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プロローグ
全国少年剣道大会団体戦。予選決勝にて。
「めぇぇーん!」
スパァァーン。
豪快な面への打突と共に、それを注視していた3人の審判が両手に持っていた2本の紅白の旗の内、赤色を一斉に挙げた。
「面ありぃぃ!」
その一本入った結果と共に歓声が沸き上がった。一本を取った少女は、喜びを押し殺し、試合場の中心、開始線に戻り竹刀を構えた。
試合終了。その豪快な面を決めた勝利が決定打となり、少女たちの率いるチームが優勝となり、同時に全国大会への出場が決定となった。
表彰式が終わった帰り道、
「蘭おねーちゃん…優勝おめでとう」
「ありがとう、凛」
そういって、姉である蘭を恥ずかしそうに迎えた妹の凛。姉は小学6年生、妹は小学3年生である。凛は、姉の首に掛かっているメダルに目を輝かせて覗き込んでいた。
「メダルかけてみる?」
蘭がそう尋ねると、凛は首を横に振った。
「…私、強くなって、自分でメダル取る」
「そうね……凛も大きくなったら一緒のチ
ームで戦おうね」
凛は軽くうなずき、姉妹との間に約束が結ばれた。
そして、6年の月日が流れる。




