第2話 再会
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ユニーク
ソティアスの「お客さんの様です」の言葉で暫く固まっていたフレトゥム・カティーアと妹のルチル・カティーアは、聞いてみた。
「こんな所にお客さん?」
驚いた理由は、冒険者の仕事をする際には、此方から近場の冒険者ギルドに赴くし傭兵団に仕事を依頼する者は、此処から東へ1kmにある小さい農村に連絡を取り付いて貰う事になっていたからだ。
3人が現在居る場所は、ソティアスが瞑想するのに必要な滝がある場所だ。
「ソティアス! 誰が来るが分かるか?」
「昨晩に話していた人達です」
噂をすればなんとやら、ルチルに感のような物が働いたようで、自分でも驚いでいた。
「いやー! 自分でも吃驚、噂をすれば影?」
「そうですね! 驚きですね」
「……その反応は、分かっていたな?」
「……分かります? でも、此処に来るが村に来るか分からなかったですけど」
「……まあ、いい……どうする?」
「今回は、僕が団長の役をやります」
「ああ、顔はどうする? 素顔で行くのか?」
「いえ、銀仮面で、名前は、シルバー・ペルソーナで、よろしく」
「「了解、団長」」
「後はどうする」
「僕は、滝で瞑想の振りをします。2人は、剣の練習をして到着したら話し相手をお願いします。後はいつも通りにアドリブでいきます」
「自分の事バラさないの?」
「……わかりません……僕はもうフォルティスじゃないし……姉弟でもありませんから……」
「馬鹿! ルチル」
「……ソティ……ごめん」
「……僕の方こそ……ごめん……そろそろ来ますので、作戦開始でお願いします」
「「了解! シルバー団長」」
10分後、お客が到着した。
姿を現したのは8人、
ラピス・レイノ・イストリア王女、リキド・フォルティス大将軍、リュセ・ロータス大将軍、オスター・グリフ筆頭宮廷魔術師、ミール・フォルティス、エスト・フォルティスと後は、一般兵のウィル、バランの2人だ。
兵士2人を先頭にして、ラピスを中心に他の者が守るようにして現れた。
姿を現した際、フレトゥムとルチルの二人は、剣の練習をして、お客を無視をしていた。
声を掛けて無視をされていた兵士の二人が我慢の限界で怒鳴った。
「おい! 王女殿下がお声を掛けていらっしゃるのに無視してんじゃねえ!」
「そうだ! 傭兵風情が身分を弁えよ!」
その怒声を聞いて2人は、振り向き声を掛けた。
「……これは、申し訳ありません。気が付きませんでした」
「剣の練習中は、集中していますので、気が付かない事がありますれば申し訳ありませんでした。王女殿下」
「フン! 最初からそういう態度をとれ!」
「で、此度はどのようなご用件でしょうか?」
「喜べ! お前達の様な下膳な者を雇ってやろうと参ったのだ」
「「……」」
「返事はどうした!?」
「……申し訳ありませんが団長に聴きませんとお答えできません」
「なら団長に聞いて来い」
「いえ、今は無理です」
「何故だ!」
「団長は、あそこで……瞑想中ですので」
ルチルは、ソティアスが瞑想の振りをしている滝を指さして答えた。
「早く呼んで来い」
「瞑想中は声を掛けないのが決まりです」
「俺は、呼んで来いと言っているんだ!」
「……私達には、無理です。呼びたければご自分でどうぞ」
「チッ!」
兵士ウィルは、舌打ちをしてソティアスの元に歩いて行った。
その兵士を全員で見ていたがフレトゥムとルチルの二人は思っていた。
「何故、兵士の二人しか喋らないのか?」と
ソティアスの傍まで来た兵士は怒鳴ったりしているが全く反応しないのに腹を立て胸倉を掴んだかと思うと滝底へ落としてしまった。
見ていた全員が唖然としてしまった。
「どういうつもりですか? 王女殿下」
「……」
ルチルは、怒った振りをして詰め寄ろうとしたが後ろにいたエストが刀に手を掛けた瞬間に滝底からソティアスが声を発した。
「ルチル! 待て!」
「はい、団長」
「フレトゥム!」
「ハッ!」
「何故俺は、滝底に落ちているんだ!?」
「さ、さあ……私にはわかりかねます」
「そうか! ならいい」
ソティアスは、”温風”を唱えて自分の体と服を乾かした。
乾かした後で、まるで今気が付いたかのようにわざとらしく聞いた。
「フレトゥム、ルチルそちらの方達は?」
「ハッ! 王女殿下様御一行です」
