転落
「クソッ!」
俺は大人や警察官たちに囲まれ、橋の真ん中に追い詰められた。
「るいっ! 怪我はない? 大丈夫だった? 今までどこにいたの?」
母さんが大人たちをかき分けて俺の前に現れた。
「母さん……」
「お母さん心配したのよ? 今までどこに行ってたの!」
母さんが抱きついてきて、俺が母さんを抱きしめる。
周りの大人や警察官たちは俺たちを見て安堵しているようだ。
「母さん……」
「なに? 家に帰ったらるいの大好きな唐揚げたくさん食べよう?」
「……母さん……」
「ん? どうしたの?」
「…………母さん、ごめん!」
「!」
俺は母さんを突き飛ばし油断した大人たちの間を通り抜け橋の外側へ行く。
そして勢いのまま柵を超え真っ逆さまに落ちていく。
きっとこの高さなら即死だろう。
走馬灯は見えないけれど落ちる時間を永遠と感じた。
「るいっ!!!」
柵から顔を出した母さんが俺を呼ぶ。
ごめんなさい母さん、僕はこの世界では生きられない、帰っても何も変わらない。
ごめんなさい、父さん、雅人兄ちゃん、裕姫姉ちゃん……。
できれば……。
できれば責任とか法律とか縛りのない世界に生まれたかった……。
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「次のニュースです。 ○○中学校1年篠山累君が、先日橋から飛び降り、全身を強く打ち死亡しました。 累君は一か月前から家出をしており、警察は家出と自殺の原因を捜査ーーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
初書き&初投稿なので間違い等々あると思います。
教えていただけると嬉しいです。
最近知ったことなんですけど、ニュースでよく聞く全身を強く打つっていうのは全身を強く打ったってことだけじゃなくて胴と四肢がバラバラになるくらい全身を強く打ったことを言うらしいんですね。
想像しただけで吐き気がしますね……。
しかもそれ知ったの食事中というね……。
まあなにはともあれお読みいただきありがとうございました!
そして、お食事中の方は申し訳ありませんでした。
夢に出てきそうですね……バラバラ死体……。