第1話 荒れていたあの頃
序章
「はぁ~」
私はブッタ。今年で850歳になる
「族長~」
ドラゴン族の族長をしてもう300年になるかな。
「族長!聞いてますか!?」
あぁ秘書を困らせてしまった。もう歳か。
「あの書類は出来てるんですか?」
「ああ、出来てるよ。」
私が書類を手渡すと秘書は嬉しそうな顔をした。
「はぁ~今日の仕事はこれで終わりですね。所で、どうして毎日そうやって笑っているんですか?」
「気になるかい?」
「えぇ、是非ともここは秘書ではなく、孫として聞きたいですね。お祖母様。」
「そうですね。ミチル。」
私は一息ついた。
「これは305年前、私がまだブッタと名乗る前の事・・・」
第1話 荒れてたあの頃
私は族長の一人娘として生まれ、次期族長と言われていたが、
世代交代まであと5年になった時、私は荒れていて、次期族長の座も危うくなっていた。
そんなある日、私は仕事を変わりにしてくれる使い魔を呼び出そうとしたが、儀式に失敗して、逆に自分が何処かに飛ばされてしもうた。
私は違う世界に飛ばされた苛立ちでより一層暴れた。
どうやらそこは人間達の世界らしく、軍隊なんかも来たが、軽く薙ぎ払ってしまった。
暴れては寝る生活を繰り返していると、ある日、髪の生えていない、にこやかな人間が話しかけてきた。
「龍よ、そこで何をしているのですか?」
「それはこっちのセリフだ!私に何用だ、お前ら人間にとって我は脅威であろう。」
「ふふふ、何故でしょうね?」
なんだこいつ、掴みどころがないな・・・腹が立つ。
「ええい、死んでしまえ!」
私は尻尾でその人間を潰した・・・・はずだった。
「ふふふ、どうしたんですか?」
「っな!」
私はまだ知らなかった。
このあと、この腹立つ人間と5年過ごし、人生を変えるターキングポイントになる事を。
この作品は不定期に更新していきたい思います