「ほう! 何故立たせたままなのだ!?」
「気が付きませんで申し訳ありません」
「まあいい」
ソティアスは、”無限倉庫”から長机と椅子を自分用に一つ、王女側に3つ出して、「お座り下さい」と促した。
その光景を見ていた全員が何処から出したのが分らずに驚いていたがソティアスは、気にせずに座ってから
「何が飲まれますか?」
ソティアスがラピスに聞くと代わりに兵士バランが答えた。
「王女殿下がお前らが出した物を飲まれるわけがないだろ!」
「……そうですか? では、ご用件をお聞きするとしましょう。我々に何の御用でしょうか?」
「先ほども言ったがお前らを雇ってやるって言っているんだ!」
「………………」
ソティアスは、兵士を無視してラピスをずっと見ている。ラピスも銀仮面を被ったソティアスを見ていた。お互いに顔を逸らそうとしなかった。
「おい! 聞いてんのか!」
「………………」
「おい!」
「……お前が俺の雇主なのか?」
「俺じゃない! 王女殿下だ!」
「なら、黙ってろ! 俺は、雇主である目の前の女と話をしているんだ!」
ソティアスが怒気を含んで怒鳴ると兵士バランは後ずさりしたが王女を女と言った事が頭にきたのが声を震わせて怒鳴り返してきた。
「此方の方がどなたが分っていないようだな此方は……」
兵士が名前を出す前にソティアスが割り込んだ。
「知っていますよ! イストリア国第11王女ラピス・レイノ・イストリア様、王位継承権を持っていなかったが4年前のクーデターで、数人の王位継承権を持っていた者が殺されたので繰り上がって今では、王位継承権第5位の王女殿下様です。まあ、王都を追われたのに王位継承権があるのは、可笑しい話だと思いますけどね」
「なっ!」
「……自己紹介しておきます。私の左がルチル・カティーア、右がフレトゥム・カティーア、で、私が団長のシルバー・ペルソーナです」
ラピスは、何がを考え思い聞いてきた。
「……シルバー・ペルソーナ様、其方のお名前は本名ですか?」
「やっと、喋って頂けましたね! はい、私の現在の本名です。親に付けてもらった名前は……ある事情により名乗れなくなりました」
ラピスは、思い悩み一呼吸置いてから自己紹介をはじめようとしたが
「……此方も名乗りますね」
「いえ、結構です」
「えっ!?」
「おい!」
「全員のお名前をご存知ですから……王女殿下の右にいるのがリキド・フォルティス大将軍閣下、左がリュセ・ロータス大将軍閣下、後方左からイストリア国筆頭宮廷魔術師オスター・グリフ様、王女近衛隊隊長ミール・フォルティス様、同副隊長エスト・フォルティス様と一般兵のウィル殿とバラン殿ですね」
「「「「「なっ!」」」」」
「!何故わかったんですか?」
「情報収集は、基本ですから……で、御用向きは何でしょう?」
「だから!」
「だから! お前に聞いていないって言っているだろ! 何なら帰って頂いても結構ですよ此方は?」
ラピスは慌てた。
「……お待ち下さい。お話を聞いて下さい」
ラピスは、頭を下げたがウィルが口を挟んだ。
「ラピス王女殿下、こんな下膳な者に頭を下げる必要はありません」
「……お前いい加減にしろよ! 一応王女だから此方は、それなりの対応しているのがわからないのか! それに……お前、王女付きの兵士だからって随分偉そうにしているがお前が偉い訳ではないのが分らないのか?」
「なに!」
「言わせてもらうが4年前クーデターに巻き込まれた王女殿下は、可愛そうとは思うが起こされた方も悪いと俺は思っている。此方の手に入れた情報では、王都内の数人は、クーデターの情報を掴んていた方がいたようですね、リキド・フォルティス大将軍閣下、リュセ・ロータス大将軍閣下」
「「……」」
「情報があったのに生かせなかった者も悪いと言えば悪いと思いますが……失礼、少し脱線したかな……何か言いたいかといえば、クーデターが起きてクーデターが成功したと言う事は、王女殿下は殺されていてもおかしく無かった御方、本来ならもう王女では無いのではありませんか?」
「ぐぅ!……」
「お前もう邪魔するなよ! 今度邪魔したら話は終わりだ!」
「貴様!」
ソティアスは、無言で席を立つとラピスが懇願してきた。
「申し訳ありませんシルバー様、お話をお聞き下さい。お願いします」
ソティアスは、悩んだ振りをしウィルとバランを睨んでから席に座った。
「……どうぞ」
