タラスの新天地?
「くそっ! どうなってやがるんだ」
手首に痛みが走る。
折れてやがるな……。
『剣士』スキル持ちの天才剣士の俺が、あんな無能者になんで負けたんだ?
ありえねぇ……絶対に何か秘密があるはずだ。
ちっ……考えても分からねぇ。
これからどうすりゃあいいんだ?
無能者がいる限り、忌み子には手が出せねぇ。
かといって、この手じゃ、剣も握れねぇ。
まずは休養が必要だ。
「ドラン。帰っているか? ちっ!! いねぇのか。使えねぇ」
手首がいてぇ……
そういや、ポーションってやつがあったな。
これを飲めば……。
ん? おお? なんだか、眠くなってきやがったな。
こりゃあ、いい夢が見れそうだな……。
久しぶりに女の夢が見てぇもんだな……。
*****
「ドラン、寝たか?」
「ええ、そりゃあぐっすりと。本当に面倒ばかりかけさせやがるな。この豚は」
「まぁ、そういうな。こんなやつでも使いみちはある」
「本当にやるんですか? オレが言うのも何ですが、本当に使えないですよ。考えているのは女のことばかり。何度、殴ろうと思ったか分からねぇくらいですよ」
「後で何度でも殴れる。今は我慢しておけ。それに使えないくらいがちょうどいいんだ。公爵様もきっとお喜びになるだろうよ……」
「これでオレの仕事も終わりですね」
「何、言ってやがる。こいつが使える間は何がなんでも死なねぇように見張っているんだよ。それ以外だったら、まぁ好きにしろ。こんな豚でも……喜ぶやつくらいいるんじゃねぇか?」
「違いないですね。そういや、貴族専門の奴がいましたね」
「ああ。貴族位にしか興奮しないやつか。公国の後継者なら申し分ないな。ちょっと話をつけておいてやる。クソみたいな変態だが、金払いだけはいいからな」
「ちょっとはこっちに金を回して下さいよ。豚のせいで結構、使ったんですから」
「分かった分かった。それより王都までの道のりは分かっているな?」
「オレは王都生まれですよ。こんな田舎豚と一緒にしないで下さいよ」
「そうだな。宿はすぐに引き払えよ。一応、公爵様の所有の建物だ。綺麗にしておくんだぞ」
「分かってますって。それじゃあ、また王都で」
「ああ」
タラスはどうなるのか……
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