第7話 謁見から6ヶ月後
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暁の時間帯に村壁の外周を走っている一人の女の子がいた。
走っている女の子がイサーラ村の東門の傍を走っていると畑仕事をしていた村人達が挨拶をしながら手を振って来たので女の子、ミール・フォルティスも走っていた足を止めて朝の挨拶をしてから手を振り返した。
「ミールちゃん、おはよう」
「はぁはぁはぁ……おはようございます……」
「おはよう」
「ミールおはよう、今日も早いわね」
「毎日、よく走るわね」
「い、今の私には、走る事しか出来ないので……」
「今日も、剣術、魔術がんばってね!」
「うぅ……剣術はがんばるけど、魔術はちょっと……」
「「「「「はははははは」」」」」
「魔術苦手なのは、相変らずだね」
皆に笑われるとミールは、照れながらも手を振りその場所を逃げるように離れた。
走り始めると色々な所で挨拶をされて挨拶を返すを繰り返し暫くすると走り始めた西地区の西門の入り口に着いた。そこには、一人の男性が立っていた。
「はぁはぁオールドー先生……おはようございます……はぁはぁ」
「あぁ、おはようミール、今日も一周して来たのかい?」
「はい、毎日走らないと意味がありませんので」
「そうだね、でも、3才で休憩を取らないで村一周10キロを走る事が出来るなんでミールくらいでしょう。最初は西地区一周も出来ないで、吐いて泣いていたのが嘘のようです」
「そ、そんな昔の事は忘れました」
「あははは、そんな昔の事じゃないでしょう。これも毎日の走り込みの賜物とリキドの娘としか思えないね」
「お父さん? お父さんも先生の生徒だったんですか?」
「言ってなかったかい? 今のミールと同じ3才の時からです」
「お父さんって、どのような生徒でしたか?
「彼の前にも後にも数多くの生徒を見てきて剣の才能を待った人は沢山いましたが、彼だけですね剣の神に愛されていると思った人は」
「剣の神? そんなに凄いんですか? お父さんは」
「ええ……12才にして、私を超えましたから」
「12才で先生を超えたんですか!?」
「あっさりと抜かれました。でも、嬉しかったですよ……私も小さい時は天才と言われましたが本当の天才は彼の事だと思いました」
「私も先生やお父さんに近付けますか?」
「それは此れからの鍛錬次第ですけど……潜在能力なら私やリキド以上だと思っています」
「……!? 本当ですか?」
「ええ、私もリキドも休まずに村一周出来たのは、4才の時です」
「……!」
「才能はありますが、今は走って基礎体力をつける時です。がんばっていきましょうね」
「はい!」
「もう朝食の時間になりますね。帰って朝食にしなさい。今日も剣術と魔術の授業がありますから準備もしておくように」
「……はい」
「相変らず魔術は、苦手ですか?」
「嫌いではありませんが、お母さんの娘なのに魔術が不得意なんで恥ずかしくって」
「ミールそんな事は、気にしなくっていいですよ。この村では、5才まで剣術と魔術を習う事は義務なのでしかたがありません。6才になれば自分の得意な方を選べはいいんです」
「……ありがとうございます。先生」
「さあ、帰って朝食を食べなさい」
「はい、先生、失礼します」
ミールは、元気を取り戻し先生にお礼を言って家に戻る事にした。
家に戻ると母イルマが、エストとソティアスに離乳食を食べさせていた。
「ただいま――――お母さん……おはようございます」
「おかえり、おはようミール、今日は少し遅かったのね」
「はい、オールドー先生とお話ししていたので」
「そうなの? きちんとご挨拶した?」
「はい、きちんとしました」
「そう! さあ、朝食をたべなさい」
ミールは、頷きエストとソティアスに挨拶し頭を撫でた。
「おはようエスト、おはようソティ君」
「「きゃっきゃ」」
エストとソティは頭を撫でられて嬉しそうににこにこしている。
「ふふ、かわいい!」
「はいはい、分かったから、早く食べなさい……ふふ」
そんな毎日を繰り返し
さらに6ヶ月後
暁の時間帯=太陽は出ていないが、空が明るくなり出している時間帯
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