「有難う御座います。……実は王都奪還作戦にご助力をお願い致します」
「お断りします」
間髪を容れずの断った。
「な、何故ですか?」
「何故とは?」
「あなた方も王都に居る偽王と敵対している聞き及んでおります」
「……勘違いしてもらいたくないですね、あなたの言う偽王と大将軍だった二人の能力と野心は認めているのですよ。俺達とあいつ等は、敵対していたとしても殺し合いをしている訳ではないですし敵対していると思われているのは、盗賊や山賊その他の闇ギルド力を借りている事とそれを制御しきれていないところにあります。俺がそこを気に入らないと言いふらしている者がいるので、噂になっているようです」
「……では、あの無法者達をのさばらせて置いても問題ないと?」
「別に問題ないですね……仮にあいつらが俺にケンカを吹っかけてきたら王都ごと潰しますけどね……それに何より俺達にメリットがない」
「メリットですか?」
「ええ、俺達平民には、誰が上にいようが関係ないですから……」
「しかし……なら、王都には、同じ平民の方が困っていらっしゃるのですよ!」
「んー! その平民が助けてと言いましたか?」
「いいえ、それは」
「それに……王都に居る平民を助ける義理はありませんね」
「どうして……ですか?」
「彼らは、私が困っている時に助けてはくれなかった……それところがほとんどの方が石を投げてきて王都から私を追い出してくれました。その方達を助ける意味が私にあると思われますか?」
「……それは……」
「まあ、仮に俺と関係ない奴が石をぶつけるならまだ我慢できる。しかし……助けた人達に石をぶつけられる気持ちは分かりますか!? 助けてくれると思っていた人達が助けてくれなかった時の気持ちわかりますか!? 義理とは言え……父に姉達さらに婚約者にさえ見捨てられた俺の気持ちが……王女殿下に分かりますか?」
「……あ、あなたは?……」
ソティアスの存在をラピスを始めミールとエストも気が付いたようだがまだ誤魔化した。
「なんですか?」
「い、いえ……あ、あの……その仮面を取って頂けませんか?」
「何故ですか?」
「あ、あの……理由は……その……」
「……仮面を取るのはお断りします」
「理由をお聞きしてもよろしいですか?」
「しつこいですね……まあ、理由くらいなら構いません……5年前に”古竜”と戦っている際に王都の大将軍を助けに入って”無属性大息吹”を食らってしまいまして……眼の周りを焼かれてしまいまして、人に見せられる顔をしていないので恥ずかしいのですよ」
この言葉でリキドが気が付いた。
「……お前……ソティ……か?」
「ソティ?」
「ソティ君?」
「ソティアス殿?」
「ソティ? ソティアス? 誰です……それ?」
「誰って、お前だろ!」
「? 俺の名前は、シルバー・ペルソーナですけど?」
「ソティ君!」
「ソティ……もういいだろ……仮面を取れ」
リキドは、仮面を外そうとしたがソティアスは、抵抗しなかった。
フレトゥムとルチル以外の人がソティアスの顔を見て眼が開いているのに驚いた。
「「「「「!」」」」」
「やっぱり生きていたんだな!」
「生きていて良かった!」
「眼も見えるようになったのね!」
ソティアスは、今までの怒っている振りではなく本気で怒鳴って机を殴りつけた。
「生きていて良かった? 眼が見えるようになってよかった? 簡単に言わないで頂きたい!」
「ソティ君!」
「眼が見えるようになったのは、今朝だ! 眼を治すのに5年掛かったんだ……それを……それを見えるようになってよかったの一言で済まされるような物じゃないんだ」
「「「「「……」」」」」
「眼を治す前に……そもそも俺は、5年前に死んでいてもおかしくなかった。あの日俺は、一度死んで生き返ったと言え……体は重く体力は全然無く魔力は、探知魔術1回唱える事も出来ないし眼は見えない気配を読む事も出来ない……指輪は、全部取られて服も取られて下着姿で武器も無い……さらには、ラピス王女との婚約を無理やり進めたくせに……あの日、ラピス王女の慰謝料とか言って”アルジャンカード(マルテカード)”を奪った。文字通り裸一貫で王都を追い出され俺に……生きていてよかった? 簡単に言ってくれるなよ!」
ソティアスの激怒にバランが口を挟む。
「……しかし、国王陛下の恩赦もあったじゃないか」
「国王陛下の恩赦? 何言ってんだバラン貴様!」
「……」
