日本国憲兵学院
俺達が通う「日本国憲兵学院」は、小・中・高・大までの年齢の人が居る凄く規模の大きい学院だ。
それもそのはず、代々受け継いで親が行っていたのなら、子供をこの学院に入れるのは普通だろう。
それに、珍しい例をあげるとすれば「日本を守りたい」とか「誰かを守りたい」と言った、守る為に入学する子供も居る。
だが、そんな子供に限って“後悔”をすることが多いのだ。
何でこの学院に入ったんだと、後悔する子供は決まって途中で止めてしまう、所謂“中退”と言われる事をする子供がいる。
だが、そんな子は決まって“ある条件”があるのだった。
この学院は、生徒にも関わらず任務には必ず“礼金”が支給されることがある。
だが、中退をする者は礼金をもらうことができない制度になっている。
そして、中退をする生徒はあることが決まっている。
それが皆には分かるだろうか?
多分、想像はついていると思うが、最低ランクに格付けされているのだ。
最低ランクと言うのは、Zランクの事であり、Zランクが半年も続けば止めさられると言う制度があり、それをしたものは、ランクに応じた序列金と呼ばれる物を貰えず止めさせられるという制度になっている。
その為、Zクラスと言うことが分かれば止めてしまう生徒が増えつつあるのだった。
だが、俺は違うはずなんだ。
これから頑張ると誓っているからな。
でも、それは覆される事となるとは思わなかったさ。
「そろそろ、行かないとな」
朝7時45分、俺は寮を出るのが日課になっている。
だが、今日は7時30分に出なければならない。
なぜなら、入学式と始業式があるからだ。
ちなみに今日は4月1日だ。
この学院は、入学式・始業式、終業式・卒業式の時だけ何故か時期が早い。
それは、昔からの決まりと言われているが正直困る。
ちなみに、俺の自己紹介をしておこう。
名前は飛龍 聖夜、高校1年生だ。
転校した身分の為、噂でしか聞いたことがない為、学院がどんな感じなのかと緊張してる自分が居る。
ランクは入ったばかりの為、Zランクに位置する。
武器は、太刀を二本所持している。
飛龍一刀流と言う流派の初伝を授かっている。
正直、勉強は不安である。
これからどんな学院生活になるのだろう。
「さて、急ぐか」
俺は全速力で学院に向かうことにした。
ちなみに、苗字と同じ流派の理由は、家が道場をしている為、俺もそれに興味を持って授かっているだけなんだ。
まあ、あくまで初伝の腕前のためうまくはない。
いつか、中伝を授かったらいいかと思ってる。
「やっと、着いたな…」
ようやく、俺が通う学院「日本国憲兵学院」に到着した。
一体、どんな学院生活になるんだろ。
ちなみに言い忘れていたが
何故寮から出て、時間を掛けてこの学院に来たのかと言うと。
寮とこの学院は離れているからだ。
30分くらい掛けないといけないがそう苦しくはない。
何故なら…、無料バスがあるからだ。
学院に入学すれば無料でバスを使えるみたいだ。
無料でバスを使えるって、便利じゃないか?
ちなみに、寮は自分の部屋であれば家具とかも自分流に置いたり、普通の家のように出来る。
しかも、寮の寮賃も3LDKと大きく5万円で住める。
良いこと尽くしと思うが、そうでもないみたいだ。
学院に行けば地獄と言う噂を聞いている。
どんな地獄なのかとかそんなのは知らない。
ちなみに、実地任務とかするらしい。
正直今まで、普通の中学に行っていたから、どんな感じなのかも知らない。
とにかく、大変ってことは変わらないのだろう。
普通の中学でも大変だったんだし、高校はもっと大変なんだろ。
とにかく、入学式を終わらせない限り先が始まらない。
「そう言えば…」
俺は、学院の案内書を読む…。
「入学式の後の始業式の次の…」
そう、言葉を詰まらせたんだ。
普通の学院ではないこの学院だからこそなのかもしれないけど…。
「始試験って何なんだ」
この事だけが俺の心を揺さぶった。
始試験…
多分だが、そのままの意味なのだと思う。
正直、試験と言われて「はい、分かりました」なんて簡単には肯定できない。
多分皆も乗り気じゃないだろ?
