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神域遺物の蒐集者  作者: 東條九音
蒐集者の日常
21/27

神域遺物の収集、気ままな一人旅#04

「これで、おしまい!」


ツムギが白銀の長槍で甲冑の腹を貫く。屋敷の二階には徘徊する甲冑がおり、発見する度にツムギは倒していた。


(一階より二階にモンスターが溜まってるな)

「結構倒したよね?解析は進んだ?」

(二階に居るのはモンスターのほとんどはゴーストだな。甲冑を倒しても、復活するやつもいるだろ?)

「……はい?どう言うことよ」

(ゴーストが甲冑を操っている。だからゴースト退治しないと、ほら)

「……なるほど」


ツムギの視線の先には甲冑がいた。その甲冑の胴には穴が空いていた。


「ゴーストなら雷光だね」


白銀の長槍をしまい、レグルスのページを開くと能力の解放を行う。

ツムギは雷光を甲冑に向けて放つ。雷光は命中しどうやらゴーストを倒すことに成功したのだろう。甲冑は音を立て崩れ、そのなかには魔石が転がっていた。

それを確認するとツムギは魔導書(ラノベ)をしまい魔石を回収し、探索を続ける。



           ◆◇◆◇◆



「あっ、書庫発見!魔導書はあるかな~」


しばらく探索していると書庫を発見する。ツムギは書庫に並ぶ本の背表紙を眺め確認していくと、二冊だけ魔導書がある事に気付く。その二冊の魔導書を棚から取り出す。


「『疾風(しっぷう)(なぎ)約束(やくそく)』と『幾星霜(いくせいそう)旅路(たびじ)』ね」

(作者がどちらも同じだな)

「みたいね。……初版だわ」

(コレクションが増えたな♪)

「もう用はないわね」


ツムギは二冊をそれぞれポケットへ入れると、屋敷から出るため振り向く。すると書庫の出入りに誰かが立っている事に気付く。


「対話出来るかしら?」


ツムギの言葉に応えない。代わりに神速の蹴りがツムギを襲った。ツムギは壁に打ち付けられる。


(ファントムだな)

「いった……」

(出で立ちは……執事か?さしずめ、コンバットバトラーのファントムか?)

「何よその属性過多なモンスター」

(言うほどでは、って来てるぞ!)


執事ファントムはツムギへ追撃の蹴りを放つ。それをツムギは間一髪で避ける。

空振りした蹴りは先ほどまでツムギがいた壁に当たり穴があく。


「どんだけ頑丈なのよ」

(ファントムの基になった人物、かなり頑丈で強かったんだな)

「それなら」


ツムギは『十二星座(じゅうにせいざ)(おう)巫女(みこ)』の魔導書を取り出すとあるページを開く。


「キャンサー!鎧堅牢(よろいけんろう)!」


ツムギは鎧を取り出し纏う。


(防御増しても勝ち目はないぞ!)

「カウンターを狙うまでよ!」


執事ファントムがツムギへ向き直り構えた。ツムギは動かずどっしりと構えていると、執事ファントムは跳躍し跳び蹴りを放った。

蹴りを受け止め執事ファントムの足を掴むツムギ。


「せっの!」


掛け声と共に執事ファントムを投げ飛ばす。

勢い良く投げられるも空中で体勢を立て直し壁を蹴り一回転して地に足を付けた。


「モンスターのクセに無駄にスマート?ってか攻撃は強烈なのに、仕草は優雅ね」

(ファントムはこの場に残る影。在りし日の人物を映す影だ。つまり)

「昔、このお屋敷にはこんな執事がいた。って事になるのね」

(初めに言ったろ?コンバットバトラーって)

「……肉弾戦で勝てるかな?」

(キャンサーの技、カウンターエッジを決めても、弱点突けなきゃ、逆に返り討ちだな)

「だよねぇ……。賭けてみるか」


ツムギは閉じて鎧を解除するとポケットへしまう。その代わりに先ほど手に入れた魔導書の一冊『疾風と凪の約束』を取り出す。


「応えて!『疾風と凪の約束』!!」


ツムギが魔導書へ呼び掛けると応えるように淡く光り、魔導書が開きページがめくられていくとあるページで止まる。ツムギはそのページを読み上げ実行する。


「星の鼓動、時を刻む物よ!私を導きたまえ!」


魔導書から現れたのは、メカメカしい懐中時計。短針が6と7の間に、長針が12を指した状態で止まっていた。

懐中時計の出現をみた執事ファントムは何処からか真っ黒な木刀の様なものを取り出し握る。


「懐中時計!?えっ、どうやって戦うのよ!?」

(懐中時計……と言うことは)


執事ファントムが瞬時にツムギへ接近し、手にした木刀で斬り掛かった。


「やばっ」

(長針を7に合わせろ!)


ツムギは長針を回し7に合わせると短針も一緒に動き7で止まる。すると懐中時計はカチカチと音を立て姿を変えていく。

キンッと言う音を立て、執事ファントムの木刀が弾かれる。


「何、これ」


執事ファントムの斬撃を弾いたのは一本の剣だった。それは先ほどまで懐中時計の姿をしていたもの。


(これは黒の懐中時計、ノワール・ウォッチ。時を操り、永遠をもたらす魔剣、と言われている)

「魔剣……」

(来るぞ!)


魔導書に栞を挟みポケットへセットし、手にした魔剣をしっかりと握りしめる。

執事ファントムとツムギは互いに剣を振るい、剣戟による攻防を繰り広げられる。


「やあああっ!」


ツムギが拮抗を破り執事ファントムの持つ木刀を弾き上げる。そしてがら空きになった胴に向けて袈裟懸けに斬る。

木刀を失った執事ファントムはバックステップで斬撃を回避する。


「逃がさない!」


ツムギは力強く踏み込み魔剣を振り抜く。放った斬撃は執事ファントムに命中し、壁まで吹き飛ばす。

壁に打ち付けられた執事ファントムはよろめきながら立ち上がる。


「フィニッシュよ」


体の中心に魔剣を構えると執事ファントムの胸に照準を合わせる。そして胸を狙い一気に貫く。

執事ファントムがバラバラと崩れ去り、その場に魔石が3つ転がる。

ツムギは魔導書から栞を抜くと魔剣は消え、それを確かめてから地面に転がる魔石を回収する。


「終わった~」

(お疲れさま。さぁて、どうする?)

「今度こそ拠点に……ってあれ、この魔石」

(ん?魔石じゃないな。紋章が刻まれた宝玉か)

「この紋章……どこかで」

(『疾風と凪の約束』の魔導書だな)


『疾風と凪の約束』の魔導書を取り出す。魔導書の裏表紙には12の窪みがあり、その窪みには宝玉と同じ紋章があった。


「紋章が同じ所に填めるのね。たぶん」


ツムギは宝玉を填めてみる。すると魔導書が淡く光る。やがて光りは止み……特に何も起こらない。


「光るだけ?」

(宝玉が全部集まったら、何かありそうだな)

「ん、ならもうちょっと探して、無かったら帰ろう」


この後ツムギは屋敷を隈無く探索するが、他に宝玉は見付からず屋敷を後にする。


不定期投稿してますのでブックマーク登録して、続きをお待ちいただけると幸いです。

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