空間を操る者、帰りたい世界#02
「どうじゃ?我が学園は?」
「さすが最高峰と言われてる学園。設備もすごいね」
ペルシアの案内でメイビス学園を歩いていた。
「ってか何でいるのさ」
「何でって、そりゃつーちゃんが迷うのは、目に見えておるからじゃ。だから出口まで案内しておるのじゃろ」
「……ご迷惑お掛けします。いや~、地図とか目印があれば迷わないんだけどね」
「それは当たり前じゃろ。と言うか何で今回は、直接学園へ来たのじゃ?いつもは我の屋敷に来て待っておるじゃろ」
「なんとなくいける気がしたから……」
(それで本当に到着しているのだから、直感は侮れないのよな)
「……まぁこれを機に、学園の構造を、理事長室まで道を覚えてくれると、助かるのじゃ」
「ん。学園は広いけど、目印も多いから、今後は大丈夫だと思うよ」
「ならよし、じゃ。ついでにこれも渡しておこうかの」
ペルシアはツムギへブローチを手渡す。
「今後校内を歩く時は、見えるところに付けておくのじゃ」
「K。面倒だからここに、ずっと付けとく」
そう言うとツムギは左胸の上辺りにブローチを取り付ける。
「にしても、生徒を全然見掛けないね」
「そりゃ今日は休日じゃからな。解放はしておるが、居るのは我ぐらい……お」
「どうした?」
「美術棟に二人、居るようじゃ。跳ぶから掴まるのじゃ」
ツムギはペルシアに言われるがままに、ペルシアの肩を掴む。
ペルシアが指をパッチっと鳴らすと景色が廊下からどこかの教室に変わる。
(この学園はペルシア・フェレスの工房の一つ。そのためテリトリー内の把握や移動は朝飯前。工房内において彼女は最強であると言えると補足しておく)
「……誰に説明してるの?」
(いや、そろそろ喋っておかないと、忘れられそうな気がして……)
ツムギの独り言はペルシアに聞こえなかったらしい。ペルシアは教室にいた人物たちに声を掛けた。
「オルレアの姉妹よ。ちょいとよいか?」
「ペルシア理事長?」
「はい。私も姉さんも問題ありませんが……?」
「うむ、今ちょうど我が友人を案内しておる所でな。ほれ」
背後に立つツムギをトンッと前へ押し出す。
「ツムギ?」
「ツムギさん!」
「やぁ二人とも。こんなところで、また会うとはね」
そこに居たのはクロエ・オルレアとサクラ・オルレアの二人だった。
「お久しぶりです。その節はありがとうございました」
「ん、どういたしまして。……見たところ、この学園の生徒みたいだけど」
「はい、その通りです。お父様を説得して、今はこの学園で活動してます」
「特待生よ。実家より自由に、二人で創作してるわ」
「そう……それよかった」
(あの娘溺愛のリクがよく許したもんだな)
「なんじゃ、知り合いじゃったか?」
ペルシアが少しつまらなそうに言う。どうやら、世界的に有名な画家姉妹を紹介して、ツムギの事を驚かせたかったようだ。
「知り合いだよ」
「なんじゃ、つまらんのぉ。ん、用事は以上じゃ。邪魔をしたの、オルレアの姉妹」
そう言うとペルシアはツムギの腕を掴んだ。
「ちょ、ペルちゃん!?あ、二人とも」
「何?」
「はい」
「いい表情なってる。これからも頑」
パッチと言う音がし、景色が教室から学園の門前になった。
「張ってね……って、ちょっと!」
「つーちゃんの言葉で言えば、縁があれば近いうちにまた会うじゃろ?」
「……はぁ、まぁそうね」
「そうじゃ!今日は居らんかったが、我の新弟子にも、いつかは会って貰いたいの」
「へぇ、久しぶりに弟子を取ったんだ」
ツムギが驚きの声をあげる。何故ならペルシアが弟子を取る事は滅多に無い事だからだ。その人物に見所があるか、面白い研究をしていたら、稀に弟子にするぐらい。
「うむ。転移について研究しておる。そしてその者自身も、空間跳躍を使いこなすのじゃ。その者もオーブ探しに出したから、もしかしたら会うかものぉ」
(そんな事あってたまるか)
「まぁ縁があれば会うかもね」
(フラグ建てんな)
「うむ、ではな」
ペルシアが指を鳴らし姿が消える。
ツムギもメイビス学園を後にする。
「あ!」
(どうした?)
「……途中から空間跳躍で、門前まで送られたから、理事長室までの道、憶えられてない」
(……理事長室にマーキングは?)
「してある」
(次回からそれで行け。では帰りは門前に跳ばしてもらえ)
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