幸せな夢
今回はシルヴィアの転生した時を書きました!
「おぎゃああぁぁぁあああ!!」
え?赤ちゃんの泣き声?いったいどこから……
そう思い辺りを見回そうとしてみるがなかなか思い通りに体が動かせない。
というか私さっき車にひかれて……
あれ?でも、どこも痛くない……
そんなことを思いながら、私は重たい瞼を開けた。
ぼんやりとしか見えないがどうやら人がいるようだ。
え?どういうこと?
目の前には赤ちゃんの手がうつっていた。
これ、私の手じゃない……それにこの声、もしかして私の声?
私もしかして、いわゆる転生ってやつしちゃったの?!
「おぎゃぁぁああ!!」
「シス、生まれたぞ!」
「ええ………!」
どうやら言葉は分かるようだ。
だが、ぼんやりと分かる髪の色が地球に存在する色ではない。
「かわいいな……女の子だ……」
「名前は俺とシスティから取ってシルヴィアっていうのはどうだい?」
「ええ……とっても良い名前だわ……はじめましてシル、母様よ」
「父様だよ……」
「ふふっ、みて……あなたに似てとてもきれいな、翼をしているわ……」
この人たちが今世の私の両親なのかな?
って、ん?翼?翼って……わあ?!何これ?!
目の前にあったのは、とても薄い色をした翼だった。
も、もしかして私人間じゃない!?
でも、さっきの私の手は人間だったし、目の前にいる両親も人間だよね?
私は、いきなりの転生と自分がいったい何なのかで頭が混乱してしまった。
まぁでも、今だけでもすごく愛されてるって分かるし、これが夢じゃないなら今世は幸せに暮らしたいな………
そのまま、私はしばらくすると泣き疲れて眠ってしまった。
***
「シ……。シル、朝よ……起きなさい……」
重たい瞼を開けると、そこにはどことなくシルヴィアの顔に似ていて、シルヴィアと同じ髪色をした美しい女性が、金色に輝く美しい瞳で慈愛に満ちた表情を浮かべ私を見ていた。
髪に隠れている左側の耳には、金色の竜が描かれている白いピアスが見え隠れしていた。
「おふぁようごじゃいましゅ……かあしゃま……」
ある日いきなりこの異世界に転生してからちょうど今日で八年がたつ。
私は人間と神竜族のハーフとして生まれてきたらしい。
ちなみに、普段は翼をしまって生活している。
そして、私の目の前にいる女性が私の母親だ。
名をシスティアという。
「おはよう、シルヴィ。お誕生日おめでとう」
そう言われてから今日が自分の誕生日だと思いだし、一瞬で頭が覚醒したシルヴィアはすぐにベッドから起き上がった。
ちょうどその時、その扉の向こうからノックが三回聞こえ部屋に黒髪とシルヴィアと同じ海のような瞳のどこか異質な感じをまとう顔の整った青年が入ってきた。
「おはよう。お寝坊さん。お誕生日おめでとう」
私は入ってきた人物の顔を見ると満面の笑みを浮かべた。
「おはようございます、父様!後、ありがとうございます!……でも私はお寝坊さんなんかじゃ、ありません!」
片方の頬だけぷくっと膨らませて反論した。
すると、母も私の味方をしてくれた。
「ヴィル。そうシルをからかっていじめないの。やりすぎると本当にシルに嫌われるかも知れないわよ?」
私と母に責められているこの青年は、私の父で名をヴィルヘルムといった。
「うぅ……。それは嫌だな……ごめんよ、シル……」
「わかりました。もうやめてくださいね。父様」
せっかくの綺麗な顔が残念なことになっているのを見て、仕方なく父を許した。
すると、いきなり父が私に抱きついてきた。
「わあ?!いきなり何するんですか、父様!」
「はぁ………本当にシルは可愛いし、優しいし……天使だ………」
そう言って、私を抱きしめている父の腕がさらにギュッとしまっていった。
「ちょ……父様………ぐるし……か、母様……」
あまりの苦しさに母に助けを求めるが肝心の母はこちらを見て、あらあらと笑っている。
