シンデレラの足
シンデレラの足
誰もが憧れるシンデレラの靴、あなたにもきっと見つかる!
「シンデレラはいいよね。」
律子は靴のコーナーにある看板を見て言った。
「なんで?」
「ガラスの靴が合う。」
「ああ、あなただけが合うイコールあなたは特別ってこと?」
「それがこの物語がこれまで続いた原因ではあるんだろうけど、いまはそうじゃなくて、あたしはシンデレラ以上に靴が見つからない!」
「ねー!なんでだろうね?上に合わせれば、横が合わず、横に合わせれば上が合わず。もう探すの、嫌なんだけど。」
「だから言ったじゃない、面倒だよって。今のこれだって紐で抑えているんだから。」
律子は自分の履いている靴を指さして言う。
「足が小さいわけでもないのにね。」
「足、普通サイズよ!それなのに合わないってことは、小さい足だけのシンデレラよりも探すのが難しいのよ!」
「作れば?」
「高いのよ!二つ作ったけど。」
「作ったの?」
「しょうがないでしょ?パンプスもハイヒールも合わないんだから、就職活動用兼葬式用を色違いで作ったの。でも日用にそれは使うのはもったいなくて。」
「確かに。」
「家で大人しく待っていても王子様が来てくれるわけじゃないから、自分で合う靴をさっさと見つけないと。一足でも完全に合うなら、色違いがなくても同じものをまとめて買うんだけど、ないのよねぇ。」
「シンデレラより深刻なシンデレラの足!」
「覚えてない?あたしらが子供のころ、ラメ入りの透明なのびるビニールで編んだ、みたいな靴が流行ったの。」
「そうだっけ?」
「忘れもしない!私だけ入らなかったんだから!クラスの女の子たちが羨ましかった!あの時からずっとスニーカーよ。」
「靴も王子様への道のりもまだ遠そうねぇ。」
「言わないで。」
律子はため息をついた。
「靴が見つからないと、王子も探せないから。」