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第10話 最初の授業

 魔石の売値を変更しました。

 お金の単位以外を変更しました。

 地域を大陸に変更

 3人が学校の玄関に入ると他の生徒は教室に入ったようで誰の姿も見当たらなかった。

 エストとソティアスを3才クラスに案内してからミールも6才クラスに向かった。

 エストとソティアスはミールの背中を見送りお互い頷くと教室の戸を開き中に入った。

 「キャー! ソティ君が来たわー」

 「エストちゃんも来たぞー」

 「ソティー君おはよー」

 「ソティ君」

 「エストちゃん、おはよー」

 「キャーキャー」

 ソティアスとエストは教室に入らないで戸を閉めてお互いに目を合わせた。驚いていると後ろから声を掛けられた。

 「ソティ、エスト何してるの? 早く教室に入りなさい」

 「お母さん」

 「母様」

 「! 学校では先生と呼びなさい」

 「……そんな事より母さん、ソティファンクラブだけじゃなく」

 「……エストファンクラブもあるのですか? 母様」

 「……あ、あるみたいだけど……どうして?」

 「母様、どうして目を逸らすのですか?」

 「そ、逸らしていないわよ……それより教室に入りなさい」

 「分かりました。この話は、家に帰ってからしましょう……エスト中に入ろう」

 「うん」

 二人は教室の中へ入るとまた騒ぎになったが気にしないようにして席に着いた。

 「ソティ君、おはよう、どうして教室に入らなかったの?」

 「ミールちゃんも、どうして?」

 「おはよう、みんなが僕達を見ていたので、驚いて」

 「おはよう、ソティは分かるけど、どうして私の事を知っているの?」

 「え!? 知らないの? 村で2人の事知らない人の方がいないんじゃない」

 「そうなの?」

 「うん」

 「はい、皆さんそろそろお喋りをやめてね」

 「「「「「はーい」」」」」

 「私は、3才クラスの担任で魔術授業の先生もしているイルマ・フォルティスです。よろしくね」

 「「「「「よろしくお願いします」」」」」

 「早速、授業をしていきます」


 「基本的な事から話していきます。ご両親から聞いている人もいると思いますが復習の為に話します」

 カードには、3種類あります。

 

 1枚目は、生まれた時に作り全員が持っているカードを”身分記録レコードカード” 

身分を示すのに大事な者です、確認する時は『アブル』閉じる時は『セルカ』。

 ”身分記録レコードカード”に書いてあるのは、名前、出生月、年齢、種族、出身地、現在地、両親の名前、身分(親が貴族の場合は貴族、自分が爵位を受けた場合は受けた爵位名が記載される。兵士の場合は階級、貴族であり兵士の場合は両方記載される。一般、上級、商人、上下貴族、税を払えなかった者は滞納者、奴隷、奴隷の場合は主人の名前も記載される。犯罪歴があり罪を償っていない者は犯罪者となる。

 書き換えが出来るのは、行政機関でも紋章師の身分にある者だけであり一度でも違法行為を行うと紋章師身分を剥奪される。


 2枚目は、3才以上で登録できる”成長記録グロウスカード”

 ”成長記録グロウスカード”は、本人しか作れない。家族であっても作ることはできない。

 作れる場所は、冒険者ギルト・魔術ギルト・商業ギルト・職業ギルト・教会ギルトの5ヶ所

 何処か1ヵ所に登録すれば全てに登録した事になる。ランクの更新は各ギルトで行う事が出来ます。

 書かれているのは、各種ギルトのランクと自身の能力ランクです。

 詳しいギルトの説明は後でします。

 

 3枚目は、”おマルテカード” 作るのは、商業ギルト、職業ギルトの2ヵ所。

 物の売買の時に提示するカードで、お互いのカードを重ねる事により任意でお金を移動させる事が出来ます。

 

 3種類のカードを使う時は、開く時は、カード名を思い浮かべ{アブル}閉じる時は、{セルカ}

 開く時も閉じる時も胸又は掌から出し入れする。開く事の出来る者は、本人、両親と資格のある者。

 人を殺したり殺されたりすると数分後に3枚のカードが現れる。現れた3枚のカードを関係各所に持っていくと報奨金を受け取る事が出来る。


 「世界の共通」

 日時~1日は24時間、1ヶ月は30日、1年は24ヶ月で720日

 お金の単位~マルテ

 大きさ~mm,cm,m

 重さ~mg,g,kg,t

 距離~km


 {奴隷制度}

 ・一度奴隷として売られた場合は、どのような身分・地位を持っていても持ち主が手放さない限り奴隷として生きるしかない。

 ・既に主人のいる奴隷を他の奴隷にする事は出来ない。

 ・主人以外で奴隷契約を解除する事は出来ない。主人になり2年経つと奴隷を放棄する事ができ身分を奴隷から一般に戻す事ができるが放棄する主人はいないので、多くの奴隷は死ぬまで奴隷の身分の者が大半です。