確かにここ(学院)に来たからには、そう言うこともするとは思う。
でも、今日からいきなりするとは思わなかった。
それになにも言われていなかったしな。
さすがに、誰だって文句を言うしかない。
でもこの学院に来たからには、文句も言ってられないか。
それに、入学式がそろそろ始まる訳だ。
「急ぐか」
俺は、少し足早に体育館に急いだ。
「さすがに、大きいな…」
敷地面積は、アホみたいに大きく迷いそうになる。
東京ドーム約128個分とか言われてる。
ちなみに、寮も敷地に入っている。
「やっとついた…」
そう疲れはしないけど…、これだけでかい敷地には戸惑う。
「全部の施設を覚えるのは時間がかかりそうだな…」
とにかく、後5分しかない為体育館へ入ることにした。
だが…
「なんだ…ここは…」
俺は、呆然と立ち尽くすのみだった…。
その大きさに…
見た目よりも遥かに大きなこの体育館…
国際競技場やスタジアムとかよりも遥かに大きい。
流石と言うべきか、どうしてこんなに大きいのやら…
「自分の場所に座っとくか」
始業式と言うことで、俺は高校1年生と書かれている看板の横に位置されている椅子へと座る。
もうそろそろ入学式が始まると言うことで、騒がしくなっている。
その点俺は、知り合いと言えそうな人が居ないため、静かに始まるのを待つしかない訳だけど…。
考えたら、やっぱり一人ってのは悲しい…。
知り合いを誘えばよかったかな…。
と考えていると…
「あの…、すみませんが通らせてもらえますか?」
「んっ?」
一人の女の子が俺に話かけてきた。
どうやら椅子と椅子の間が狭いため、さらに俺が座っており通りにくい為、通してほしいとのことだった。
「ああ、すまないな邪魔して」
「はい…」
その女の子は俺より低い感じだった。
身長の割りに気弱な女の子みたいだ。
ちなみに、俺の身長は前測った時に186だった為、女の子としては高い方かと思ったけど、以外に近くに来ると低かった。
「って俺は何を考えてんだ…」
俺は、首を左右に振り忘れることにした。
そして、それから5分後になり入学式が始まろうとしていた。
だが、この後に何かが起こることなんて思いもしなかった…。
そして、8時20分に入学式が始まった。
「皆様、ご入学おめでとうございます!
今年から新たな学院生活を遅れますよう願い
たいと思います。
私は本校の校長、末松 玄三郎と申します。
これから3年間の人も9年間の人もよろしく
お願いします」
そんな、事を校長が言った。
普通の学院より、全然雰囲気が違うような校長だ。
それに、雰囲気も違う。
なんというか…、ここならではの戦闘等では最強としか言えない感じだ。
まあ、校長が弱かっても困るけど…。
強すぎても困るんだけどな…。
「それでは、これで入学式を終わります」
そうマイクで言われるまで、ボーッとしてたと思う。
自分の世界に入ってる場合じゃないな…。
とにかく、俺は席を立つことに。
「これより、体育館の前にクラスと寮の部屋を発表しますので、少しお待ちください」
どうやら、今まで俺が居た寮はあくまで仮寮だったみたいだ。
「もう少し待つしかないな…」
そうして、5分後…
「では貼り出しましたので、体育館を出て
ください。
昼過ぎには、始業式を始めたいと思います」
昼過ぎには、始業式か…。
なんか初日から疲れるな…。
まあ、しょうがないのかもな…。
さてと、体育館に出てクラスと寮の部屋を知らないとな。
そして俺は、体育館を後にした。
俺は、体育館近くのクラスと寮の部屋を発表されているため、見ることにした。
「1年18組の部屋番号は、18-213号室か」
寮も大きいのは知ってるけど、これだけ大きいとどんな感じなのか検討さえもつかないな。
まあ、とにかく自分の部屋番号も分かったから行くとするか。
「そう言えば、この後昼には始業式があって、始試験何てあったっけ…」
始試験。
聞いただけでだらけてしまうような、そんな呪いの言葉だ。
まあ、この学院に入ったからにはしょうがないか…。
「昼まで休むか」
俺は、その言葉を言った所で入学式の時の事を思い出した。
あの女の子は、一体何組になったんだ?