一筋の希望を失ったシルヴィアは父に気づいてもらおうと彼の頭をポコポコとたたいた。
[ん?シル、どうしたの?って、ああ?!ご、ごめん!大丈夫?!」
ようやく私が苦しんでいるのに気がついた父は、私を抱きしめていた腕をほどいた。
「はぁ…はぁ……、ひ、ひどいです!父様も母様も!母様は笑ってないで助けてくださいよぉ………」
「うふふっ、ごめんなさいね。二人のやり取りが面白くて……ふふっ!」
「もう、母様ったら………」
そして、次に私は父をじとーっと見つめた。
「うっ……娘からの視線が痛い……。あ、そ、そうだ!シルに誕生日プレゼントを用意してるんだ!」
父が話をそらそうとしているのは、見え見えだったがプレゼントが気になったので仕方なく、父を見過ごすことにした。
それにしても、プレゼントってなんでしょうか?うーん、わかりません。
そんなことを考えていると、父が懐から三つの小さな箱を取り出し、そのうちの一つを私に渡してきた。
開けてごらんと言われ、促されるままに箱を開けると中には銀細工のチェーンで先に小さく綺麗にカットされている、光の反射で青にも水色にも輝いている宝石のついたネックレスが入っていた。
あまり目にしたことがない色合いのネックレスの宝石が気になり、父に聞いてみた。
「父様、これは?」
「うん?ああ、これは世界中の海の中でもいちばん深いところでしかとれない石で、オーシャルナイト、別名海の奇跡と呼ばれていて永遠の絆っていう意味が込められているんだ」
「へぇ~素敵ですね」
「本当ね」
父は残り二つの箱のうち、一つを母に渡し最後の一つの箱から取り出したネックレスは自分の首にかけた。
「ほら、二人とも貸して。つけてあげるから」
父は私と母からネックレスを受け取ると、丁寧に私たちの首にネックレスを付けた。
「お揃いですね!父様、母様!」
「ええ、そうね」
「ああ、これは特別製だから正真正銘のお揃いだ。それに、このネックレスには俺の魔力をまとわせているから、もしシルが迷子になっても俺からなら、居場所が分かるから安心だ」
父が自分を心配してくれているのは分かるが、さすがに過保護が過ぎるので私も内心困っていた。
その時、父の表情が真剣なものへと変わった。
「いいかい。シルは半分は人間だがもう半分は神竜族だ。なのにシルはまだ成竜になっていないにもかかわらず、三大神竜と呼ばれている俺にもとどくほどの魔力と神力を持っている。確かにそれはすごいことだけど、使い方を間違えると脅威となってしまうんだ。わかるかい?」
「……はい」
「でも、それとは別に力を悪用しようとしてくる者もいるかもしれない」
「わかりました。気をつけます」
「さすが、俺の娘。賢いな!」
今はこんな感じだが、これでも《大地》を司るドンテル、《海》を司るヴィルヘルム《空》を司るシャルランデの三大神竜と呼ばれている伝説上の最も強いとされている三大神竜のうちの一人だ。
この三体の竜たちは伝説上の存在として、魔人族以外の種族から信仰される対象であった。
「はいはい、親ばかもそこらへんにしてヴィル。せっかくシルの誕生日なんだから、ケーキでも作りましょう」
「はい!」
そう返事をして、私と母はケーキを作り始める。
「……俺、結構真面目に話したつもりなんだけど………」
向こうでは父が一人落ち込んでいるが、いつものことなので心配はしない。
「ほら、ヴィルも手伝って!」
「う、うん……」
こんな感じで私は、八年間人の寄り付かない森の中で家族と幸せに暮らしていた。
だが、それも終わりを迎えることになる。
それは、たった一週間後のことだった。
予約投稿の日時を間違えていて、投稿が遅れてしまいました!すみません………
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これからもがんばります!