 

 「大陸に住んでいる種族」

 大きく分けると全て人間族

 細かく分けると人族・魔族・獣人族・亜人族・半人族・天人族の6族

 ・人族~神が最初に作った種族。全てにおいて平均的な種族だが中には、神の加護を受ける者がいる。

 ・魔族~邪神の加護を受ける者が多い種族。全種族の中で魔力総量が多い。魔王になると寿命がなくなり不老不死になる。現在邪神の加護を受けている者はいないので他種族との交友もある。

 ・獣人族~見た目は人族に似ているが基礎能力は人間離れしている。特徴は獣耳と尻尾。代表種族は、犬人族、猫人族、狐人族、熊人族等、他にも色々な種族が居る

 ・亜人族~人族に比べて特殊能力が多い種族。手先が器用、剣術、弓術、魔術など一芸に秀でている種族。代表種族は、龍人族、エルフ族、ドワーフ族、ホビット族、海人族。

 ・半人族ー他種族同士の交配で生まれた子供達。両親のどちらの種族にも入れでもらえない為に半人族と呼ばれている。種族差別の代表。

 ・天人族ー神と人族との間に生まれた子供。羽があり飛ぶ事が出来る。神と他種族の子供なので半人族と呼ぶ者もいる。魔力総量は、魔族よりは低いが魔術を使う能力は高い。何万メートル級の山々に集落があり現在は別種族との交友は一部を除いて無い。


 「世界にある大陸」

 ・大森林大陸~獣人族、亜人族が住み種族事に集落がある。一季節は雨季と乾季が3ヶ月周期で来る。雨季の時期は、5メートルほど水に浸かる。

 ・中央大陸~大森林の東側の大陸。人族が多く住み神聖帝国があり魔族の存在を許さない宗教がある。季節は春・夏・秋・冬の6ヶ月周期。全大陸中一季節が安定している。作物が豊富に採れる。

 ・サフル大陸~中央大陸南の大陸。天人族以外の種族が一応平等に住む事の出来る大陸。季節は、春・夏・秋の8ヶ月周期。大陸一肥沃な大陸。一年中多種多様な作物が豊富に採れる。

 ・エーデオアーゼ大陸~大森林の西の大陸。大陸の北半分がオアシス、南半分が荒野の大陸。人族・半人族が多く住む大陸。オアシス地域の四季は、春・夏・秋・冬、春と秋は短く夏と冬が長い。食生活に困らない程度の作物が採れる。荒野地域の四季は、夏と冬の12ヶ月周期。作物は採れるが飢饉になる事が多い。

 ・エリモス大陸~エーデオアーゼ大陸の南の大陸。砂漠の大陸。季節は夏しか無く作物は採れない人が住むには過酷な大陸。

 ・ザラーム大陸~エリモス大陸の南の大陸。魔族が多く住み腕ためしの冒険者しか訪れない陽の光が届かない闇の大陸。季節は雨も降らない真夏で、作物はまったく採れない。

 ・モンテイスベル大陸~大森林の北の大陸。獣人族・亜人族が多く住む。大陸南南半分が山岳地域。北半部が雪と氷の地域。南北地域共に獣人族・亜人族が多く住む地域。季節は南の雪の降らない寒い地域・北の雪の降る寒い地域の冬のみ。

 ・タラサ大陸~大森林の南の大陸だが現在は、小さい島があるのみ。人族と亜人族の海人族が多く住む。季節は、一年中温暖な夏。魚介類を一手に担う。無事に海路を通るには多額の海路権を買わなければいけない

 ・各大陸に種族に関係なく奴隷も数多く住んでいる。天人族の奴隷は確認されていない。


 「魔力について」

 命のある者には必ず魔力臓器があり魔力総量を増やしたり魔術を放つ為の器官があります。

 

