空間を操る者、帰りたい世界#03
ツムギはドラゴンを探して日ノ本の島国のとある山を探索していた。
ドラゴンは宝を貯め込む習性があるので、ツムギはその宝の中にあるであろうオーブをを狙っていたのだ。
( ちなみに日ノ本の島国に生息するドラゴンは龍と呼ばれ、オーブや宝珠の様な宝を好んで貯め込んでいる)
「誰に言ってるのさ?」
(いや、改めて確認をと思ってな……)
「ふ~ん?ま、いいけど……龍見付からないね」
(基本何処かしらに巣を持ち、宝を貯め込んでるからな。それに有名どころのドラゴンは宝より)
「戦闘だよね……ドラゴンは何より、強さを追い求める種族。それでいて知性が高いんだよねぇ」
(まぁ戦闘だったり宝だったりと、性格によって変わってくる辺りは、人と変わらないって事だ)
「だから、知性の低い野良ドラゴンか、知性を得て傲った若いドラゴンを探してるわけだけど……っと」
ツムギが何かに気付き、咄嗟にしゃがみこむ。
(ビンゴ!若い龍……いやワイバーンか?)
「みたいね。何でワイバーンが居るんだろ?」
(航ってきて住み着いた、としか考えられないだろ?)
「……ワイバーンって、竜玉あるよね」
(ドラゴン擬きとは言われるが、実際竜種だからな。……竜玉はドラゴンの魔石を磨いたもので、別名がドラゴンオーブだな)
「つまりオーブと竜玉は同一物。……質は問われてない。なら」
(……三匹か)
「ん、準備しようか」
ツムギは魔導書を取り出し開くと赤橙色の籠手を取り出し、魔導書に栞を挟んでポケットへセットする。
(炎竜の籠手か……)
「ん、ぶん殴る。そう言う気分」
ツムギは籠手を装備して、両手をグーパーして付け心地を確かめ頷く。
(飛ぶ相手にか?)
「……殴る以外も出来るから大丈夫」
(知ってるよ。でも、ぶん殴るんだろ?)
「Yes。行くよ♪」
地を蹴り一足飛びにワイバーンに接近すると、籠手を纏った拳で一匹を殴り飛ばす。
「うぃ」
(流石、ドラゴン系の武具。身体能力がかなり底上げされてる)
「更にっと」
籠手に炎が灯る。
「さぁて、遊ぼう♪」
ツムギの言葉とワイバーンの鳴き声が重なる。二匹のワイバーンは飛び上がり、機会をうかがうように上空を旋回している。一方、殴り飛ばされた一匹はよろめきながら、ふらふらと立ち上がる。
ツムギは立ち上がろうとするワイバーンに狙いを定め、地を蹴りワイバーンに接近する。
「そりゃ!!」
ツムギは燃える拳でワイバーンを殴る。
すると殴り倒されたワイバーンが燃え始め、火から逃れようとのたうち回る。やがて燃えるワイバーンは動きを止める。どうやら絶命したようだ。
「よぉし、一匹目!」
(炎竜の炎で燃やし尽くしたら、素材も無くなるぞ)
「ありゃ!それは不味い」
(竜種の素材は余すこと無く使える物ばかり……と言っても、ワイバーンは流通量が多くて、たかが知れてるけどな)
「……よく考えれば魔石以外は今回いらないから、燃え尽きるの待つか」
(上空、来るぞ!)
「うぃ!」
二匹が時差をつけて急降下してくる。
ツムギは一匹目を体を捻り回避し、二匹目が接近したタイミングでワイバーンの顔面に渾身の一発を叩き込み、ワイバーンは地にぶつかる。ワイバーンは地に伏し燃え上がり、ピクリとも動かない。今度は一撃で沈めたようだ。
「二匹目!」
最後の一匹が鉤爪で攻撃を仕掛けてくる。
「せりゃ!」
それをツムギは籠手で受け弾く。弾いた手と反対の手を広げ、ワイバーンの翼へ向ける。
「ショット!」
ツムギの声と共に火炎属性の魔力弾が放たれる。魔力弾はワイバーンの片翼を焼き、片翼を失ったワイバーンは体勢を崩し墜落する。墜落したワイバーンに、ツムギは追撃を加える止めを刺す。
「討伐終了!」
そう言うとツムギはワイバーンの燃え残りの中から、魔石を回収していく。
「あとは磨いて納品ね」
(お疲れさん)
「んー……」
(どうした?)
「やっぱり、本来生息していないワイバーンが、何でこんなところに居たのか気になってね」
(……ついでだし、辺りをもう少し観察していくか?)
ツムギは辺りを探索する。すると木々が薙ぎ倒され、開けた場所に出る。
「この辺の物とは違う、瓦礫の山?」
その開けた場所の中心には、その土地の物とは質が違う岩や土の山であった。
(周辺を見るに、何かと一緒に転移してきた物の山だろう)
「ん?あっちの方で音がしない?」
ツムギは音のする方へ慎重に向かう。音が近付き、隠れながら様子を窺うとそこでは、龍と女の子が戦闘をしていた。
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