表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/17

ルーシュトレイドの意図

今回は師匠(ルーシュトレイド)の目線から、ひとつ前の話をかきました。

この話は次話にもつながってくるので、とばさないことをお勧めします!

後、一話をご覧いただきありがとうございました!

(ルーシュトレイド目線)




(全くシルヴィは一体いくつになったら、落ち着くのでしょうか………)


いくら我々神竜族の寿命が長いといっても、十代後半で成長がほとんど止まるだけで精神年齢までは止まらないはずですし、そもそもまだシルヴィは成長も止まっていないはずなんですが……


「それで師匠?大事な話ってなんですか?おおよそ父様か神竜族あたりの話なんでしょうけど……」


突然シルヴィアに話しかけられた私は今までの思考を中断し、こっちに集中することにした。


「こういうときは、ほんとうに 鋭いんですよね………そう、あなたの予想通りそのどちらにも関係のある話です。まず最近、神竜族が次々と姿を消していることが分かりました。それも、十年以上前から」

「そ、それって……」


彼女、シルヴィの父親は神竜族やそれ以外の他種族にも伝説上の神として崇められている三大神竜と呼ばれる最強の三体の神竜族の内の一人で、海を司る竜であり神でもあるヴィルヘルムだ。だが約八年前、謎の黒ローブの集団に襲われヴィルヘルム(あの方)は行方不明になったとシルヴィが言っていた。そして今回、明らかになった事件とおそらく何らかの関係性がある。そうでなければ、伝説とされる最強の我々神竜族が、その中でも最強といわれるヴィルヘルム(あの方)が簡単に負けるはずがない。


「えぇ、おそらくあなたのお父上のヴィルヘルム(あの方)と同じでしょう。ですがなぜ我々神竜族を伝説上の存在だと思っている他種族の奴等が我々の存在を知っていて、捕まえた神竜族を何に利用しているのか、そしてどうやって奴等がヴィルヘルム(あの方)よりも勝る力を手に入れたのか。たとえあなたとその母親を守りながらの戦いでもあの方なら敵が何百、何千人いても決して負けることはないはずです。なのに、負けた。これはどう考えてもおかしいです。」

「つまり神竜族を捕まえて何か企んでいる人たちがいると……」


全く、どうしてこういう時はこう頭の回転が速いのでしょうか………


「……えぇ、おそらくですが。幸い行方不明になっているのはなぜか成竜だけです。そこであなたに提案があります。王都で情報を集めてきてくれませんか?」


そう、答えると知るヴィは不思議そうな表情を浮かべた。


「え?師匠は一緒に行かないんですか?」


私自身も自分自身で調査したいのは、山々だったが、私が神竜族のすでに成竜になっている竜である以上何があるか分からないため、私と共に要ることでシルヴィを危険な目にあわせることだけは避けたかった。


「えぇ、私はここに残ります。本当は私自ら調査しに行きたいんですけどね。」

「な、ならどうして………」

「先ほど言ったと通り今のところ狙われているのは成竜だけです。つまり子竜であるあなたは今のところ安全です。」

「だったらなおさら私といた方が「安全……ですか?」…っそうです……」


シルヴィは、まだ子竜であるにもかかわらず、すでに成竜である私よりも圧倒的な力を持っていた。


「確かに私は成竜なのに圧倒的な力を持つあなたには全くかないません。ですが敵はあなたのお父上さえもかなわなかった力をもっています。もし、奴らと遭遇したしたときに私がいたら、あなたの足手まといになりますし、そもそも狙われていないはずのあなたまで捕まってしまうかもしれません。それに、今はいなくなった彼らが、生きていることが消えた竜たちの子供が、親の司っていたものを受け継ぎ成竜になっていないことから、わかります。そしてあなたのそのネックレスからもあの方の魔力をしっかり感じます。ですが捕まっているということはいつ殺されてもおかしくないということです」


殆どの場合は、ふさわしい時期になると親が子供に司るものを譲っていたが、もし子供に譲る前に死んでしまった場合は強制的にその子供に受け継がれていた。つまり、きえた竜たちの子供がそれを受け継いで成竜になっていないということは、消えた竜たちが生きているという証だった。