魔力には魔術魔力と生命魔力があります。

 ・魔術魔力=魔術の能力と魔術の威力に関係している。

 ・生命魔力=魔力総量の20パーセントが魔力臓器に蓄積されている。魔力臓器の生命魔力の蓄積量が多いと寿命が延びる。

 生まれたばかりの子供は、種族に関係なく魔力総量が低いので1~2才で死ぬ者も少なくない。

 魔力総量は上げる事が出来る。方法は、魔術を使うと魔力が上がる。上がるスピードは、種族により異なる。15才までは上がりやすいが15才以降は上がりにくくなるが全く上がらなくなる者もいる。

 

 ・人族の平均寿命120才、最高寿命300才

 ・魔族の平均寿命800才最高年齢1500才だが魔王になると寿命が無く不死身になる。

 ・獣人族、亜人族の平均寿命500才最高年齢1500才

 種族によりバラつきはあるが寿命で死ぬ人は少ない。寿命以外で病気・殺害・自殺等で死ぬ原因が多い。この世界では、命は軽い物と認識が高い為が簡単に殺し等がある。


 『魔獣魔物と魔石、魔晶石について』

 ・魔獣は、知能がなく人間族を見ると見境なく襲ってくる。

 ・倒した魔物・魔獣の皮・爪・角・肉等の体の一部を材料として売る事が出来る。

 ・魔物は、低いが知能がある。年齢を重ねると知能が高い魔物になり迷宮を自分で作ったりする事がある。

 『魔物魔獣の増え方』

 ・魔石の元となるちり魔塵と言います。塵状の固体の粒子をマグマや火山灰などど一緒に噴き出す火山があり粒子を動植物が吸い込み魔力臓器で魔石になると魔獣魔物に変化する。

 ・魔物・魔獣が自分で子供を生んだり、分裂したりすると増えていく。

 ・アンデッド系の魔獣魔物は、恨みや後悔等の負の感情が強い生き物が死んで燃やされなかった死体、死骸がアンデッド化する。その為殺した魔獣魔物の死骸を燃やすのがルールとなっている。人間の死体もアンデッド化する。

 ・魔塵を吹き出す火山は、現在2ヵ所発見されています。ザラーム大陸の山、モンテイスベル大陸の山から噴き出した魔塵が動物が吸い込み魔獣化したのを確認されている。

 『魔石』

 ・魔塵は、魔力臓器で成長し直径1cmから魔石と呼ばれ直径10cmまで成長する。

 ・魔獣魔物を倒し魔力臓器から魔石を取り出し冒険者ギルトが引き取ってくれる。

 ・魔石の売値は、色と大きさでで変わる。

 茶=500マルテ、青=1000マルテ、

 赤=5000マルテ、緑=10000マルテ

 白=500000マルテ、黒=1000000マルテ

 銀=5000000マルテ

 金=10000000マルテ

 虹=50000000マルテ

 ・価格は最低の1cmの大きさの価格です。10cmで10倍の価格になる。

 (茶色1cm500マルテ、10cm5000マルテ)   

 ・中位魔術の加魔術で同じ色の魔石を一つにする事が出来る(5cm+5cm=10cm)

 ・魔石は装備品に加工し武器等に属性を付ける事が出来る。普通のナイフと緑色魔石で風属性のナイフを作る事が出来る。

 ・


 『魔晶石』

 ・魔晶石は石や鉄などの鉱物に魔塵がくっついた物で魔獣魔物化する事は無い。

 ・色は無く全て透明で発見されている。

 ・魔晶石の利用方法は、家庭用品等に利用されている。魔晶石に水魔術を加工すると水が出るようにできる。魔石に比べて魔術を加工するのが難しく加工できた魔晶石は全て高価で取引されている。

 ・加工されていない魔晶石は安価で売られている。直径1cmの魔晶石が100マルテ、10cmで1000マルテとなっている。現在発見れている一番大きい魔晶石は50cmです。

 

