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時を駆ける昔話  作者: シグルド
36/36

時を駆ける昔話36

桃太郎達は、山を下り、晴一の家に…。


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


第36話:お礼


「おかえりピョン。」


兎が出迎える。


「大岩はどうだったピョン?」


「うまくいったよ。」


桃太郎は成功した経緯を話した。


「晴一が起きたピョン?」


桃太郎は頷く。


「今はまた寝てるけどな…。」


兎はヒックリ返る。


「ダメだピョン…。」


こうして、その日は夜遅くまでお祝いをした。


━━━━━━━━━━


次の日、桃太郎と鬼達は、下山し田畑を見に行った。


「無事に水が流れてるようだな。」


桃太郎達を見つけた農家の人達が集まって来た。


「桃太郎さん、ありがとう。

これで、またお米が元気になります。」


桃太郎は首を横に振る。


「岩を壊せたのは、晴一の機転のおかげなんです。」


皆が驚く。


「えっ、寝太郎が?」


桃太郎は頷く。


「お礼を言ってやるなら、晴一に。」


皆が頷いた。


━━━━━━━━━━


晴一はまた寝ている。


(コンコン!)


兎が扉を開けると、鶴が居た。


「お久しぶりです。

晴一さんは居ますか?」


兎は慌てて扉を閉め、外で鶴と話をする。

鶴は娘に変わると。


「実は、鶴さんが出て行ってから、晴一は怠け者になってしまって…。」


娘は驚いた。


「そんな…。」


娘は膝から崩れ落ちる。


「でも、今日はどうしたピョン?」


娘の肩に手を置く。


「あれから、あの頃の生活が忘れられなくて。」


兎に笑顔を見せる。


「帰ってきたって知ったら、元気になるピョン!」


兎は扉を開ける。


「晴一、娘が帰ってきたピョン!」


晴一は目を開け、扉の方を見る。


「…。」


眠気眼でハッキリと見えていない。


「晴一さん、鶴です!」


娘が晴一に駆け寄る。

晴一は目を丸くして驚く。


「ど、どうして!?」


兎が寄ってきて。


「帰ってきたんだピョン!」


娘が頷く。


「晴一さん、前の様な働き者の晴一さんに戻ってください。」


娘が晴一の手を握る。


「で、でも…。」


娘が目を潤ませる。


「私を助けてくださった時のように…。」


兎が晴一の肩を叩く。


「また、炭を焼くピョン!」


晴一は首を横に振る。


「もう、何年もやってないんだ、炭を作れないよ…。」


兎が胸をポンと叩く。


「晴一が怠けてる間、狸と作ってたピョン!

だから、教えるピョン!」


晴一は頷く。


「私を『お鶴』と呼んでください。」


晴一はまた頷く。


「また頑張ってみるよ。」


晴一はお鶴を抱き締めた。


━━━━━━━━━━


夕方になった頃。


(コンコン!)


扉を開けると農家の人達が立っていた。


「晴一さん、ありがとう。」


晴一は何の事か分からず首を傾げる。


「桃太郎さんから聞きました。

岩を壊せたのは晴一さんのおかげだと。」


農家の皆が頷く。


「これは、農家の皆からのお礼です。」


米俵や野菜を沢山運び込まれた。

こうして、農家の人達は帰って行った。


━━━━━━━━━━


それから、晴一は兎の手をかりて、炭焼き職人として再出発しました。


「晴一、ここに並べるピョン。」


今日も兎の指導が続きます。


「晴一さん、お昼食べましょ?」


お鶴は、鶴の姿を晴一に見られても出ていかなくなり、晴一や兎と幸せに暮らしました。

全話を読んで頂きありがとうございました。

誤字脱字等も有ったかもしれませんが、他の作品も読んで頂くと幸いです。

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