「……つまり、私が一人で行ったほうが安全かつ自由に調査ができるというわけですね…」

「そういうことです」


私から見たシルヴィアは少しつらそうな顔をしていた。


「わかりました。私が一人で王都に行きます」

「…それでですねぇ……」

「え?まだ何かあるんですか?」

「あなたには、王都の王立魔法学園に行ってもらいます」

「……はい?…えっと、どうして調査に行くのにその王立魔法学園?とやらにいかなければならないんですか?」

「実際に行ったことはないので詳しいことはわかりませんが、確か国民の殆どが人間族で周りの重人族の

「……あなたは王立魔法学園がどのようなところか知っていますか?」

「……いえ…」

「まずこの学園はこの大陸で一番の大きさのシルヴァート王国にあります。シルヴァート王国がどのような国かは知っていますね?」

「実際に行ったことはないので詳しいことは分かりませんが、確か国民の殆どが人間族で周りの獣人族やエルフ族とかの、その他色々な種族と協力して魔王を倒そうとしている国ですよね?」


シルヴィアの答えは半分は合っていて、もう半分は間違っていた。


「まぁ、協力というよりは、魔族国に攻め入られて国政がボロボロになっているところを保護という名目で、無理やり協力させているだけなんですけどね………まぁ、つまりシルヴァート王国には今、他種族も多く暮らしています」

「ええっと、つまり?」


まだ、気づかないようなので私はもう少しヒントを与えた。


「王立魔法学園は魔族国に対抗するためにその戦力となる者たちを育てるための学園です」


そういうと、シルヴィは少し考えるそぶりをした後、そのあとすぐに分かった!という顔をした。


「つまりそこには、魔法が得意なエルフや獣人とかの戦力になる種族も多く通っていて、よりたくさんの情報が集められるってわけですね」


それから、まだしばらく話は続いた。





***





そのあとの話でシルヴィは信じられないことを言った。


「…確かに父様と母様に似て可愛いなぁとは、思ってますけど………」


私はその言葉に絶句していた。予想通りといえばその通りだったのだが、まさかその程度にしか思っていないとは思っていなかったのだ。神竜はもともと五十メートルを超える竜の姿をしているが生活には不便なため人間に姿を変えて生活していた。そしてなぜか神竜族の人間の姿は、ほとんどが信じられないくらい整った顔をしている。その中でもシルヴィは類を見ないほどの圧倒的な美貌を誇っていた。薄く水色がかった銀色の緩くウェーブをえがいている、腰まである艶やかな長い髪に美しい海のような色をした碧眼、そして豊富な胸に細い腰と雪のような白い肌、そして何よりこの世のものとは思えないほどの女神のような人間味の薄い顔をしていた。


「……この子が王都に行ったら、そこらへんの美男美女が泣きますよ……」


「え?なんですか?師匠」


どうやら、驚きすぎて思ったことをそのまま口に、出してしまったようだった。


「……いえ、なんでもありません。学園の試験は来月です。一週間後には出発してもらうので今日はもう休んでください」

「……分かりました。おやすみなさい」


そう言い残してシルヴィは部屋から出て行った。


「はあぁぁぁ……全くあの子といると飽きませんね………ですが、この機会を機にもっと心を開いてくれるようになればいいんですが……」


私が、シルヴィを王都の学園に通わせるといったのには、もう一つの狙いがあった。

それは、八年前に森で倒れていたシルヴィを拾った時からだった。偶然見つけたその子からは三大神竜の一人ヴィルヘルム様と、とてもよく似た魔力を感じた。同時にその子が身に着けていた透き通った青色の宝石のついたネックレスからは、まぎれもないヴィルヘルム様本人の魔力をはっきりと感じた。その後、その子を保護し事情をきいた後、眠りについたその子の部屋を訪れた時のことだった。










次回は師匠がシルヴィアを学園に通わせようとしている理由とシルヴィアの過去が少し出てきます。

短い時間の中で書いているので、更新が遅いと思いますがこれからもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