 「ギルトについて」

 ランクは、F~Sまでの7ランクあります。

 ・冒険者ギルト=冒険者ランクー依頼ランクと受けた回数、成功回数、失敗回数で冒険者ランクが上がる。剣術ランクー体力と剣術の向上、討伐依頼などでランクが上がる。

 ・魔術ギルト =魔術師ランクー下位魔術ランク、中位魔術ランク、上位魔術ランクを上げるとランクが上がる。

 ・商業ギルト =商人ランクー算術の習得、商品の売買などでランクが上がる

 ・職業ランク =職人ランクー作成技術の向上、中位魔術の創造・加工魔術の向上でランクが上がる。

 ・教会ギルト =教会でのお祈り、寄付、上位魔術の聖魔術の向上でランクが上がる。

 この他にも闇と呼ばれる複数のギルトが存在していますがある事を覚えておくだけで構いません。


 各種ランクをDランク、Aランクまで上げると何種類がある指輪の中から一つ貰う事が出来ます。貰える指輪は、ランクを上げた人のみが使う事が出来ます。指輪を貰う時に契約をするので、盗んだり、契約者を殺しても契約解除はできない。

 貰える指輪の種類はは貰える時の楽しみにして下さい」


 各ギルトは、中央大陸にある神聖帝国の管轄の為に王侯貴族であっても命令をする事が出来ないようになっている。

 国の依頼も受けるが命令は一切聞かない。

 マルテを払うなら神聖帝国の法に触れない依頼であれば身分に関係なく受け付けるが戦争に与する依頼は一切受け付けない。


 「午前中は、此処まで、昼食を取って昼からは冒険者ギルトと商人ギルトに”成長記録グロウスカード”と”おマルテカード”を作成する為にギルトへ出かけます……では解散して下さい」

 「「「「「有り難うございました」」」」」


 「あのーソティ君は、今の話分かった?」

 「はい、僕とエストは、ミール姉さまに聞いていましたので、他にもいると思いますよ兄姉に聞いている人は」

 「わたし、一人っ子なので、分からい事は聞いてもいいですか?」

 「僕でよろしければ、いつでもいいですよ」

 「本当ですか? よろしくお願いします。

 「「「「「私もいいですか?」」」」」

 「え!? ええ、いいですよ……とりあえず昼食にしましせんか?」

 「ソティ君は、昼食どうするんですか?」

 「僕は、家に戻って食べますけど」

 「そうなんですか……」

 「一緒に食べたかったんですけど」

 「ごめんね! まだ、誘って下さい」

 「エストちゃんも家で食べるの?」

 「うん、私も家で食べるけど」

 「今度、皆で一緒に食べよ」

 「うん」

 「エスト、家に行こうか」

 「うん」

 

 2人は家に戻るために教室を出ると中から声が聞えて来た。

 「ソティ君って、やっぱりかわいいー」

 「エストちゃんもかわいいよ」

 「「「「「うんうん」」」」」

 それを聞いた2人は、お互いに顔を見合わせ溜息をつきその場を後にした。


 2人が家に着くとイルマとミールが帰って来ていた。

 「ミール姉さん、聞いて下さい。ソティだけでなく私にもファンクラブがあるみたいなんです」

 「え!? 本当に?」

 「はい、本当です……お母さん、どういう事が教えて下さい」

 「エストの笑顔を見守る会の会長もやってます」

 「まさか! 母様、ミール姉さまのファンクラブもやっていたりします?」

 「私のは無いと思うよ」

 「「なぜ?」」

 「わたしは……小さい頃は、何のとりえもなかったし……男の子の目の前で吐いた事もあるしね、だからファンクラブなんでないよね? お母さん」

 「…………あったりして」

 「……はぁ!?」

 「ミール姉さまのファンクラブ会長も母様ですか?」

 「うん」

 「親馬鹿もいい加減にして下さい」

 「ソティ君とエストは、可愛いから分かりますけど何故私のファンクラブまであるんですか?」

 「ミールは、がんばっていたからね、ミールの頑張りを見守る会を立ち上げたいって村の男の子が言って来たから私を会長にするならっと認めたのよ! ミールは知らなかったかもしれないけど人気があったのよ!」

 「本人に断りも無く勝手に作るのは止めてください」

 「ミールとエストも大人気なのよ! ソティ君と同じく村のアイドルとして」

 「「「……アイドル!?」」」

 「いくら娯楽が無いからって……この村の人達は暇人ばかりですか!」

 「まあまあ、昼食にしましょう?」

 「誤魔化さないでください!」

 「でも、食べる時間無くなるわよ?」

 「……とりあえず、食べようか?」

 「分かりました……いただきます」

 「いただきます」


 三人は、昼食を食べ終わると学校に戻り教室の前で、ソティアスとエストは、目を合わせて溜息をつくと後ろからミールが少し笑いながら気にしないで中に入りなさいと言うので、頷き合って教室に入ると「キャー! ソティ君お帰り―」相変らずキャーキャー言ってくる。

