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騎士になりたかった少年と宝物と言われた少女

「だから……一緒に国を守ろう。私を支えてほしい。私もヴィオラを支えよう。学園生活はあと2年ある。少しヴィオラにはつらいかもしれないが皇太子妃教育と学園での勉強と同時進行になる。皇太子妃である以上は成績も落とされたらまずいし、きついものになるだろうが外国語とマナーとダンス、教養はあと少しだと言われている。残りは少しずつ習っていってほしい。

それとスードリーのアリストロ殿下については私のほうで話をつけておこう」

 官僚試験と妃へと言われたことだろう。

「お願いします」

 

 怜悧で冷たすぎる表情と言われることすらもあるアークライトの申し訳なさそうな表情にビオラはクスリと笑う。

「学ぶことは大好きです。アーク様の隣で恥ずかしくないよう身に着けていきたいですわ」


 後日、兄であるクロフト王太子がバンゲイに帰国するときに挨拶に来てくれた。

 今回のリコリス王女の贈り物や招待状窃盗事件に関しては緘口令をひいてもらったものの、なかったことにはできないらしい。現在バンゲイ王宮から少し離れた場所に小さな離宮を作っているそうだが、バンゲイに帰り次第その離宮に移ってもらい離宮の外へは出られないようにするそうだ。


「それって幽閉ではないの」と聞いたら「違う。外に出られないだけだ」と兄はいい、もし結婚したとしてもバンゲイ国でリコリス王女のことをよく知っている者、しかもリコリス王女を抑えることができる人ならば降嫁することになるかもしれないと呟いていた。


 さらに兄の譲位を早めるらしい。予定は1年後。兄が王になった段階で以前の友好国としての待遇になるということを言われたらしい。


 譲位した後、王と王妃は王家が持っている伯爵領の領地へ行くことになっているそうだ。比較的豊かな領地らしく領地経営などは王家直属でするため必要ないらしい。


「ならリコリス王女も一緒に行ったほうが王妃様も心配なされなくていいのじゃないの。王宮内にいたとしても頼りにするところがなくなるじゃない」

「そこが狙いだろう。頼りにする所もなければわがままいっぱいなところもなおるかもしれんしな」

「リコリス王女も本当は悪い人じゃないのよ。自分の思った通りに生きているだけなの」

「まあ、自制心を育てられなかったのが父と母の失敗だろうな。甘やかして育てすぎだ。俺も人のことは言えないが」

「そうでもないとわたくしは思うわ。……バンゲイにいるときはビオエラ以外ではお兄様だけが王宮の中での味方だったわ。お兄様がいなかったら王宮から逃げ出したかったと思う」

「…そうか……俺も早めに結婚するべき…だろうな。……婚約者もいないのにな。戻ったら婚約者選定からだ。今まで面倒で避けていたのに」

 少しげんなりした雰囲気で兄はバンゲイへと戻っていった。



「クロスト王太子、ヴィオラのお兄さんだけど彼だけは王族の中で比較的まともなと言えるだろうな。……王族らしくない王族というべきか」

 アークライト皇太子はバンゲイの旅団が旅立ち、馬のひづめが立てる土埃が鎮まるころ呟いていた。


「そうなんです。お兄様だけが誰かをひいきすることもなく、わたくしにも普通に接してくれました。ビオエラをはぶくとバンゲイ国の中で一番信頼できる人です」

「なら婚約式も結婚式もバンゲイからはお兄さんだけ呼ぶようにしよう」

 アークライトは笑って言ってくれた。


 夕日の中で2人の影が王宮の白壁に浮かんだ。

 二つの影がピタリとくっつくのを、護衛騎士がニコニコと笑って見つめていた。



最後までお読みいただきありがとうございました。

「毎日更新」「最後まで書き上げる」を目標としてきました。

次はもう少し小説について勉強し、「小説家になろう」の機能を使いこなせるようになりたいと思います。


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