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私は必至に廊下を走って逃げている。あのおかしい図書室にいた人たちから。
図書室で明らか違法な事してたよね、一発で銃刃違反の!なに怖い怖い!色んな意味で怖い!
「アハハ、逃がしませんよー。地の果てまでオイカケマススヨ」
部長と呼ばれたメガネ掛けてる人が追って来てる!?しかも最後ホラー風……余計に怖い!というかヤンデレ!
チラッと後ろを見ると追い掛けてる………重力を無視して。なんか、壁や天井走ってる。
「って、人間離れしてる!」
私の記憶では壁や天井を走る人間を見た事ない!さっきから何人かの生徒とすれ違ってるが、何事もなかったかの用に平然歩いてる。そしてさりげなく私が走ってる真ん中が不自然に空いてるし!
「誰か助けてよ!?」
周りは助けようともしない。
もう体力が………。あぁ、 このまま死ぬのかな?
諦めた時、救いがいた。
「四宮、邪魔」
「シャーマン!?」
謎の悲鳴をあげて転がって行く部長の人……。それを蹴った人はダンベルを担いでる。救ってくれた……くれたけど…………色々とツッコミを入れたい。
「上野、痛いじゃないですか?」
「何はしゃいでる?」
「狩……勧誘してました」
絶対違うよね!しかも狩りと言い掛けたし!
「そうか、先に行くな」
「分かりました。春日と袖中の処刑をお願いしますね」
「わかった。骨は何本まで」
「そうですね。206本まで」
全骨!?通報すべき…すべきだよ!殺人鬼よりもこの人が怖いよ!
携帯、携帯は……って、教室に置いたままだった!
他の生徒から借りれば…って誰もいない!
「しゃあ、後でな」
「はい、また後で」
私を助けてくれた人が去ってゆく時に私もソロリソロリと去ってゆこうとした。
「どこ行くのですか?」
ですよねー!首根っこをしっかり握って逃げれない!
「狩りの続きをしてもいいですが、女の子を追い掛けるのも気が引けるですよ」
「ウソだ!」
笑って追い掛けてたよね!しかも狩りって言ってるし!
「まぁ、それも置いといて」
「私にとっては生命の危機だから!」
「他人の生命なんて本に比べれば月とスッポンです」
私の命より本が高いと……。屈辱的だ。
「話しを逸らさないで、行きましょうか?」
「拒否は出来ますか?」
「無理です」
「いーーーやーーーーーーー!」
この 時地獄の門が開く音が私には聞こえた。