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真新しい制服に身を包んで高校の入学式に出ていた。
親にちょっと頑張って貰い私立の高校に進学した。だってねー、私立の方が設備もいいから。
入学式は割愛させて貰い、クラスメイトとも仲は良好だよ。その中で体育館でなんか部活説明会をするらしく体育座りで聞いていた。
これと言って気になる部活もなかった。でも部活には入りたいけど、運動部関係は興味ないから文化部関係かー。あっ、ある部の部長が盛大に噛んだ。一年生から苦笑が漏れてる。
特に入りたいのは見当たらず、数日過ぎた。
部活勧誘してる中で先生からの宿題で調べモノをする為、図書室に向かった。鉄で出来た扉で中は見えない。温度設定でもしてるのかな?
なぜ、今日調べに行ったのか私は後悔した。危機感があったなら即座に逃げるべきだった。
扉を開けて入って閉めた瞬間に飛んできた………危ない!?
勢いよく私が閉めて鉄製の扉に深々刺さっている………えっ、これって鉄製だよね!?しかもサバイバルナイフ!?
「春日~袖中くん~、避けるから一般生徒に刺さりかけたじゃないですか~」
「いや、部長…僕らの命の心配してくださいよ!?」
「さすがに俺でも死にますよ!」
サバイバルナイフを投げたのは部長と呼ばれてる人で二人は 犠牲者?なんだろうけど………
「銃刀違反ですよね!?」
思わずツッコミを入れてしまった。おかしいよね!なんでサバイバルナイフを持ってる上にそれを鉄製の扉に深々刺さってるのはどんな威力!?これを刺さったら致命傷だよ!
「ツッコミ所多すぎ!」
ツッコミを入れ終わった時にポンと肩に手を置かれた。
置かれた人は部長と呼ばれた人………それと部活説明会で盛大に噛んだ人。
「ナイス、ツッコミ!」
「グットしてる所悪いですが、さりげなくナイフを回収してますね!」
深々と刺さってるのを簡単に回収してるって……。
部長の後ろでこそこそ逃げる小さい人と大きい人。私も逃げたい逃げたい。
「何逃げようとしてるのですか」
ビックンと飛び上がる逃げてた人。それを狙い定めて部長が大量に投げた。あれってカッターナイフ!?
「どこに仕込んでいたんですか!?」
この人の制服の下は四次元ポケット!?
逃げていた二人の安否よりあの量の方が重大だった。
「全く図書室では静かにするのが常識ですのに」
お前がそれを言うな!図書室で刃物を投げていたお前が!と心の中でツッコミを入れておいた。
「四宮、処刑は終わったー?」
また出てきた。まともな人であって欲しいが、処刑とか言ってる時点でまともではないかも。
「なぁ、四宮。そいつどうする?」
そいつとは誰の事でしょうか……この場合は私になるんだろうか。
「そうですね。………………記憶消去しますか………」
この一言でその場からダッシュで逃げたのは語るまでもない。




