは、本当にうちの制服だろうかと疑いたくなるぐらいかっこよく見える。

違う。格好いい人は何を着ても格好いいものなんだな。きっと。


そして、秀ちゃんに頼み込んで借りた制服のズボンは丈が少し足りなかった。

財前くんの方が足長いんだな。

気にしてなかったけど、180近いのかも。


「あと頼んだもの持ってきた?」

この前頼んだのは、メガネと上履きの靴だった。

さすがにうちの制服を財前くんが着て見つかったら、何かあるかもしれないし。

普通に目立つから、メガネ掛けたら落ち着くと思ったけど、イケメンはメガネを掛けてもイケメンだった。

そして、陽のオーラは消せない。


「あと、髪型を変えてもいい?」


「うん」

財前くんの髪の毛は癖がなくてサラサラ。

羨ましい。なぜ同じ人間なのにこんなに違うんだろうか。

せめて髪型を変えたらなんとかなるかなと半分に分けてみたけど、格好いいのは変わらない。

見る人が近くで見たらばれそうな気もするけど、普段とイメージは違うから大丈夫かな。


「よし、じゃあ。これから学校行こうか。今日少しだけど、この前言ってた夢、なるべく叶えるように頑張るから」


私は財前くんと歩き出したのだった。







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