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伝承怪異譚  作者: 夜渡
失踪と鬼と絶望と
31/38

子供

今回は会話文多めでお送りいたします。あと結構頑張ったんだけど一週間以内に出せなかったよ。ごめんね。

 人通りの少ない道を通り、俺たちは人の少ない東の倉庫地帯にやってきた。東は海に近いため基本倉庫街が多く、隠れやすい場所も多く人も少ないため逃げるには徹した場所だ。


「ここまでくれば安心とは言えんけど、落ち着く時間はできたな。」


「逃げ切れたといっていいんですかね。これ」


「残念ながら逃げ切れたとは言えないんよな。これが。そもそもあの怪異は一定時間逃げ切ることが生還の条件のタイプや。」


 迅がどうやら何か知っているような口ぶりで話す。


「そういえば迅さん。あの怪異について何か知ってるんですか?」


「ああ、知っとる。あの化け物はワイが別件で請け負ってた仕事の一つや。まさか、ここで会うとは思わんかったけどな。とりあえず、知ってることは話すわ。」


「まずあの化け物の名前は暗寂鬼あんじゃくき。逢魔時、午後六時から出現する怪異や。こいつの特徴はどこからともなく現れこっちを追いかけてくるんや。捕まったら命はないと思った方がええ。」


「次に対処法やけど。こっちはシンプル。日の出まで逃げ切ればいいだけや。」


「それだけだったら、あの遅さだから逃げ切れそうだがやっぱなんかあるよな。」


「ああ、その通りや。暗寂鬼の一番の脅威は瞬間移動や。あいつが一番最初に現れた時のことを思い出してみ。」


「確か...俺たちの間に現れて...そうか!音もなくいきなり目の前に現れるから背後に来たら気づけない!」


「その通りや。背後に立たれたらもうその瞬間おしまいやから全員で全方向をカバーしないといけないんや。」


「でも、それだったらなんで最初っから襲わないんだよ。」


 俺も頷き、猿渡の言うことに賛同する。


「それが奴の怪異としての性質や。奴はもとはインターネット発祥の怪異や。もとになった一文には『奴は目の前に現れるのに襲ってこない、だが逃げようとする先々に奴は現れる。まるで俺を弄んで楽しんでいるようだ。』と書いてあったんや。このことから奴は基本ワイたちを弄ぶから命の危険は最初は少ないと考えてええ。」


「そうなると今この状況でも襲ってこないのはその性質によるものなんですね。」


「そうや。でももうそろそろ奴も来そうやし少し移動するで。」


 俺たちは移動することにしたが今回は車を使わず徒歩での移動となった。


「あの、なんで徒歩なんですか。車の方が楽なのに。」


「まあ、簡単に言えば生身の方が移動しやすいからな。車だと細い道や高低差のある場所は行けんし、今回の相手は瞬間移動を使うからどれだけ移動してもすぐに追いつかれるなら障害物で撒いた方がいいんや。」


 その説明を聞き、俺たちはなるほどと頷いた。


「そういえば。君の名前を聞い取らんかったな。君名前は?」


 迅が思い出したように俺たちと一緒に逃げていた子供に名前を尋ねる。


「えっと...僕の名前は柏葉 白兎です。あの...その..ごめんなさい...皆さんを巻き込んでしまって。」


 白兎君は申し訳なそうにそして少し涙声になりながら謝ってきた。俺たちはそのことに動揺しながらも優しい声で慰めながら質問する。


「大丈夫だよ。元々は君を捜すためにあそこにいたから。逆に運がよかったよ。だから君は何も悪くないよ。」


「でも...それでも...皆さんを巻き込んだのには変わらないじゃないですか。」


「そうかもしれない。だけど少しでも俺たちに巻き込んだことへの責任を感じているのならそれは間違いだよ。だって俺たちはあんな化け物に対抗するための探偵だからな。だから君のこれまでの状況を教えてほしい。話せる?」


 そうして彼は自分が誘拐された時から今までの状況を語りだした。


 まず、彼が最初に攫われたのが一週間前の六時頃。友達と遊んだ帰り道に誘拐犯と思われる女性によって誘拐されたそうだ。当時は女性のことを父親の同僚だと思い、信用していたところをそのまま女性の家に連れ込まれ、監禁されたそうだ。


 ここで迅が監禁から逃走までの経緯を聞く。


「どうやって監禁から逃れたんや?んで、どうしてあそこの公園に来たんや?」


 迅が効くと白兎は話すことにも慣れてきたのか緊張することなく話していく。


「えっと、いつもは四時には帰ってくるんだけど帰ってこないから逃げ出すチャンスだと思って部屋の檻に入れられてたんだけど、檻の扉に思いっきりぶつかったら扉が開いたからそのまま逃げてたら公園に着いたんだ。」


「それで、俺たちがいたから助けを求めたらいきなりあの化け物が現れたと。」


「うん。」


 どうやら怪異と白兎君とは関係がなく偶然遭遇しただけのようだ。


「あの、色々と聞きたいんですけど、怪異って何ですか?」


 白兎君の質問に俺たちは、はっとしたそういえば説明してなかったと。質問には迅が俺たちに最初に説明したように白兎君に説明した。


 その時の俺たちはまだ気づいていなかった、倉庫の上から突き刺さる単眼の視線に。

すっごい今更ですけどこの作品に登場する怪異は基本的に作者のオリジナルとなります。一部元ネタがあったり別々のものを組み合わせたりした怪異も登場するのでぜひお楽しみにしていてください。

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