 「「…………」」

 「えーと……みなさん? 僕たちの事は、呼び捨てでいいですし、普通に接して下さい」

 「会の決まりで、ソティ君を呼び捨てにしてはいけないとなっています」

 「……また会ですか……呼び捨てにしてとは言いませんので、せめて学校にいる間だけでいいので普通に接してください」

 「ソティ君がそれでいいなら、分かりました」

 「ソティ君、エストちゃん、これからよろしくです」

 「「此方こそ、お願いします」」

 2人が普通に接して欲しいと頼んだ後にイルマが教室に入って来た。

 「みなさん準備が出来ているようなので、出発しましょうか。まずは、商業ギルトで、”おマルテカード”を作り冒険者ギルトに向かい”成長記録グロウスカード”を作成します……出発します

よ!」

 「「「「「はーい」」」」」


 商業ギルトで全員で、”おマルテカード”を作成して、使い方、商業ギルトのランクの上げ方等の説明を聞いていた。”おマルテカード”の残高を確認しセルカと唱えて掌に収納した。

 「皆さん最後に注意事項に関してお話をさせていただきます。

 紛失した場合再発行には、10日程期間が必要になりますので気をつけて下さい。

 紛失ではなく何らかの理由で奪われ死亡届を出された場合は、再発行が出来なくなります。嘘の死亡届を出された場合は、カードを奪い返し手続きをおこなえば使えるようになります。

 この後冒険者登録をすると思います。依頼で盗賊など犯罪者の生死問わずの依頼を受ける事があると思います。生きて捕らえてギルトに連れて行けばその場で、犯罪者が持っている”おマルテカード”内のマルテを自分のカードに移してもらえます。殺した場合は、完全に息を失った後数分後に”身分記録レコードカード”・”成長記録グロウスカード”・”おマルテカード”の3種類が掌に自動的に出てきますので、カードをギルトに提出すると任務の報告とマルテの移動をしてくれます」

 「犯罪者の持ち物とマルテの全ては、自分の物になるのですか?」

 「詳しい話は、冒険者ギルトの説明で教えてもらえると思いますが、簡潔に言いますと、犯罪者の持ち物は、倒した人又は死んだ所を見つけた人の物になります。武器・鎧・装飾品・マルテとその他の持ち物全てです。

 「全部ですか?」

 「はい、全部です。なので、依頼がなくとも犯罪者ばかり狙う人もいますね。

 気をつけなければいけないのは、犯罪者ではない一般人を殺してしまった場合、自分が犯罪者になる場合がありますので依頼以外では、なるべく人を殺さない方がいいと思います」

 商業ギルトで色々と説明を受けた後に冒険者ギルトに向かった。

 

 冒険者ギルトで”成長記録グロウスカード”を全員作成し終わると確認する。

 

 ”ソティアス・フォルティス ”

  剣術ランク   Fランク

  商業ランク   Fランク

  魔術ランク   Bランク

  下位魔術ランク Eランク 

 

 ”エスト・フォルティス  ”

  剣術ランク   Fランク

  商業ランク   Fランク

  魔術ランク   Fランク

  下位魔術ランク Fランク  

 

 「ソティ君とエストちゃんは、どうだった?」

 {{…………}}

 「……!? 2人供凄いね、最初っからランク持ちだなんで」

 「うそー!? すごい」

 「なんで二人だけそんなに?」

 「先生の子供だから贔屓されて習ってるんじゃない」

 

 子供達が色々な事を言っているのを気にしないでいると冒険者ギルトの人が説明に入る。

 「登録できるのは、3才からなのは、他のギルトにも入りたい人がいるので全てのギルトは、3才から登録できます。冒険者ギルトの依頼は、5才からしか受ける事が出来ません。

 冒険者ランクは、FからSまで7段階あり、最初はFからで普通はコツコツと依頼ランクFから順々に上げていきますが中には一気にランクを上げたい人がいる為に冒険者ランクFでも依頼ランクSランクを受ける事が出来ます。しかし、1度でも自分の冒険者ランク以上の依頼ランクを受けて失敗すると賠償金の上乗せと自分のランク以上の依頼を受ける事が出来なくなり、さらにランクが上がりにくくなります。

 冒険者ギルトの緊急招集で街にいる冒険者は、強制的に招集されます。強制召集に参加しない者、嘘偽りで参加を辞退した場合には、尋問の上悪質と判断された場合にはランクに関係なく冒険者資格を剥奪されます。

