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変な物語ですが、適当に書いてみました。

もし読んでいただけたら嬉しいです。

気が向いたら続けます。

授業が終わり、一気に騒がしくなる昼休みの教室、

みんなは席を動かし、仲のいい人どうしで昼食を摂る。

一方、私は席の移動もせずに弁当を広げ、いつも通りに

1人で昼食を摂る、そして私1人だけ、やけに早く弁当を食べ終える。

早く弁当を食べ終わったからって、何かあるわけでもない。

話をするような友達なんて、いないのだから。

…私は高校デビューを失敗した、大失敗だ。

おかげでクラスのカースト最下位に位置する羽目になった。

失敗した理由は至って簡単なことだった、

自己紹介で、名前以外のことについて何も喋れなかったからだろう。

好きなことやもの とか 趣味 について紹介する、簡単な事だが、

私は全く、喋ることが出来なかったのだ。

人様に言えるような趣味でもない、好きなものも同じく、

人に言おうものなら、私の印象が地に落ちるのは分かりきっている。

嘘でもいいから適当に何か言えば良かったのだろうが、

生憎、私は嘘をつくのがとても苦手だ。

一度嘘をつけば、その嘘をずっとつき続けなければいけない

それが嫌だ、おかげで嘘をつくことができない。

適当なことを言っても、いつかボロを出してしまい関係は崩れる。

そうなるよりかは、今の状況のほうが何倍もマシだろう。

………こういう風にかんがえていると、時間はあっという間に経ってしまう。

予鈴がなり、教室の中は机を動かす音で満たされる。

その間、私はスマートフォンをバックに仕舞って、

教科書を取り出して、ただ座っているだけだった。


いざ先生が教壇に立つと、先程までとは違って、教室の中はとても静かになる。

聞こえるのはシャーペンと紙が擦れる音、それだけのはずだった。

後ろから聞き覚えのある音がした、私もやっているゲームの音だ。

タイトルコール、それも中々の音量だ、不安症の私はつい、

自分のバックの中を探って、スマートフォンを取り出してしまった。

それが間違いだと気付くのに、そこまで時間は掛からなかった。

「授業中に携帯をいじるとは、いい度胸だな?」

そう発言する先生の視線の先にいたのは、私だった。

説明しなければ、私ではない、私はただ、

自分の携帯から音が出たのではない事を確認したかっただけだと、

「…すみません……」

…やってしまった、これでは、もう認めてしまったようなものだろう。

私の学生生活は、完全に終わってしまうのだ、泣きたい気分だ。

みんなが私を見ている、それらの視線が、哀れみよるものなのか、

ただ面白がっているだけなのか、全く分からなかった。

…結局、犯人は私ということで決まりになってしまった。

放課後、職員室に呼び出され、先生にこっぴどく叱られた。

私じゃないのに。


みんながとっくに帰ってしまった頃、荷物を取りに教室に向かった。

もし教室にクラスメートが1人でもいれば、今日の話をされるかもしれない。

されないとしても、気まずい雰囲気になるのは確かだろう。

「…誰もいないといいけど……」

思わず独り言を溢してしまう。早く帰ろう、

誰もいないはずの教室の扉を開く、そして聞こえる誰かの声。

「川内さん?」

……あぁ…クラスメートがいたじゃないか、

それも、カースト上位、いやトップレベルの女子の時雨さんだ、最悪じゃないか。

全員帰っていてくれ、そう願ったはずなのに。

神様は私に対してとても非情なようだ、

…今すぐにでも教室から逃げ出したい気分だった。

でも、今逃げたとして、彼女は帰ってくれるのか?もし違うのなら、

今逃げ出してしまえば、彼女が帰るまで私は自分の荷物を持って帰れない。

…心底嫌だけれど、話すしかないのだろう。

「…えっと…時雨さん…忘れ物でも…?」

私の全力のコミュニケーションだ、これでどうにかなれば良いのだけれど。

「川内さん、ごめんなさい。」

何故?何で時雨さんが私に頭を下げている?

彼女が私に謝る理由は何だ?…まるっきり…分からない

「…えぇと…私…時雨さんに謝られるような事…されてないと思うんだけど…」

謎すぎる、何で彼女が私に謝るのか、早く聞かせてほしいものだ。

「さっきの授業中、スマホいじってたの…私なの」

…まさか…彼女が真犯人だったのか、私に濡れ衣を着せておいて、

何食わぬ顔で授業を受け続けていたのが彼女だったのか。

とても、頭に来る。

「…何で、あの時名乗り出てくれなかったの?」

問い詰めないと、気が収まらない。

「ごめんなさい、あの雰囲気で名乗り出るのが…怖くて」

この女は何を言ってるんだ?自分のせいで人様に迷惑をかけておいて、

その理由が、ただ怖かったから、だって?

「怒ってるよね…ごめんなさい…できる事なら…

 何でもするから…許してほしいな…」

彼女は何でもすると言った、そうか、何でも か。

「時雨さん、その言葉の重み、分かってるよね?」

…無意識に微笑みながら、私は時雨さんの目を見つめていた。

教室には夕日が差し込み、私たちの間の空気を不穏に染めてしまった。


 ありがとうございます

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