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初めての心霊体験

作者:  龍人

 これは筆者自身が幼い頃に体験した事です。




 10歳まで父親の出身地である瀬戸内の島に住んでいた俺は、親父が休みの度によく親父の実家に連れて行ってもらっていた。


直ぐ近くには浜辺があり絶好の遊び場になっていた。蟹やヤドカリ、浅瀬を泳いでいる小魚を捕まえたり防波堤で釣りをしたり、ただ砂浜を走り回るだけでも楽しかった。勿論、毎年夏には海で泳ぎ暗くなると花火をして楽しんでいた。


 小学校2、3年の夏だったか、その日は親父が釣りをすると言っていたが、なんとなく釣り糸を垂らしている気分ではなかったので従兄弟と一緒に泳ぎにい行った。

小学2、3年くらいにもなれば沖の手前まで泳いで行けるようになっていて、素潜りで海底に転がってる貝や石ころを拾ったりして遊んでいた。


 防波堤で釣りをしている親父と母が目に入り「お~い!」と手を振っていると、不意に誰かに左足首を引っ張られ海中に引き込まれた。

また従兄弟の悪戯だろうと思い反撃してやろうと顔を向けた左足の先には…………………………誰も居なかった。


 幼かった俺は心霊現象とか知らず、しかし異常な事が起きていると感じ必死に海面に顔を出そうともがいた。防波堤にいた母がその様子に気付いて騒いでいるのが見えた。


 その後、足を掴まれている感触がなくなり必死の思いで足のつく浅瀬へと泳ぎ浜辺へたどり着くとその場にへたり込んだ。溺れかけたと思い青ざめた顔で母と親父が走ってきて俺の無事を確認し、一旦家に戻る事にした。


 立ち上がる前に掴まれた感触が気になり左足首を見ると、掴まれていた手型がくっきりと残っていた。その手型を見た俺は怖さではなく哀れみを感じた。その頃からどこかズレた感覚をしていたようだ。

手型の事は親には告げてない。浜辺から離れると消えていたし、なんとなく面倒くさい事になりそうだと思ったから。


 因みに従兄弟は既に浜辺に上がっていて蟹を捕まえるのに夢中になっていた。





 以上が幼い頃に体験した心霊現象である。幼いゆえの勘違いかもしれない。

信じるか否かはご自由に。

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