 本気で冒険者になりたい人は、ルールブックをよく読んで下さい」

 

 冒険者ギルトで説明を受けてから学校に戻ると一部の生徒から不平不満が飛び出した。

 「先生ーなぜ、ランク持ちが最初っからいるんですか? しかもその中の二人は、3才とは思えないほどのランクを持っているんですか? 先生の贔屓があるとしか思えません」

 「贔屓は有りません。生まれつき魔力がある・能力がある・家がお店をやっていると各種ランクが自動的に上がったり兄姉に習ったり親が教える場合もありますね。例えば剣術ランクを上げるには、体力の向上だけでもある程度上げる事が出来ます」

 「2人だけ異常に高い理由は?」

 「さっきも言いましたが、姉・親が教える場合があると言いましたね? ソティとエストには、姉のミールが自分の習ったことを教えてきました」

 「で、でも……異常にランクが高くないですか?」

 「ソティの魔術のBランクは、下位4属性魔術の下級魔術を無詠唱で唱える事が出来るためです。ミールは魔術の基本しか教えていません。あとは勝手に自分で修行し覚えただけです。二人の剣術ランクは、毎朝、毎晩、姉と一緒に村の周りを走っているからです」

 「でも、卑怯じゃないですか? 学校始まる前にそんなにランクを上げるなんで」

 「少し卑怯かもしれないわね。でもそれは、教えなかった親も悪いのよ? この村の全員何らかのランクは、絶対持っていますからね。2人の姉ミールの時は、贔屓をしないようにと苦情を言われないように何も教えないまま学校に通わせると周りの人は全員ランク持ちだったからかなり苦労したわね。生徒はもちろん親達にまで、かなり馬鹿にされていたし能無しとかフォルティス家の出来損ないとも言われていたわね。

 それを見てかわいそうに思い学校以外で私がミールに教えようとすると親たちは贔屓しないようにと言って来たわね。ミールは、贔屓するなと言われているのを知っていたから親を頼る事も出来ないから自分でかなり無茶してがんばっていたわ。

 ミールは、そんな苦労を知っているから自分の弟妹には、苦労をさせたくないからって自分にできる事を教えただけよ。姉が教えるのも贔屓とは言わせません」

 「「「「「………………」」」」」

 「あなた達は、まだ3才です。出発点が違うだけですので、他人のランクを見て羨むには早いです。此れからの自分の努力でランクを上げればいいんです。もちろん先生達も協力します」

 「ごめんなさい。わかりました」

 「剣術ランクを上げるには、走ればいいんですか?」

 「簡単には上がらないと思いますが、毎日諦めないで走ればランクアップします」

 「2人と走ればいいんですか?」

 「いいえ、2人といきなり走るのは無理です」

 「なぜですか?」

 「この中には、知っている人もいると思いますが、2人は今、4才から8才までの子と一緒に走っています。

 走るのなら最初は、自分のペースで村一周を走れるようになってからにして下さい」

 「わかりました」

 「今日は、此処までにしましょう」

 「「「「「先生、ありがとうございました」」」」」

 

 「ねえねえ、ソティ君、エストちゃん、いつから走ってるの? 何時から走ってるの?」

 「1年程前から、朝は、5時位から夜は、16時から」

 「見に行ってもいい?」

 「見るだけなら……いきなり走るのは無理だよ?」

 「うん、見るだけ」

 「今日も16時から?」

 「うん」

 「今日、見に来るの?」

 「だめ?」

 「いいえ、いいですけど。それでは、後で」

 「うん」

 「エストいきましょう」

 「うん」

 「「さようなら」」

 「「「「「さようなら」」」」」

 2人は教室を出ると中から声が聞こえてくる。

 「みんな、見に行く?」

 「うん」

 「3才が年上より早いって事はないだろけどな」

 「大した事なかったら笑ってやろうぜ」

 「ソティ君とエストちゃんを苛めたら許さないよ!」

 「わ、わかったよ」

 「……………………」

 まだ喋っているが2人は、その場を離れて西地区から外に出て森の池まで歩くとそこには、ミールが来ていた。

 「ミール姉さま、もう来ていたんですか?」

 「ええ」

 「16時まで、魔術の練習をしましょう」

 「「はい」」

 3人は、魔術の練習も1年前から此処でやってきた。

 魔術に才能のなかったミールも練習の成果もありランクアップしていた。


 ”ミール ・フォルティス ”

