時を駆ける昔話9
八咫兵衛に刀を依頼して3日。
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第9話:新しい仲間
桃太郎は、鍛冶屋を訪ねる。
「来たな!刀は出来てるぜ!」
八咫兵衛から刀を受け取る。
「刀の代金を。」
桃太郎は、懐から銭を出す。
だが、八咫兵衛は手を横に振る。
「いやいや、鬼退治して戻って来たなら、その時に受け取るよ。」
桃太郎はお辞儀をする。
「わかりました。」
刀を腰にさし、鬼ヶ島へ向け、町を出た。
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街道沿いを歩いていると、脇道から、犬が現れた。
「何処に行くんだワン。」
犬が話し掛けてきて、桃太郎は身構える。
「犬が喋った!?」
犬は腰を下ろす。
「驚かせてすまないワン。」
ションボリする犬…。
「鬼ヶ島へ鬼退治に行くんだ。」
桃太郎も腰を下ろす。
「それなら私も行きたいワン。」
犬は尻尾を振りまくる。
「それは頼もしい。」
桃太郎は立ち上がり、腰の袋から吉備団子を取り出す。
「仲間の印に、吉備団子をお食べ。」
犬は吉備団子を食べる。
「仲間の証に、名前を付けてワン。」
桃太郎は少し考える。
「名前は…、シロかな。」
シロは、尻尾を振りまくって喜ぶ。
「鬼ヶ島へ出発だ!」
シロを仲間に加え、鬼ヶ島へ向け歩き出した。
それを、空の上から見る者が…。