セカイの正しいつくりかた
「セカイの正しいつくりかた」
第一話 「原因ノ、ハジマリ」
1
この『セカイ』は思っていたよりも、ずっと『マトモ』じゃない。
そんなことを今日ほど、思い知らされた一日はなかった。
一体、何がどうなってんだってんだ、ちくしょう! 誰か簡潔に説明できる奴がいるのなら、説明して欲しいもんだ。今なら五千円くらいパンッ! と払うほど、俺は説明に飢えているぞ、どうだ?
――――などと、俺の心の中でのよくわからない葛藤を知ってか、知らずか(いや、『コイツ』が、そこまで『人間』に気を遣うなんてことはねーか)、目の前にいる『ソイツ』は、ブツブツと文句をたれていた。
「もう~……一体何なのよ。なんでアタシがあんたみたいな奴と一緒に『課題』に挑まなきゃいけないわけぇ~? 意味、わかんないですけど!?」
(それは、こっちのセリフなんですけど!?)
「お……俺に当たるなよ! 俺だって、何が何だかわからないまま、つきあわされてるんだぞ」
「知らないわよ、そんな『人間』の都合なんて。とにかくアタシは『人間』が嫌いなんだから、あんまり馴れ馴れしくしないでよね。アタシは『天使』なんだから、もっと敬いなさい、この『バカ人間』め!」
(…………あんまりだ)
なんだよ『天使』って?…………そう思われました? ですよね~……そんなの『中二病』か?てなもんですよね~。
あぁ……俺だってまだ『中二病』であって欲しいさ…………。
夢ならはやく覚めてくれよ!…………ってなもんだ。
まぁ、とりあえずは、これまでのいきさつから説明するよ。なに……別に、『信じてくれ』 って言いたいわけじゃないんだ。
とりあえず、今日の…………これまで、俺の身に起きた『出来事』を自分の中から吐き出したいだけだからさ。
まぁ……『出来の悪いファンタジー小説』として聞いてくれればいいから。
それは、今から『二週間前』…………あの、どう見ても怪しい『研究室』に足を踏み入れてしまったのが、そもそもの 『原因ノ、ハジマリ』 だったんだ。