調査
そして、調査が始まったが特に何も起こらず地面の調査と異臭の調査が終わった。
「案外何もないもんだな。身構えて損したぜ。」
「いや、まだ一番危険な生き物の調査があるだろ。」
「まあ、何にもなかったし多分大丈夫だろ!」
そんな、会話を行いながら俺たちは生き物の調査を始めた。幸い、見た限りだと引っ搔き跡などなく近くに熊がいることはなさそうだ。
次に建物の中に巣などを作っていないかを調査することにした。家の中は床を踏めばその足跡が残るほど埃が積もっていることからかなり長い間放置されていることがわかる。その時「うわっ!」という声が響いてくる。
「あ゛ぁ゛ぁ゛~~~、びっくりした~。」
「どうした?」そう聞くと猿渡は
「でけー蜘蛛がいきなり降ってきたんだよ。」
そういい、家の中の調査をまた始めた。一度、目を凝らしながら周りを見てみると蜘蛛の巣が大量に張ってあり、一部には人の手ほどある蜘蛛がいるのが確認できた。毒があるような種類ではなさそうだがあまり蜘蛛がいるところには長居はしたくないので手っ取り早く終わらせることにした。
家の中には農具や家具、衣類、機織り機など生活に必要なものすべてが置いてあり、どこかへ居場所を移したというわけではなさそうだ。
棚を調べていると紙を綴ったノートのようなものを見つけた。中身を読むと所々破れていたり虫食いの跡があるがかろうじて読める部分を読むとどうやらこの村にいた人の日記のようだ。内容としては不作であったため、蜘蛛を使っての紡績の割合を強めるとのことだった。通りで蜘蛛が多いわけだ、飼っていた蜘蛛が逃げて繁殖した結果がこの家だろう。それともう一つ気になる単語があった。
「白吐様」
そう呼ばれる何かがいたそうだ。これ以上は何も分からなかった。
そして、この村の中で一つだけ敷地が広く、場違いなまでに豪華な家屋がありおそらく村長宅と思われる家の調査を俺たちは始めることにした。