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時を駆ける昔話1
昔々、浦島太郎と言う漁師が居ったそうな。
しかし浦島は、ぐうたらで、漁に出るのは月に一度、殆ど家で寝転がる毎日である。
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第1話:|亀《かめ》
「久々に漁に行こうかな。」
浦島は起き上がり、釣竿と籠を持ち海岸に向かう。
海岸に着くと、亀と亀を虐める子供達が居た。
「やいやい、顔出せ足出せ尻尾出せ。」
子供達が木の枝で亀を突付く。
「これこれ、亀を虐めちゃいかん。」
子供達は浦島の言葉を無視して続ける。
「やいやい、顔出せ足出せ尻尾出せ。」
「これこれ、お菓子をやるから、亀を解放してやりな。」
子供達は、浦島が出したお菓子を受け取り、何処かへ行った。
「よしよし、今度から気を付けるんだぞ。」
浦島は亀を海に帰してやる。
亀は、海の上から振り向きお辞儀をして海に潜って行った。
「さあ、魚を撮るかな。」
それから半年の月日が流れ…。
浦島が久々の漁に出掛けたある日、亀がヒョッコリと顔を出す。