時を駆ける昔話8
村を旅立って2日、町に着いた桃太郎は。
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第8話:町と鍛冶屋
「あの、此処から港町までは、何日位掛かりますか?」
桃太郎は、町人に訪ねる。
「此処からなら、馬で5日、徒歩で10日位かな。」
まだまだ遠いと分かり、少しガックリする。
「一体何をしに港町に?
商人には見えないけど。」
桃太郎は、静かな声で鬼ヶ島へ行くと答える。
「お、鬼ヶ島だって!?」
桃太郎は、町人が驚いて叫びそうなのを、口を塞いで止める。
「し、静かに…。」
町人は頷く。
「んご!んご!(分かった!分かっ)」
桃太郎は口から手を離す。
「ほ、本気か!?」
桃太郎は頷く。
「分かった。それなら、良い店を教えてやろう。」
町人は、桃太郎を路地裏の鍛冶屋に連れていく。
「八咫兵衛、居るか?」
カウンターに人が居る。
「なあ、八咫兵衛。
コイツに、良い刀を作ってやって欲しい。」
八咫兵衛がカウンターから出てくる。
「何に使う気だ?」
桃太郎は八咫兵衛に、鬼ヶ島へ鬼退治に行く事を話す。
「鬼退治か!面白いじゃねえか。
良いぜ、作ってやる。」
桃太郎はお辞儀をする。
「3日後に、また来てくれ。」
町人と桃太郎は出ていく。
「ありがとうございます。」
桃太郎は頭を下げる。
「鬼退治、がんばれよ!」
町人は、人混みの中へ消えて行った。