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トロフィーヒロイン・モンスターガール  作者: タカリ
第一章 トロフィーヒロイン・モンスターガール
42/50

42 探索の成果

 七月の頭から本格的に機械のダンジョンで探索を始めて二週間。

 その間に集まった魔石は百五十個ほど。そのうち百個は赤華の強化に使い、残りの五十個は俺と紅雪で分けた。


 魔石以外に多いのは素材だが、これは倒したモンスターによって内容が変わる。

 例えばゴブリン系のモンスターを倒した場合は木の枝、石、皮、布、草などが手に入る。これらのダンジョン産素材を生産系ジョブが使うことで【装備カード】や【装備品】を作ることができる。【石の槍】や【布腹】などだ。ちなみにダンジョン外の素材を使って加工することもできるが、そうやって作った物は特別な力は持たない。

 この機械のダンジョンに出てくる機械系のモンスターがドロップするのは機械のパーツや金属系の素材が多い。これらの素材がドロップするダンジョンは近辺だと珍しいので、納品クエストもよく出されている。


 学校を仲介して俺たちが引き受けたクエストもそんな一つで、納品した素材に応じた生産アイテムを一つ報酬に貰えるというものだった。

 ちなみに納品先は不明。クエストの内容と報酬だけ表示されるが依頼者などは伏せられていた。学校がそのまま受け取っているのかもしれないし、生産系ジョブの生徒に渡されているのかもしれない。


 仲介に学校が入って匿名のまま利用できるというシステムなのだ俺も利用してもいいかもしれない。一番優先するのは【罠探知】のスキルカードだろう。ボス狩りの時に手に入れた【ゴブリン】のカードが余っているのでトレードできれば最高だ。


 と、今後のことはさておき、素材採集イベントを二回クリアできるくらいの量が集まったので納品し、手に入れた【装備品】がこちら。


 【レーザーガン(★★)】:装備カード

 ・魔力を消費して高威力のレーザーを発射する武器。魔石で代用も可能

 ・主な部品:【エネルギーコア】【ガンフレーム】【レンズ】【発光装置】【ホワイトメタル】【魔力充填装置】など


 【リキッドメタル・スーツ(★★)】:装備カード

 ・魔力を消費することで液体から固体まで硬度が変化する防具。

 ・主な部品:【液体金属】【魔力増幅回路】など


 どちらも俺の装備で遠距離からの攻撃手段である銃と低い防御力を補うことのできる防御服だ。


 【レーザーガン】は白い本体に赤い差し色がされたカッコいいデザインで性能も申し分ない。魔力を使ってレーザーを発射するのだが、魔石を銃弾のように撃つこともできるので魔力消費を抑えながら俺も攻撃に参加することができる。★魔石でも使える仕様なのが幸いした。

 ちなみにこの素材は例の監視カメラ型モンスターを狩っているとあっという間に集まった。


 【リキッドメタル・スーツ】はまさにSF、あるいはファンタジーな装備だ。【液体金属】という不思議金属(水銀に似ているが完全に別物、素手で触っても無害)を大量に使った銀色のサイバースーツで、これだけを着るのはちょっと恥ずかしい。俺の場合は魔物使いのローブの下に隠れてほとんど見えないので助かっている。

 性能は魔力消費による瞬間的な硬度の変化によってダメージを減らすことができる。衝撃やダメージを完全に防げるわけではないが、かなり防御力が上がっている。

 また、このスーツを元にした拡張装備の【パワーアーマー】シリーズが存在するらしく、オプション装備などをつけて自分だけのカスタムが可能だそうだ。カスタムパーツのページを見ているだけでも楽しい。


 欠点としては【液体金属】などの必要素材がレア素材でなかなか数を揃えられないこと。そして性能の向上に応じて魔力の使用量が増えていくことだ。

 【パワーアーマー】を運用するなら最低限魔石から魔力を補給する装置を組み込まないとあっという間に魔力切れで動けなくなってしまう。だが、【パワーアーマー】用の大型魔力補給装置は★★ダンジョンの奥に出てくる強敵モンスターや中ボスしかドロップしないので入手難易度が高い。

 他の素材も手に入りにくいものが多く、【パワーアーマー】シリーズを集めるのは大変そうだった。

 あとスーツの【液体金属】が地味に重い。



 ちなみに生産職のつくるアイテムは【装備カード】と【装備品】の二種類があり、【装備品】だとMPを使わずに装備できるという利点がある。

 【魔物使い】である俺はMPを消費してモンスターを呼びだすので、装備するのにMPが必要ないというのは非常に嬉しいメリットだった。

 だが、【装備品】は【装備カード】と違ってメンテナンスの手間がかかる。ダンジョンに潜ったあとは毎回のように生産職に依頼して点検してもらないといけなくなる。

 そんな手間暇をかけてまで【装備品】を使いたいとは思えなかったので、結局二枚とも【装備カード】にした。【装備カード】は自動修復機能がついているので気軽に使える。俺みたいな人付き合いが嫌いな人間にはピッタリだ。


 そして、この二枚のカードを手に入れたことで、せっかく★★ランクになって増えたMPが早速カツカツになってしまった。ランクアップで紅雪と同ランク帯になったおかげで召喚コストも減っているのに、それでもモンスター二体と装備カード二枚はきつい。

 レーザーガンは魔石消費で使えるからいいが、スーツの防御機能を動かすには俺自身の魔力を消費する。それなのに俺が魔力不足で使いこなせませんでは宝の持ち腐れもいいところだ。

 赤華に集中的に使っていた★★魔石だが、俺の魔力を増やすためにジョブカードに使ってみてもいいかもしれない。



 魔石と素材以外のドロップだが手に入ったのは三つ。

 【射撃(★★)】と【連射(★★)】の二枚のスキルカードと、【水生成】のマジックアイテムだった。


 【水生成】のマジックアイテムはポッドのような形をしていて、魔石を入れると水が出るという単純な代物だ。★魔石一つで五リットルくらい。飲んでも大丈夫でしかも美味しい。

 水資源の多い日本だと安くて綺麗な水が簡単に手に入るのであまり使い道がないが、これが砂漠とか外国だと目の色を変えるほどの素晴らしいマジックアイテムに見えるんだろう。


 【水生成】のマジックアイテムの他にも【風生成】・【加熱】・【冷却】など、魔石で動くマジックアイテムの種類は非常に多い。これらは★ランクダンジョンではドロップしないで★★ランク以上のランクになるとドロップするようになる。


 使い方次第では様々なコストを魔石とマジックアイテムで補えると言われていて、今も世界中で研究が行われている。一部の工程をマジックアイテムに置き換えるだけで効率が跳ね上がる、なんて番組をテレビで見た。

 いつの日か世界中の発電所の代わりにマジックアイテムが動いている世界が訪れるのかもしれないな。

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