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プロローグ
そこは真っ白な世界だった。
辺り一面が真っ白な世界。
ふわふわと宙に浮いているような感覚は楽しい、けれどそろそろ地面が恋しいと思った瞬間、自分の足元に地を感じる。
ふと自分の足元を見たフェリアは今自分が裸足である事に気づいた。
「裸足?」
その事に気づくと次は一本の道が足元に現れた。短い丈の草で出来た道が一本真っ直ぐに伸びている。
そろり、そろりと慎重に足を前に出し進んで行く。サクサクと柔らかい草の感触を楽しみながら進んだ先に手を振る誰かがいた。
誰だろう?誰だろうと思いつつ、その手を振る姿が分かるようになると。見慣れた姿がフェリアの視界に飛び込んできた。
「あっ!――!!」
「?」
その姿の人物の名前を呼ぼうとしたが上手く声が出ない。
「―――!!」
呼びたいのに声がでないもどかしさにフェリアは喉を抑えその場にうずくまった。