時を駆ける昔話36
桃太郎達は、山を下り、晴一の家に…。
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第36話:お礼
「おかえりピョン。」
兎が出迎える。
「大岩はどうだったピョン?」
「うまくいったよ。」
桃太郎は成功した経緯を話した。
「晴一が起きたピョン?」
桃太郎は頷く。
「今はまた寝てるけどな…。」
兎はヒックリ返る。
「ダメだピョン…。」
こうして、その日は夜遅くまでお祝いをした。
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次の日、桃太郎と鬼達は、下山し田畑を見に行った。
「無事に水が流れてるようだな。」
桃太郎達を見つけた農家の人達が集まって来た。
「桃太郎さん、ありがとう。
これで、またお米が元気になります。」
桃太郎は首を横に振る。
「岩を壊せたのは、晴一の機転のおかげなんです。」
皆が驚く。
「えっ、寝太郎が?」
桃太郎は頷く。
「お礼を言ってやるなら、晴一に。」
皆が頷いた。
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晴一はまた寝ている。
(コンコン!)
兎が扉を開けると、鶴が居た。
「お久しぶりです。
晴一さんは居ますか?」
兎は慌てて扉を閉め、外で鶴と話をする。
鶴は娘に変わると。
「実は、鶴さんが出て行ってから、晴一は怠け者になってしまって…。」
娘は驚いた。
「そんな…。」
娘は膝から崩れ落ちる。
「でも、今日はどうしたピョン?」
娘の肩に手を置く。
「あれから、あの頃の生活が忘れられなくて。」
兎に笑顔を見せる。
「帰ってきたって知ったら、元気になるピョン!」
兎は扉を開ける。
「晴一、娘が帰ってきたピョン!」
晴一は目を開け、扉の方を見る。
「…。」
眠気眼でハッキリと見えていない。
「晴一さん、鶴です!」
娘が晴一に駆け寄る。
晴一は目を丸くして驚く。
「ど、どうして!?」
兎が寄ってきて。
「帰ってきたんだピョン!」
娘が頷く。
「晴一さん、前の様な働き者の晴一さんに戻ってください。」
娘が晴一の手を握る。
「で、でも…。」
娘が目を潤ませる。
「私を助けてくださった時のように…。」
兎が晴一の肩を叩く。
「また、炭を焼くピョン!」
晴一は首を横に振る。
「もう、何年もやってないんだ、炭を作れないよ…。」
兎が胸をポンと叩く。
「晴一が怠けてる間、狸と作ってたピョン!
だから、教えるピョン!」
晴一は頷く。
「私を『お鶴』と呼んでください。」
晴一はまた頷く。
「また頑張ってみるよ。」
晴一はお鶴を抱き締めた。
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夕方になった頃。
(コンコン!)
扉を開けると農家の人達が立っていた。
「晴一さん、ありがとう。」
晴一は何の事か分からず首を傾げる。
「桃太郎さんから聞きました。
岩を壊せたのは晴一さんのおかげだと。」
農家の皆が頷く。
「これは、農家の皆からのお礼です。」
米俵や野菜を沢山運び込まれた。
こうして、農家の人達は帰って行った。
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それから、晴一は兎の手をかりて、炭焼き職人として再出発しました。
「晴一、ここに並べるピョン。」
今日も兎の指導が続きます。
「晴一さん、お昼食べましょ?」
お鶴は、鶴の姿を晴一に見られても出ていかなくなり、晴一や兎と幸せに暮らしました。
全話を読んで頂きありがとうございました。
誤字脱字等も有ったかもしれませんが、他の作品も読んで頂くと幸いです。