「恩赦って何だ? 身分が犯罪者や奴隷にならなかった事が恩赦か? ”ワァンセェルフカード(身分カード)”と”クレシミエントカード(成長カード)”を奪われなかったことが恩赦か? こんな身分証のカードで自分の身を守れると思っているのか? 敵を倒せると思っているのか? 恩赦と言うならお前もやって見るか俺と同じ条件で……貴様に出来るか? 恩赦って言うなら武器の一つもよこせや……王都を出されてから2km程で盗賊に会ったからな」
「……盗賊に会って……よく生きて……」
「だから簡単に生きてとか言わないでくれ! ……その場で殺す気はなかったようですよアジトに連れて行って拷問するつもりだったようです。まあ、何度も殴られたり蹴られたりで気絶した所をフレトゥムさんとルチルさんの兄妹に助けられて九死に一生を得たのです」
「……でも、ソティ、その人は、母さんを殺そうとした人だよね……そんな人と一緒にいるなんで!」
「……エスト様は、こうおっしゃるのですね! 母様を殺そうとした人に助けられた俺が悪いと! 助けられるくらいなら死んでおけと」
「! ご、ごめんそんなつもりじゃ……」
「でもソティ君、助けられたのは分かるけど……何故5年も一緒に?」
「確かに母様の敵かもしれないけど俺の命の恩人でもあります。ミール様は、お忘れですか? 俺の眼が見えなかった事に……助けられたのにその場で、サヨナラしていたら死ぬのが遅くなっただけじゃないですか……ミール様も俺が死んでおけばよかったですか?」
「……」
「仕方ないでしょ! 助けてくれると思っていた人達が助けてくれなく……家族や仲間だと思っていた人達に悪魔と言いながら石をぶつけられて心身共に疲れ切っていた所を助けてくれて5年間護衛をしてくれて安心できる場所を作ってくれた人達と一緒に居てはいけなかったのですか?」
ソティアスの眼から涙が流れた。
「……」
ソティアスは、フッと思い出し涙を拭いてから聞いてみた。
「……そう言えば、メリスはどうしていますか?」
「……メリス? どうして?」
「メリスだけでしたからね俺を庇ってくれたのは……だから心配していたんです。あの後に酷い目にあっていないかと」
「……メリス達獣人族は、大森林の集落に帰った見たい……」
「……嘘……ですね……本当の事を話して下さい」
「……ソティ君を庇った事により誰も味方がいなくなって皆に悪魔の仲間って言われて石をぶつけられて心身共にボロボロになってふらふらと道を歩いていた所を……貴族の馬車に轢かれてしまって……」
「……死んだんですか?」
「生きてはいるよ……イサーラ村の私達の家のソティの部屋で寝てる……目を覚まさないの!」
「味方がいないって、ミール様とエスト様は、何をしていたんですか?」
「私達は、軍に入って訓練を受けていたの……」
「王都の家は、王に取られた後はどうなったんですか?」
「そのまま施設と学校として運営されていたけど……メリスは追い出されていたみたい……私達は、お父さんの家から王宮に行っていたから……6ヶ月振りくらいに顔を出したらもういなかったの! 探したけど見つからなくって、暫くして……馬車に轢かれて教会に運ばれていたの」
「ぐぅ……姉様……いえ、すいません……ミール様もエスト様もあの後、メリスがどのような扱いを受けるが気が付かなかったのですね」
ソティアスは、歯を食いしばって、机を殴った。
「俺は、そういう差別的な物が無い場所を作りたかったのに……」
「ソティ君……」
ソティアシは、椅子から立ち上がり銀仮面を被りフレトゥムに一言
「暫くお願いします」
「ああ、行くのか?」
「ええ…………”転移”」
全員が見ている目の前で転移しイサーラ村の自分が使っていた部屋に跳んだ。
ソティアスのベッドにメリスが寝ていた。
「他にはいないようだ」
ソティアスは、メリスの頭を撫でて「ごめんね」と謝った。
メリスを御姫様抱っこをしてからベッドを”無限倉庫”にしまった。
窓から外を確認するとハイマート・レイノ・イストリア国王が偉そうに歩いていた。
ソティアスは、一瞬殺意を覚えたが止めた。
村の中を探知探索魔術で確認すると
「うーん……常に監視されているのか……それと……紛れているな……こんなのにも気が付かないで、よく王都奪還作戦などと言えるな!」
「まあ、いいや、…………”転移”」
ラピス達のいる場所に戻ってきたら全員がソティアスの腕にメリスが抱かれているのに気が付き驚いていた。