  剣術ランク   Eランク

  商業ランク   Eランク

  魔術ランク   Fランク

  下位魔術ランク Fランク


 16時少し前に西地区の門に行くと朝より人が増えていた。

 「また増えたんじゃない?」

 「増えていますね。見学の子もいますけど……9才クラスもいるみたいですけど……」

 「この際、村の15歳以下全員、集めるとかしましょうか?」

 「エスト馬鹿な事言わないの……本当にそうなったらどうするの?」

 「……そうですね。考えると怖くなりました」

 3才クラスの女の子がソティアスに話し掛けてきた。

 「ソティ君、本当にこの人数で走るの?」

 「ええ、いつもよりは、少し多いですけど」

 「初めての方もいらっしゃいますね? 私は、ミールです。少し説明させて頂きます。村の周りを三周します。一周目はゆっくりと、二周目はそれなりの速さで、三周目は競争になります

 三周目に入る少し前に私が右手を上げるのを合図に全力で走って下さい。三周目の競争で、私に勝てなかった人は全員で村のお掃除をしてもらいます。無理と思ったらいつでも離脱して下さい。

 少しでも走った場合は、競争関係なくお掃除をしてもらいます。お掃除をしないで、逃げた場合は、それ以降一緒に走る事はできません。このルールに賛同いただける方のみ走って下さい。3才クラスの子は、まだ無理だと思いますので無理して走らないで下さい」

 ミールは、周りを確認して離脱者が居ないのを確認してから

 「皆さん、出発します」

 「負けないようにいくぞー」

 「おおー」

 全員走り始めて、残った3才クラスの子は、唖然としながら顔を見合わせた。

 「凄かったね」

 「うん」

 「私たちも走る?」

 「まだ無理でしょ」

 

 一周目二周目の先頭は、ミール、ソティアス、エストその後ろに初参加の9才クラスが続く。

 三周目に突入の際にミールは右手を上げて合図を送ると全員離脱する事無く本気で走り始めた。


 三才クラス事も達は、全員が見えなくなるまで見送った後に話し合った。

 「……凄いねソティ君とエストちゃん先頭にいたよ」

 「うん、年上の人の前の方を走っていたよ」

 「2人共本当にすごいね」

 「最後まで先頭にいるのかな」

 「どうかな」

 「流石にそれは、無理じゃない」


 先頭が見えて来た


 ミール、9才、8才、7才クラスの後ろにソティアスとエストが続いていた。


 「いやー負けた。ミールさん、本当に6才? 9才クラスでも勝てないなんで」

 「流石に危なかったです」

 「それにソティとエスト? 2人も本当に3才かい」

 「「はい」」

 「君たちが年上に勝てないのは、体力ではなく足の長さだけだね」

 「そうでしょうか?」

 「ああ、たぶんだけどね」

 「1~2年で、8いや9才クラスにも勝てると思うよ」

 「「有り難うございます」」

 「明日の朝から10才クラスも参加するみたいだからよろしくね」

 「「「此方こそよろしくお願いします」」」

 「さて、全員到着みたいだね 少し休憩してから村の掃除をしましょうか?」

 「「「はい」」」

 「あっと! 三人は、剣術の練習もしているんだよね?」

 「はい」

 「それも、参加者募集して、皆でやらないかい? いろんな人とやった方が上達も早いと思うよ?」

 「いいと思います……でも場所がないです」

 「今までは何処で?」

 「森の池の前です」

 「大勢は無理だね……北地区に剣術道場があるの知ってる?」

 「はい、知ってます」

 「自分の家なんだけど今、使っていないから其処でやろう。晩御飯を食べた後に2~3時間ほどどうかな?」

 「今までも其れ位の時間にやっていますので大丈夫ですけど、本当によろしいんですか?」

 「いいよ、大丈夫。使っていない道場なんでもったいないからね」

 「よろしくお願いします」

 「此方こそよろしく」

 「みなさーんそのままで聞いて下さい。今日から19時位から剣術の練習も大勢でやりたいと思います。参加する方は、北地区の剣術道場に集まってください」

 「「「「「はーい」」」」」

 「休憩は此れ位にして、村のお掃除に入ります。よろしくお願いします」

 「「「「「「わかりましたー」」」」」


 こうして3人の日課が少し変更になった。  

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