神様と日常風景の描写
遅くなりました、3話です!
リアル都合で投稿が遅れました…
そろそろ主人公の日常風景を書かないとと思い書きました!(砂糖多め)
神様ってほんとにいるのか。
最初に抱いたのはそんな感想だった。
目線を合わせ自分のことを神様だと言った女の子は“人形のような”という表現がしっくりくる整った顔立ち。美しい花柄のあしらった着物を着て決意の表情を浮かべている。
これが何処の誰とも分からないような奴に言われたのであれば一笑に付していただろう。しかし彼女の纏う神々しい雰囲気、畏敬を抱かせるような居佇まいはそれを信じさせるに十分だった。
その時の俺はきっと難しい顔をしてたんだろう。
「…大丈夫?」
俺が御神と初めて会ったときのように、今度は御神の方から心配するように尋ねてきた。その表情がどこか不安気になっているのは俺がこのことを信じないかもと思ったからかもしれない。
ここで上目遣いを使うのは反則だと思う。てかまつげ長いな。
「大丈夫、ちゃんと信じてる」
俺は安心させるように出来るだけ優しい口調でそう言った。
今のところ何か変わったことがあるわけでもないし、困った事もない。だからそれでいいんだ。そう考えると神様だとかそんなに難しく考えることはない気がした。
「…やっぱり、彼方はいい人」
「おっ、おう!ありがとな!」
可愛いなこんちきしょー!
普段あまり表情を見せないだけに破壊力は凄まじい。この威力なら大抵の奴はイチコロだな!なんならこの後に告白してもう一度死ぬまである。
そういえばと帰ってから背負いっぱなしだった鞄を下ろし、制服をかけると御神と同じように
炬燵に足を突っ込む。
じんわりとした温かさが冷たくなった足に染み渡り思わず声をもれてしまった。
「はふぃ〜、あったけえな〜」
「これ…食べる?」
「お〜、ありがとう」
御神が差し出してきたたけのこの谷を口に放り、炬燵で足を伸ばすと足先が何かに触れた。
程良い温かさでむにむにとマシュマロのように柔らかいそれを俺は突っついたり撫でたり…ん、柔らかく?
嫌な予感を覚えて目の前に座っている御神を見るとばっちり目が合った。心なしか頬が赤い気がする。
「…そろそろやめてほしい」
むにむにと 足で太もも 弄ってた
そんなアホな川柳が頭に浮かんだ俺はいっぺん死ぬべきじゃないかと思ったが、
「ごっ、ごめん!つい…」
反射的に足を戻そうとして炬燵の上部に膝をぶつけた。ゴンっという鈍い音と共に痛みがやってきたがそんなことより目の前の御神だ。
ああやっちまった…なんだよついって、これじゃ仲良くなるどころか警戒されるだろうがバカ彼方!
「…少し風に当たる」
御神はそういって小さなベランダに出ていってしまった。背中を向けられているためその表情は窺えず、見えるのは黒曜石のように艶やかな長い黒髪だけだった。
「やっちまった…」
俺は激しく後悔していた。確かに少しは触りたいと思っていたし、実際むにっむにだった。でもそれをしてしまった時点でそれは未必の故意であり俺が掲げる
『仲良くなって合意の上で』
を破ったことになる。それでは本質的に痴漢や強姦と変わらない。そんなのは駄目だ。駄目に決まっている。
だからこそ俺はちゃんと御神に謝らなければいけない。
そんなことを考えいたら晩飯の時間になっていた。この時には御神もベランダから戻ってきていたし、食事の準備もしてくれた。
「…いただきます」
「いただきます」
「…………」
「…………」
御神がつけたテレビの音だけがこの空間に響く。
ごめんなさい無理です。
沈黙が重すぎて口すら開けません。ほんとなにこれ、重力魔法?いつの間にこんなの覚えたんだよ。
どうにも現実逃避のためか思考が脱線してしまう。こうなりゃ風呂上がりだ!
夜も深まり御神も風呂からあがってきた。水分を含んでしっとりと艶めく黒髪にまたしても俺は目を奪われる。
「…どうしたの?」
「っ、何でもない!俺も風呂入ってくるな!」
慌てて風呂場に飛び込んだがまだ俺の心臓は16ビートを刻んだままだった。
危なかった…危うく目の前で深呼吸して罪を重ねるところだった。
風呂上がりの女の子ってどうしてあんな良い香りがするんだろうか?謎だ…
風呂の中で一人悶々としていた俺は、寝る前に次こそ謝るんだという決意を固めた。三度目の正直ってやつだ。まあ二度ある事は三度あるとも言うが。
風呂から上がった俺は御神と一緒に炬燵を部屋の隅へ寄せていた。こうしないと布団をニ枚敷くことが出来ず、かといって一つの布団で寝るようなことも絶対に出来ない。
まあこんな可愛い女の子と同じ部屋で寝れるんだ。これ以上望んだらバチが当たるってもんだ。
そうして敷いた布団に入り俺は電気を消した。
部屋が暗くなったところで俺は小さく声をかけた。
やっぱり俺は卑怯だ。お互いの顔を闇で隠さなければ謝ることさえ出来ない…
「御神」
「…ん」
「今日はその…ごめん。触っちゃって…もうこんなこと絶対にしない…」
俺は自分の信条を破ったことを戒めるように、心からの謝罪を口にした。
「…いい」
俺ははじめ、もうこんな生活はいいと言われたのかと思ったが、続く御神の言葉は意外なものだった。
「…別に怒ってない。…それに嫌じゃなかった」
そう言うと御神は布団から手を伸ばし、小さく俺の手を握ってきた。
「でも今は…まだこれくらい」
握られた手の柔らかさに思わずドキリとしたが俺も同じように握り返した。
ここが暗くてよかった。俺の真っ赤に染まっている顔を見られなくて済む。
多分それは向こうも同じだろう。
繋いだ手は太陽のように熱かった。
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