羊羹怖い!!(洋館ではない)
今日は“黒い”しろかえでになってしまいました(/_;)
三姉妹の真ん中なんて大抵は損な役回りだ。
その事について書き連ねるのは今日は止めておくが……少子化が進んでいる世の中とは言え、この事に覚えのある方は少なからずいらっしゃるだろう。
とにかく数年前のある日……
私は一つの野望を実現させようとしていた!!
それは……
『おやつの独り占め☆!!!』
目の前には当時付き合っていたカレシからの大阪土産!!
『得手勝手屋本舗の一本流し羊羹』
が置かれている。
あと、テーブルの上に置かれているのは羊羹のパッケージフィルムを切る為のキッチンばさみと緑茶の入ったマグカップのみ!!
そう!
今まさに!!
私は一本流し羊羹を丸かじりしようとしていた!!
羊羹としては珍しい金時豆を原材料として使用していると言うこの羊羹の風味に私はゾッコンで……かの芥川龍之介の芋粥のごとく「何時になつたら、これに飽ける事かのう」と口走ってしまった事がある位だ。
しかし、それだけではさすがの私も“事”に及ばないだろう(たぶん)。
私の意志を決定づけたのは……
この羊羹が……カレシが出張と偽り、別の女と『昼間は大阪粉もん巡り!!夜はまんぐり!!』旅行に出かけた末のお土産だったからだ!!
事の顛末が露見したスマホの画像に私がワナワナと打ち震えていると、当時からこましゃくれたガキだった黄緑から
「白姉が不倫された~!!」と囃し立てられ
「うるさい!! 結婚してる訳じゃないから不倫じゃなく横恋慕されただけじゃあ!!」と大人げなく言い返して、目の前に羊羹を一本ドン!と置く仕儀となったのだ!!
「この悲しみ、不愉快、嫉妬や怒りのモヤモヤを思いっ切り甘い思い出に代えてやる!!!」
と羊羹にガブリと齧りつく!!
「美味しい!!! うん!! 涙が出るほど美味しい!!!」
モシャモシャ食べてお茶をグビグビ
泣きそうに美味しかったが……
そのうち胸やけで本当に泣けて来た。
一本の半分過ぎまでは辿り着いたが、どうしてもその先へ進めない……
吐きそうになるのを必死にこらえて涙目になって悶絶していると、今度は黒姉から怒られる。
「アンタ!! 何やってるの??!! さっさとトイレで戻して来なさい!!」
私は悔しいから頭を振りながら隣の部屋に逃げ込み、押し入れの布団に頭を突っ込んで必死に耐えた。
思えばこれが“押し入れと友達”になった最初の出来事かもしれない……
そう言う訳で私は今も羊羹がNGで……
羊羹を見るたびに背筋が冷たくなる“甘い思い出”を苦い気持ちでリフレインしている。
おしまい
ホントは甘~いお話を書きたくて一所懸命に考えていたのに……午前中、黒姉に割り込まれて変になってしまいました(:_;)
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