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時を駆ける昔話  作者: シグルド
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時を駆ける昔話21

トリィと一緒になってから半年が過ぎ…。


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


第21話:山鬼の影


女中さんに頼まれた『胡椒』を買いに、寧姫とトリィを連れて町までやって来た。


「誰かに見られてるような…。」


少し離れた所から、影が…。


「『胡椒』は有りますか?」


桃太郎が店主に聞く。


「桃太郎さん、今日も姫様とお出掛けですか。」


桃太郎は頷く。


「今日は女中さんの手伝いも兼ねてな。」


店主は胡椒を袋に詰めながら話す。


「最近は『鬼』が出ますんで気を付けて。」


桃太郎はカウンターで立上がり。


「『鬼』って、鬼ヶ島の!?」


店主は首を横に振り。


「いや、山奥に住んでる山鬼ですよ。

人を拐って働かせてるみたいですぜ。」


桃太郎は先程の見られている感じが脳裏に浮かぶ。


「大丈夫かしら…?」


寧姫も不安を覚えつつ店を後にした。


━━━━━━━━━━


店を出て橋の中程に差し掛かった時。


「そこのチビ侍を置いていけ!」


2匹の鬼に挟まれる。


「お前達が山鬼だな!」


桃太郎は寧姫の前で刀を構える。


「桃太郎さん!」


寧姫が動くのを見て首を横に振る。


「姫様、そこに居てください!」


トリィが寧姫の後ろを守る。


「姫様を守るケン!」


山青鬼が笑う。


「がはは!鳥のクセに威勢がいいな!」


トリィは跳ねて威嚇する。


「とりゃー!」


桃太郎は山赤鬼に斬りかかる。


「チビのクセに素早いな。」


しかし、桃太郎は山赤鬼に摘ままれる。


「桃太郎さん!」



山赤鬼は大きな口を開けて食ってしまう。


「桃太郎さーん…!」


寧姫は崩れ落ちる。


━・━・━━・━・━


一方後ろでは。


「ケーン!」


トリィは飛び上がり、山青鬼の後ろに廻り突きまくる。


「痛たた!?」


更に、角を鷲掴みにして折る。


「鬼は角が弱点ケン!」


トリィは角を2本とも折ってしまう。


「つ、角がー!」


山青鬼は頭を抱えて踞る。


━・━・━━・━・━


「あ、青鬼!」


山赤鬼が、崩れ落ちた寧姫の横を通り山青鬼の所へ。

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