時を駆ける昔話7
13年の月日が流れ、逞しく育った桃太郎。
旅立ちが近づいている。
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第7話:鬼の襲撃と旅立ち
桃太郎が13才になった。
「桃太郎や、剣の修行は順調か?」
桃太郎は頷き。
「はい、剣道場では、先生の代わりをしたりしています。」
浦島は嬉しそうに頷く。
「そうかそうか。」
突然、扉が開き、村人が駆け込んできた。
「鬼の襲撃だー!」
3人は驚く。
「鬼だって!?」
桃太郎と浦島は外へ出る。
「ガハハ!金と食い物を寄こせ!」
鬼達は、家々を破壊しつつ、金品や食料を奪って行った。
村人達は、項垂れ、鬼が去っていく姿に肩を落とす。
「くそっ!全部持って行かれた…。」
次の日、村人達は、集会を開く。
「浦島さん、桃太郎さんに鬼退治をお願い出来ないか?」
浦島は考え込む。
「桃太郎に頼みたいのは分かるのじゃが…。
相手は鬼じゃからな…。」
村人達は頭を下げ。
「分かってはいる。
だが、桃太郎さんしか頼れる者が…。」
5分程沈黙が続き。
「分かった、桃太郎に頼んでみよう。」
集会は終わり、浦島は家に戻る。
「只今戻ったぞ。」
お婆さんが出迎え。
「おかえりなさい、集会はどうでした?」
浦島は桃太郎も呼び、集会の結論を話した。
「桃太郎一人に行かせるのですか!?」
浦島が頷く。
「そうなのじゃ。
桃太郎、どうしたいかは、自分で決めるのじゃ。」
桃太郎は暫く悩み、顔を上げる。
「わかりました。
私も鬼を許せません!
鬼退治に行きます!」
浦島は桃太郎の手を握る。
「そうか頼まれてくれるか。」
お婆さんは台所へ行ってしまう。
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5日後、桃太郎の旅立つ日が来た。
村人達が桃太郎の旅立ちに駆け付ける。
「桃太郎さん、頼みましたぞ。」
桃太郎は頷き。
「きっと、鬼を退治して来ます!」
村人達が歓声を上げる。
「桃太郎!待っておくれ。」
お婆さんが駆け足で駆け付ける。
「桃太郎、オムスビと吉備団子を持ってお行き。」
お婆さんは、銭とオムスビと吉備団子を渡す。
「無事に帰って来ておくれ。」
桃太郎は、お婆さんの手を握り。
「はい!無事に戻るのを祈っていてください!」
そして、桃太郎は、鬼退治に鬼ヶ島へ向かうのだった。