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トロフィーヒロイン・モンスターガール  作者: タカリ
第一章 トロフィーヒロイン・モンスターガール
9/50

9 モテモテ?紅雪

「この子は紅雪というんだね。さすがは星二つのモンスターだ、素晴らしい戦いだったね。スキルを聞いてもいいかな?」

「……【対人戦闘】と【殺傷力強化】です」

「なるほど。ゴブリンは『人型モンスター』のくくりだから両方のスキルが効果を発揮するんだね。これはいいシナジーだね」

「……ありがとうございます」


 モンスターは【種族スキル】に加えて★の数分の追加スキルを持っていると言われている。

 ゴブリンの場合は【逃げ足】や【精力強化】などのスキルが種族スキルで、それに追加して何らかのスキルを一つを持っている。

 武器スキルだったらゴブリンは武器を装備しているし、魔法スキルなら杖を持っているなど外見に差異も出てくる。そういう意味だと無手のゴブリンはゴブリンの中でも最弱と言えるだろう。


 紅雪の場合はハイゴブリンなのでゴブリンの種族スキルをそのまま強化したようなスキルに加え、通常とは違う亜種アルビノとしてのスキル、★★の追加スキルを取得している。


「よし、三人とも問題ないようだし奥に進もうか。この奥には戦闘スキルを持ったゴブリンや、集団で出てくるゴブリンも気をつけてね」


 とりあえず一人一匹ずつ倒して問題ないと判断した教官がダンジョンの奥に進むように指示を出した。ダンジョンは入口近くは弱いモンスターが出てきて、奥に進むほど手強くなるというモンスター分布になっている。

 俺たちも素直に指示に従って奥まで進み、ゴブリンが三匹出現するようになった地点まで順調に歩みを進めた。遠藤くんが遠距離から魔法で一匹燃やし、紅雪がさくっともう一匹を処理、最後に残ったゴブリンを木村さんが相手して危なげなく処理してしまった。


「……紅雪ちゃんは本当に凄いね。可愛いだけじゃなくてこんなに強いなんて羨ましいなぁ」

「ランクが違うからね。木村さんもランクが上がればこれくらい出来るようになるよ」

「……そう、かなぁ……」


 先ほどまで元気だった木村さんの笑顔が曇ってしまっていた。

 まあ可愛くて強いうちの紅雪が周りの注目を掻っ攫ってしまったからな。木村さんも弱くはないんで頑張ってほしい。


 その後、遠藤くんがMP切れ魔法を使えなくなるというアクシデントもあったものの、順調に探索を終えて学校まで戻ってきた。

 今回の探索で集めたドロップアイテムは全部で35DP。そのうち20DPが例の【精力強化】のスキルカードで残りは素材や魔石だった。カードのドロップがどれだけレアかよくわかる。


 DPは人数分で割った後に切り上げで貰えるらしいので、今回俺が得たDPは12DPだった。

 【精力強化】を買い取るには20DP必要なので買えない……残念だ。

 とりあえず魔石六個とDPを交換した。


 ■


 ――ダンジョン実習後、教官の控室


「若槻、例のモンスターはどうだった?」

「はい、事前の調査では★★のハイゴブリン亜種という話でしたが、通常のゴブリンでは太刀打ちできないほど強力なモンスターでした」

「そうか。ボスはいけそうか?」

「おそらく単騎ならばダンジョンボスも攻略可能だと思われます」

「生徒がいれば無理だと?」

「ハイゴブリン亜種がボスと戦っている間に、取り巻きに嬲られて倒されてしまうでしょう。堂島くん本人の戦闘力は高くないと思われます」

「そうか……」

「今後どのような指導をいたしますか? 彼と彼のモンスターを班に組み込むのは周囲にも悪影響が出ると思われます」

「確かに、戦力的に突出した存在と他の生徒を組ませるのは良くない。ボス以外のモンスターならばそのモンスターと生徒でも対処可能だな?」

「はい、ゴブリン複数匹と遭遇しても問題ないと思われます」

「では、次回の組み合わせはそうするか。報告ご苦労。下がって良し」

「はい、失礼します」

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