3 異世界初上陸!
「んー……」
目が覚めるとそこは
……知らない天井だった。
ってこれって天井なの?背中痛いし揺れてるし。これ馬車的なやつじゃない?
「おー、起きてる起きてる」
ザ・モブ顔のおじさんが近づいてきて言っている。あ、今コケた。まあ揺れてるししょうがないよ。いや、口笛吹いてやってない風を装ってるんだけど。
「それより、体は大丈夫かい?」
「ええ、大丈夫です。てか何で俺ここにいるんですか?」
1番気になるところだな。テキトーに場所指定するからとは言われたけど、こんなとこは無いよな。
「えと、1時間ぐらい前に道に倒れててな。俺は商人をやってるんだが前の町であまり仕入れられなくて場所が空いててせっかくだからってところだ」
普通にいい人じゃん。道のど真ん中に転生させるクソじじぃに比べて。
「そうだったんですね。ありがとうございます」
「あ、俺の名前はギースだ。これからよろしくな!」
「アレフです。こちらこそよろしくお願いします」
テンプレのような会話をして暫く自由にしていいと許しを貰った。気のいい人で良かったなあ。
よーし!とりあえずステータスチェーック!
右手を突き出し少し力を入れると半透明な色々書かれた画面のようなものが現れた。
ついでに右上に『スキル[魔法:ステータス閲覧]を取得した』と出て来た。魔法なのか。
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ステータス 進化先 スキル・ステータスポイント
《種族名:アレフ族》
〈個体名:アレフ〉
Lv.1/145
状態異常:無限
HP:420
MP:420
物理攻撃力:210
物理防御力:210
魔法攻撃力:210
魔法防御力:210
スピード:210
精神・神経:210
種族スキル:【願い事】
固有スキル:【遺伝子操作Lv.1】
スキル:[魔法:自己鑑定]
称号:〔転生者〕〔勇者〕〔魔王〕〔魔獣王〕〔無限の塔に挑むもの〕
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ふむふむ……ふざけてるな。
気になるところが沢山ありすぎる。
まず種族名、アレフ族って何?ねぇ。人族が良い所でしょ。
次、状態異常:無限。?、何?、?、誰か助けて。
「あー、後1時間ぐらいで昼食に……するから聞きたい事があったらそこで聞いてくれ。」
悶絶してた時に急に入って来るからギースさんひいてるよ。見て見ぬふりをしてくれ。
「分かりました」
聞きたい事かあ。今の所は俺のステータスが高いか低いかかな。凄い低いかったら泣くかもしれないけど。
さて、次はスキルだね。種族スキル、ワケワカメ。固有スキル、なんか怖い。スキル、そこは元々無かったんだね。
次、称号。勇者、なんか嬉しいな。魔王、おいおい俺っちがそんな事するとでも?魔獣王、誰だよ。サーカス団長か?
最後、無限の塔に挑む者。無限の塔って何?俺そんな物騒なの行きたくないんだけど。
……はぁ。疲れる。もう、次いこ、進化先だ。
そして、上の方にある3つのタブの内の進化先の所を押す。
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ステータス 進化先 スキル・ステータスポイント
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進化元:無し
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現在:アレフ族
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進化先:勇者
魔王
魔獣王
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限界突破
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まあまあ、称号の影響だろうな。ほんのちょっとだけだけどまともで良かった。限界突破がちょっと気になる。進化方法とかも質問しようかな。
さあ、スキル・ステータスポイントだ。
同じ様にスキル・ステータスポイントの所を押す。
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ステータス 進化先 スキル・ステータスポイント
スキルポイント:0
ステータスポイント:0
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いや、0!?嘘だろ、なぁ。こう言うのって10万ぐらいあって最初からスキル大量みたいなのじゃ無いの?
……はぁ、ステータスだけでこんな疲れるか。分からない事が多いな。ちょっといじってみるかな。
もう一度ステータスに戻り、テキトーにいじってみる。…………おっ、出来たんじゃ無いか?
