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メイドさんの笑顔が壊滅級に可愛い件

 とりあえず勉強する事を決めたわけだが、

 ・・・・・・腹が減った。


 それに答えるように腹がぐうと鳴った。

 いきなり俺の腹が鳴ったので、ステラさんが吹き出した。

 おお、やっと笑ってくれた。笑った顔も可愛いなぁ。


 ステラさんはまた凄い勢いで頭を下げた。


「も、申し訳ごさいませんっ!!」


「い、いやそんなに謝るようなことじゃないだろ。気にしないでいいから。逆に俺は君にもっと笑って欲しいな。」


 きざっぽいセリフを思いっきり決め顔で言ってやったぜ。


 ・・・・・・なにこれめっちゃはずいんですけどぉおおおお!!!

 え?まじで?少女漫画とかラノベの主人公達はこんなのを素でやってんの?


 内心恥ずかしくて死にそうなのを必死に顔に出さないようにしていると、ポカーンとしていたステラさん


「本当にご主人様ですか?」


 と真顔で言ってきた。

 いや、前の俺本当になにやってたんだよ。

 記憶がないのが悔やまれる。


「記憶がないから別人って思っていいんじゃないか?

 前の俺はどうだったか知らないけど、今の俺はそんなことじゃ怒んないし。

 これから色々頼ると思うからそんなにこわがらないで貰えると助かるんだけど」


 また、俺の言葉をポカーンと聞いていたステラさんは


「なら、紅茶がまずかったからそれを私にかけたり、獣人だからって叩いたりしませんか?」


「・・・・・・マジで俺そんなことやってたの?」


 ステラさんは小さくコクっと頷いた。

 俺は唖然として言葉が出なかった。

 こりゃ、謝って済むもんじゃないな。

 くそ、まじで腹が立ってきた。前の自分をぶん殴りてぇ。


「ほんっとにごめん。謝って済むものじゃないと思うけど・・・。

 ステラさんが許してくれるなら俺の出来ることならなんだってやるよ。」


「ち、違うんです!ご主人様に謝ってほしかったのではなくて・・・。

 ただ、これからはあんまりひどいことしないでほしいなぁ。って思って」


 ステラさんは俯きながら消えてしまいそうな小さい声でそう言った。

 相当勇気を振り絞ったのだろう。肩が少し震えていた。


 ・・・俺、どんだけこの子を追い詰めてたんだよ。

 許してもらえるかは分からないけど、これから精一杯償っていこう。


 ステラさんには俺が本当の意味で別人な事を話した方がいいかもしれない。

 別人ってわかったら少しは楽になるかも知れない。

 前の俺・・・デイル オルグレンは相当ゲス野郎だったみたいだし、人格が消えたのは自業自得だろう。

 こんな可愛い猫耳メイドを傷つけた奴は召されてどうぞ。


「えっと、これからステラって呼んでもいいか?」


「え?はい。もちろんです。」


 ステラはきょとんとして頷いた。


「これから大事な話をするからしっかり聞いてくれ。

それと、これは絶対に他言無用で頼む。

 ・・・ステラは本当に俺・・・デイルって奴の中身が別人だって、言ったら信じるか?」


「・・・それは記憶を失っているから、という訳ではなくてですか?」


 少し考えて、ステラは答えた。

 それに俺は神妙な顔で頷く。


「ああ。俺はデイル オルグレンだが、そうじゃない。

 人格は今村和也・・・和也今村って言った方がいいのか?

 とりあえず、体はデイル オルグレンの物だが、人格は和也今村っていう別人のものだ。

 ・・・まだ俺自身も信じられないんだけどな。」


「ご主人様・・・デイル様の人格はどうなったんですか?」


「多分消えたんだと思う。

 だから、前の記憶はないし文字も読めない。

 こんなことなら記憶くらいは残っていた方が良かったな。」


 冗談めかして言ったら、ステラは微笑んで


「・・・ご主人様が別人なのかもってことは少し分かっていました。」


 その微笑みが本当に天使のように見えて見蕩れてしまった。

 やばい。マジで惚れたかもしれない。


 それをごまかすようにステラに聞いた。


「どうして分かったんだ?」


「ご主人様はご自分の事を俺、と呼んでいませんでしたから。

 ご主人様の一人称は僕、でした。」


 なんだそんなことか。

 だが、今更僕に変えるのも嫌だな。

 記憶喪失だからってゴリ押しするか。


 そんなことを考えていると、忘れていた空腹を腹が訴えてきた。


 ぐうという音を聞くと今度はステラは声を上げて笑った。


「あはははっ!すぐに食事をご用意しますね。」


 小走りで部屋を出ていった。


 俺はステラの笑った顔を見て、顔を真っ赤にしていた。

 俺はどうやら本気でステラに恋してしまったようだ。












読んで下さりありがとうございます。

おもしろかったらコメントやブックマークをよろしくお願いします。


別の小説も載せているのでよかったら読んでみてください

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