時を駆ける昔話35
鬼達は、縄を掛ける。
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第35話:晴一の機転
「うんしょ、うんしょ!」
縄を引いてもビクともしません。
「周りを掘ってみたらどうだ?」
桃太郎の指示で鬼はスコップを持ち掘っていく。
(ザック、ザック!)
周りを掘っても岩の底が見えません。
(ザック、ザック!)
更に掘り進めていきます。
「桃太郎さん、また引っ張ってみては?」
桃太郎は頷き。
鬼達は、また縄を使い引っ張ってみる。
「うんしょ!、うんしょ!!」
しかし、ビクともせず、動く気配がありません。
「少し休憩しよう。」
桃太郎の号令で、鬼達は集まり休憩を取る。
「ビクともしませんね。」
鬼は考え込む。
「まあ、堀続ければ、動く可能性はあるはずなんだけど…。」
桃太郎は地面に絵を描いて説明をする。
「ん、ここはどこだ?」
晴一が突然目を覚ました。
「ここは、カチカチ山の湖だ。
お前も岩を動かすのを手伝え。」
晴一は大岩を見る。
「動かないなら割れば良いんじゃ?」
周りがキョトンとする。
「いやいや、晴一岩をどうやって割るんだ?」
晴一はスコップの横にある鍬を持ち、岩の前に立つ。
「えいや!」
晴一は振り翳し岩に下ろした。
(カーン!カーン!)
金属音と共に岩が欠ける。
(カーン!カーン!)
晴一は何度も振り下ろす。
(カーン!カーン!ゴロッ!)
大きな岩の欠片が落ちる。
桃太郎と鬼達は唖然と見ている。
「これじゃあダメかな?」
晴一は鍬を置き、桃太郎達に聞く。
「オー!!」
鬼達が雄叫びをあげる。
「晴一、良くやった!」
桃太郎は晴一の頭をポンと叩き誉める。
「晴一のやったように、叩き壊すんだ!」
鬼達はスコップと鍬を使い壊していった。
(ドドドドー!ザザー!)
岩が崩れ、湖の水が流れ出ていく。
流れが川となり、枯れた川と合流し、田圃に水が張られる。




