恋愛四季 ~秋~
君と出会い、君と過ごせる、この「今」がいつまでも続いてほしい。
そんな願いは叶うのだろうか。
〜秋〜
俺が君と関わるようになって季節が一つ過ぎた。
残暑が照りつけるなか陽が高くなり、空の蒼が際立ってきた。空の青と雲の白のコントラストがあまりにもリアルだった。時折、涼しげな風が俺を触りながら通り過ぎる。
君と出会った並木道も葉の緑が深まりを止め、高い空を流れゆく雲の下でそよいでいた。
葉が色付き始める直前のひととき、俺はなぜか一抹の不安に駆られていた。仲間や悪友には「柄にもなくおセンチだな」と言われる始末。
なぜ、こんなに不安なのだろうか。新しい季節(展開)の幕開けだぁ━━!とはどうしても思えなかった。そう思えるヤツは楽なのだけど。
君とは付かず離れずの今まで通りの交際をしていた。いくら「じれったい」って言われても気にせず、俺は君を見つめていた。
このまま、「今」が続けばいいと思ってた。
毎朝ほぼ定刻に起床し飯を食い、学校に行き、受けたくもない授業を受け、休み時間は仲間とはしゃぎ、放課後は部活に直行して汗を流す……といった日常に君とお喋りしながら下校するという行動が加わり、それも日常に化していた。
汗のニオイが残ってるんじゃないかとか、俺の駄弁がつまんないんじゃないかって思うこともあった。
でも、君は楽しそうだった。俺も楽しかった。
不安とささやかな幸せが隣り合わせで、それでも君と過ごせる「今」が俺にとっては大切なものだった。
やがて、無彩色なつまらない授業にもかすかに色が出てきたような気がした。君がいるから?か、どんな難しい問題も解けるような全能感に浸っていた。
そんな中、体育祭の話が舞い込んだ。俺の学校は全校生徒を赤組と白組に別け競い合うというやつで……
何をやるかは別として、君にカッコいいとこ見せてやる!と単純に思った。そして、君と同じ組なら文句無し!
っていう勝手な妄想が俺の頭を駆け巡る。数ヵ月前の俺とは大違いだった。
……しかし、俺の思うようにはいかなかった。俺は赤組、君は白組になってしまった。
そのことが最悪な出来事を引き起こす原因になろうとは思いもしなかった。
その日、部活帰りの俺はいつもの通り君と一緒に帰った。体育祭を同じ組で過ごせないことに彼女も寂しさを感じていた。
体育祭の出場種目ももう決まっていて、俺は騎馬戦に出ることになった。君はチアガールと救護係を掛け持ちするようだったね。
もし怪我したら俺の事看護してくれ!なんて、とんでもないことまで言ってしまった。
そうして訪れた体育祭。プログラムが予定通り進み、騎馬戦の番になった。━━━それが悪夢の始まりであった。
仲間達のつくる騎馬に乗り、先輩方が斬り込んだ後に続いて出陣した。敵の騎兵のハチマキを奪えば勝つのだが、俺達が競って敵ともみくちゃになって、敵の騎兵がバランスを崩して転落してしまったのだ。しかも、あまりの乱闘でそいつがうずくまっているのに気が付かず、仲間が思いきり踏みつけてしまったのだ!そうして俺たちも一気にバランスを崩し、崩壊した。
騎馬戦の後、俺は仲間と共に相手チームの選手たちを起こし上げ、救護テントに向かった。
……そこで見た君はかなり慌てているようだった。他の女子と一緒にてきぱきと俺たちの手当てをしてくれた。ただ、相手チームの騎兵が軽い脳震盪を起こしてぐったりしてるのを見て不安そうだった。
その後聞くところによると、君は俺たちの怪我の処置を終えた後そいつに付きっきりだったそうな。
そいつが目を覚ますまで側に居たらしい。仕事上の責任感からそういうことをしていたのだが、そいつはあろうことか君に惚れやがった。患者が一生懸命なナースに恋するみたいなやつだ。
なんかショックだった。いろんな気持ちが混ざり合って、君と一緒に居ても会話が弾まなかった。
だんだん君と帰る日も少なくなっていって、完全に無くなった。
季節は秋。空は高く、君と出会った並木道はだんだん色付き、紅葉していった。
落ち葉の上を歩きながら君のことを想った。
俺は君を想う。君と遠くなっても
この物語は作中での出会いから季節が一巡するまで続きます。
追伸 かなりの駄文になってすみません。