「ソティ! 今のは?」
「今の? 転移ですか?」
「前は、指輪が無いと転移できなかったじゃない」
「指輪ですか? ああ、以前も別に指輪が無くっても転移できましたよ! 魔法陣を描くながめんどくさいので指輪を使っていただけです。今は、魔法陣も魔術で描けるので必要無いです」
「……」
「話は後です。今はメリスを看ます。よろしいですか?」
「……はい」
ソティアスは、その場から少し離れた場所で”無限倉庫”からベッドを出してメリスを寝かせた。
「”上級治癒”」
メリスの体の怪我は治ったが目を覚まさない。
「ソティアス……どうだ?」
「そうですね……体は治ったが精神が壊れています」
そう言いながらソティアスは、寝ているメリスに口づけをした。
後ろにいたルチル、ラピス、ミール、エストが騒いていたが無視をして、口づけをしながら”精神治癒”を唱えて暫くするとメリスが目を覚ました。
「えっ!? えっ!? あわあわあわわわわ!?」
メリスは、目を覚ましたら口づけをされていたので大混乱を起こしていた。
「メリス……目を覚ましたかい?」
「えっ!? ソティ様?」
「そうだよ」
「眼が……眼が治られたのですね……良かったです。良かったです」
メリスは、本気で泣きながらソティアスの眼が治った事を喜んでいた。
「ありがとうメリス……そして、ごめんねメリス」
ソティアスは、メリスの手を握りながらお礼を言ってから謝った。
「あ、あの……何故私、ソティ様にお礼を言われたり謝られたりしているのでしょ?」
「5年前……メリスだけが庇ってくれたお礼とその為に酷い目に遭わせてしまってのごめん……だよ」
「で、でも、私当たり前の事をしただけです」
「うん、でもメリスの優しさがあの時一番嬉しかったんだよ! 僕を庇てくれた時、吹っ飛ばされていたのに気が付いていたけど僕があそこで庇ったらひどい目に遭わされると思ってそのままにしたけど……あの時無理にでも連れて行けばよかったと思っている」
「ソティ様、そのお気持ちだけで、私嬉しいです」
ソティアスとメリスは、手を握りながら見つめ合っていた。
フレトゥムがソティアスに話し掛けた。
「お、おいソティアス……嬉しいのは分かるがその辺にしておけ……
フレトゥムに言われて2人は、手を握りっぱなしだった事に気が付き顔を真っ赤にして照れた。
「それでもまだ、手を離さないんだな」
「あ! ああ、ごめんメリス」
「い、いえ!」
ソティアスは、背中から殺気を感じたので振り向いたら其処には、ルチル、ラピス、ミール、エストが殺気を放ちながら2人を睨んでいた。
「な、なに?」
「「「「早く手を放しなさい!」」」」
「「はい」」
2人は、驚き手を離した。
「! なんでみんな怒っているんです?」
「私達一緒に生活して居たのに一度も手を握られた事無い」
「私も!」
「ミール姉様は、赤ん坊の時、握っていたでしょ……エストとは、赤ん坊の頃、一緒に寝ていて毎日握っていたってミール姉様が言っていましたよね」
「ソティ君からよ!」「赤ん坊の頃のは、カウントしないで!」
「……姉弟として育っていたんですから握ったりしたらおかしいじゃないですか!」
「私、5年間一緒にいたのに握られていない!」
「ルチルは、握った事あるじゃないですか?」
「握られていない! 生活の補助で支えていただけじゃない!」
「感謝しているよ! そういうことをしている場合じゃなかったでしょ」
「私は、婚約者なのに……く、口づけも握られた事も無い」
「婚約者なのにって元でしょ……婚約者だった時僕が6才で、ラピスが5才だったんだから当たり前でしょ……メリスに口づけしたのは治療の為じゃないですか……どうしたんですか? 皆さん」
ソティアスが話している最中にミール、エスト、ラピスの3人は、泣きながら笑っていた。
「ソティ君がミール姉様って」
「エストって呼び捨てで呼んでくれた」
「王女殿下じゃなくラピスって呼んでくれた」
3人の女の子が泣いているのを見て困ってしまって、周りに助けを求めたが誰一人として、ソティアスと眼を合わせようとはしなかった。
「………………」
「ソティアス……もう演技はいいだろ?」
「……」
ソティアスは、少し悩み頷いた。
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