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神域遺物の蒐集者  作者: 東條九音
学園都市の***
27/27

空間を操る者、帰りたい世界#05

ツムギはワイバーンの魔石を加工してオーブを確保すると、学園都市へ戻って来ていた。


(依頼品は用意できたわけだか……準備はOK?)

「K。魔導書も、もうセット済み。あとは出たとこ勝負」

(ん、それじゃ理事長室に跳ぶぞ)


ツムギは空間跳躍を使用して理事長室に移動する。


「あれ?ペルちゃん居ないね」

(待ってたらそのうち来るだろ。ペルシアの領域内に入ったわけだしな)


「思ったより、戻りが早かったの。つーちゃん」


ペルシアが扉を開け入りながらツムギへ声を掛けた。


「でしょ?けど、オーブは確保してきたよ」


そう言ってツムギは、オーブをペルシアに投げ渡す。


「確かに受け取ったのじゃ。……しっかし、渡し方が雑じゃないかのぉ」


ペルシアは受け取ったオーブ机に並べる。


「それよりさ、新弟子帰って来てるんじゃない?」


「ほぅよく分かったの。あ、さては出先であったのじゃな」


「たぶんね。名前は何て言うの?」


「名前?名はイースロッテ=シャルロットじゃな」


(ビンゴだな。アースソウル所属のあの、イースロッテ=シャルロットと同一人物)

「あ~うん。知ってた。やっぱりそうか」


「師匠、入ってもいいですか?」


コンコン。っと理事長室の扉がノックされ、扉の外から室内のペルシアに向けて声が掛けられる。


「噂をすればじゃな。よいぞ!」


「失礼します」


扉を開け入ってきたのは、イースロッテ=シャルロットであった。イースロッテは部屋の中を見て、ツムギの姿を確認すると固まってしまった。


「顔を出したと言うことは、オーブを持ってきたんじゃな?」


「あ、はい!これです」


ペルシアに声を掛けられ、ハッとした様子でオーブを手渡したイースロッテ。

ペルシアは渡されたオーブを先ほどのオーブと同じく机の上に置くと、席に着くと口を開いた。


「ツムギ、改めてじゃがこやつがイースロッテ=シャルロットじゃ。ロッテよ。こやつはツムギ。我の友人じゃ。挨拶せい」


「……イースロッテ=シャルロットです。改めまして、よろしくです蒐集者さん」


「こちらこそ、ね。じゃ私はもう行くわ」


「そうか。ならロッテよ。ツムギの外まで見送って来てくれるかの」


「わ、分かりました、師匠」


ツムギはイースロッテを連れ立って理事長室を出る。しばらく歩いてからツムギはイースロッテに話しかけた。


「今の喋り方が素かな?」


「……はぁ、そうよ。不覚だったわ。まさかバレるなんて」


「バレたくないならいつもみたいに、間延びした喋り方すればよかったじゃない?」


「弟子入りする時に師匠には直ぐバレて、師匠の前では素で喋るのが、条件の1つになったのよ」


「なら私と話す時も素でお願いね」


「もう今さらよね……分かったわ」


「さて、と……本題に入ろうか?」


「こちらとしても望むところよ」


「ん、じゃあまずキミは敵なのかな?私としては、アースソウルのメンバーは平穏を乱す厄介な奴らって認識なんだけど」


「そうねぇ……個人的には敵ではないかしら。アースソウルって言うのは、地球って場所の出身の、転生者や転移者の集まりなのよ。元々同郷のよしみで何かあったら協力しよう、って集まりだったの。なのに、何を勘違いしたのか好き勝手する奴らが、組織名として名乗り始めたのよ。それ以来、穏健派と過激派に分かれちゃってるのよねぇ」


「じゃあイースロッテは穏健派と?」


「私は中立。希少な空間魔法使えるから、橋渡しをやってるの」


「なるほどねぇ……。次はイースロッテが質問していいよ?」


「えっ!いいの?それじゃあねぇ……ツムギ、あなたは何者なの?」


(定番の質問だな)

「ん~そうだね……私はただの人で、紡ぎ手」


「紡ぎ手って何?物語でも書いてるの?」


「そうだねぇ……紡ぎ手は神様の眼として生きる人、それだけだよ」


「……よくわからない事は分かったわ」


「だから、ただの人って思っていればいいよ」


「チート持ちと同等、またはそれ以上の力の持ち主のあなたを、ただの人って……」


「次は私の質問。あなたは何が目的なの?何か目的があって、ペルシアに弟子入りしたんでしょ?」


「……私はね、転移者なんだ。ある日突然、この世界に放り出された。チートに『空間』って言う能力を持たされて。大雑把すぎでしょ、って思ったけど本当に空間に関することなら、大体何でも出来た。でね、思ったの。もしかしたら元の世界に、地球に戻れるかもって。だから」


「学園に学びに来た、と」


「寄り確実に帰るために、研究が必要だとおもってね。弟子入りしたのは偶然。師匠から声を掛けられたんだよ」


(才能と人柄を見抜いたんだろうな)

「で、今に至るのか。……まぁペルシアがついているなら、どうにかなるし、悪人じゃないんだろうね」

(しかし『空間』かぁ。だから空間跳躍や空間転移が得意なわけか。けど、世界を渡るには観測も必要。つまり時空系の魔導師じゃないとな)


「次は私の番だよね。師匠とはどういう間柄なの?」


「ん?ペルシアとの関係ねぇ……。昔馴染みの友人だよね。長年のね」


「長年って……あなた何歳なの?」


「失礼な事、考えてない?」


「いや、だってねぇ。背が低いし、少なくとも年上には見えないもの」


「ぐっ……気にしていることを。余計なお世話よ」


長話をしている間に、ツムギとイースロッテは学園の門までやって来た。


「見送りご苦労様。取り敢えずキミの目的は分かったし、悪人でない事も分かった」


「アースソウルといる時は悪人っぽいムーブをするけど、本心じゃないからね?私は元の世界に帰りたいだけだし」


「ま、敵対しないことを祈るよ」


ツムギはイースロッテに軽く手を振り、学園を後にした。



不定期投稿してますのでブックマーク登録して、続きをお待ちいただけると幸いです。

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