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時を駆ける昔話6
60年が過ぎ、2人とも白髪に。
浦島は漁師から、樵になっています。
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第6話:桃から桃太郎
ある日、浦島は山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが洗濯をしていると。
プカプカと桃が流れて来ました。
「なんと大きい桃じゃ!?」
お婆さんは桃を陸に上げると、家へ転がして持って反りました。
「婆さん!大きい桃をどうしたんじゃ!?」
浦島は驚いて腰を抜かす。
「川から流れて来たんじゃ。」
お婆さんは包丁を持ち、2つに割りました。
「オギャア!オギャア!」
割れた桃から泣き叫ぶ赤子が出てきた。
「あらま!」
お婆さんは赤子を抱き上げる。
「儂らには赤子が
出来んかったから、神様の思召じゃ。」
2人は赤子に桃太郎と名付けた。
それからスクスク育ち、13年の月日が流れた。