《アレフ族》の所を押す事で横に説明が出てきた。
『アレフ族は神によってエルティアに生まれた種族。種族スキル【お願い】を持っており、高いステータスを誇る。』
割と凄いじゃん。でもアレフ族多分俺1人なんだよね。エルティアはこの世界の事かな?そして、神はあのじっちゃんかな?高いステータスか、ちょっと安心だな。
状態異常:無限か、説明カモン。
『状態異常:無限は、無限の塔に挑戦する事を強制される状態異常。解ける事は無く、あらゆる選択で無限の塔に挑戦するように誘導される。』
怖い怖い怖い。あのじじいだよな?怖いよ。
一旦忘れよう。
HP、MP等の説明はまあ予想通りかな。
重要なのはHPが無くなると死亡。
MPが無くなると一時的なステータスダウン。
攻撃力、防御力全般は平均なので部位によって変わる。
スピードは加速や最高速度諸々含めてこの数値。
精神・神経は精神攻撃耐性、精神的に強くなる。恐怖耐性とか、諦めないぞ的なのかな?後、神経系の強化つまり感覚器官から入ってきた情報を脳まで届ける時間、そして脳から出た指令を筋肉に伝えるまでの時間が早くなるらしい。もう生物じゃ無いね。
種族スキルはその種族が生まれた時に必ず持ってるスキルだって。因みに【願い事】の説明は
『種族スキル【願い事】はアレフ族の先祖が神にお願いしたため、神が直々にアレフ族に授けたスキル。能力は、ステータス強化。個人差はあるが人族の5倍から100倍ほどになる。』
覚えがないんですが。お願いなんてしたっけ?それに5倍から100倍って個人差ありすぎなんですが。100倍だと良いな。まあ良さそうなスキルだし気にしない気にしない。
次の遺伝子操作が意外と気になるな。早速ポチッと。
『固有スキル【遺伝子操作】は、自分または相手を遺伝子操作するスキル。まず、死亡した相手から遺伝子情報を得て、それを使い自分または相手を遺伝子操作して合体させる。相手の場合は、ステータスの差によって成功率が変わる。合体した場合、その合体したもののレベル上げも行え、進化も出来る。自分の場合は、スキルレベルと同じだけの遺伝子情報を自分にスタックでき、同時にスキルレベルの2分の1(小数点切り上げ)の種類の生物と合体できる。』
難しい!難しい!えーと、つまりよく分かんない。
殺してDNA盗って他のに合体ってこと?自分の遺伝子操作も複雑だなー。持ち枠は最大10個で1度に最大5個まで合体かな?もーいーや。次!
スキルはその事をやったらそれに相応するスキルをゲット出来ると。[魔法:自己鑑定]で説明すると、自己鑑定をしたらかゲット出来たって事か。簡単だな。
因みに[魔法:自己鑑定]はステータスのチェック。まあ、今やってる事だね、が出来ると。
称号の〔転生者〕は、転生した人にあるって。効果は全言語の翻訳。便利、その一言に尽きるね。
称号の〔勇者〕〔魔王〕〔魔獣王〕は、ネタ。絶対ネタ。効果は進化先にそれぞれが増える。これはまだ良い。ただ次だ。まず勇者。全ての魔人族と魔王に対して喧嘩を売るような言葉を言うと一時的なステータスの上昇。はい、ネタですね。ただの雰囲気づくりですね。因みに魔王は人族と勇者に対して、魔獣王は魔物、魔獣以外の全生物に対してだった。
最後に、〔無限の塔に挑む者〕。なんか緊張する。
『称号:〔無限の塔に挑む者〕は、状態異常:無限がついた者に送られる称号。効果は、無限の塔に挑もうとすればするほどステータスが上昇しやすくなる。』
良いのか悪いのか分からん。あのじっちゃんのせいぜい頑張るんじゃのう。みたいな声が聞こえてきそうだ。
次
は進化先だな。進化先の欄に行って勇者をポチッとな。
『勇者は、人族の繁栄させる為に魔人族、魔物、魔獣に立ち向かう者。それらに対する攻撃力が非常に高くなる。進化条件は称号〔勇者〕を持っている事と、無限の塔最上層のアーティファクトを手に入れる事。』
出て来ました無限の塔。怖いです、トラウマになりそうです。次行きます。
魔王、魔獣王は勇者の相手が変わったのと、魔王は無限の塔の最下層。魔獣王は無限の塔のとある場所。隠し要素みたいなものか。
アーティファクトを聞いてみないと分からんな。普通なら宝石とか武器とかだろうけど。
限界突破は、最大レベルになっても進化条件が揃わなかった場合、またレベル1に、なれるというもので、ステータスは多少下がるが、最終的には2倍程にまでなるらしい。因みになんでかは知らないが3回までしか出来ないって。それでも8倍まで上がるって凄いな。
スキル・ステータスポイントは見たくも無いが、する事が無くなったのでしょうがなく見ることにした。決してちょっと気になったわけでは無い。決してだ。
相変わらず出て来る0の数字が少しむかつく。
ステータスポイントは割り振る事でレベルアップ時のステータス上昇にボーナスが付くと。どれかカンストさせたらかっこいいな。やらないけど。
スキルポイントは持って無いスキルを強制的に手に入れる。もしくは持っているスキルのレベルを上げられるだって。スキルにも向き不向きがあるらしく、不向きなものは、とんでもない量のポイントを取られると、まあ、こっちは取られるポイントが全くないですけどね!
とりあえず決まったのは最終目標は無限の塔になるかな。無理矢理決められたみたいな感じだけどね。
よし、頑張るか。
……それで、無限の塔って何?