まあ、俺がそんなことを考えても意味はないけどな。
知り合いでもなかったしな。
でも、あの女の子も俺と同じく、友達がまだ居ない感じだったな。
まあ、今はまだ友達が居ないわけで、これから作ればいいよな。
焦りは禁物だしな。
「さて、自分の寮に行くか」
俺は、体育館の近くを離れて、自分の寮に行くことにした。
また、昼には始業式のせいで体育館に行かないと行けないしな…。
さすがに遠かった…。
やっぱり、面積広いと大変だな…。
「40分も歩いたのかよ…」
何km歩いたんだろ…。
5㎞は歩いたような気がする。
とにかく、第1-18学生寮へ到着した。
中に入ってゆっくりするか。
そう言えば今思ったんだが、人数が多いこの学院にちゃんと全員分の部屋があるのか?
そんな事を思ったんだけど…。
ちゃんと皆の部屋番号くらい見といた方がよかったか?
まあ、下手すれば変態って思われそうだし止めとくか。
そして、213号室に到着した。
その隣には表札のようなものを発見した。
黒科 姫夏と書かれていた…。
これ…普通に考えて…女の子の名前じゃないか…?
まさかの、女の子と同じ寮の部屋とか聞いてないぞ!?
でも、訴えた所でその子に迷惑かけるか…。
しょうがない、こうなったら仲良くはしないとな。
そうじゃないと、この生活を普通には出来なくなる…。
さて、入るか…。
開けるぞ…。
ガチャっ!
「んっ?」
「えっ?、もしかして」
「お前は…」
俺は、この子に覚えがある。
入学式で始めに声を掛けてきた女の子だ。
どうやら、同じ部屋の人はこの子みたいだ。
「君が同じ部屋の人なのか?」
「はい、多分…そうだと思います…」
この子は人見知りなのか、俺から視線を遠ざけてる。
まあ、まだ会ったばかりってのもあるかもしれないか…。
まあ、しょうがないことだよな。
「そう言えば、名前言ってなかったな。俺は飛龍 聖夜。よろしくな」
「はい。私は黒科 姫夏です。よろしくお願いします…」
やっぱり、目を遠ざけられてる…。
なんか俺は、悪いこととかしたっけ?
してないよな…。
意味のない心配をしてしまったな。
「黒科さんの武器は何なんだ?」
「私は…双銃です」
双銃…。つまり、双剣の銃版ってことか。
両手拳銃とも呼ばれる部類の武器か…。
こんな女の子が、そんな事が出来るなんてな…。
人は見かけによらずとは言われるけど。
「飛龍さんの武器は何ですか?」
「俺は、日本刀だ。それの二刀流だ」
日本刀を二刀持って戦うスタイルだ。
少し、姫夏とは似てるな。
「昼まで何をするか」
「そうですね」
少しずつだけど、姫夏と話がまともに出来るようになったな。
この調子で話しとこうかな?
「そう言えば、そろそろ始業式だな」
「では、行きます?」
「それもそうだな。行くか」
「はい」
俺たちは、寮を後にして体育館へ行くことにした。
「そう言えば、始業式が終われば始試験って書いてあったよな?」
「そうでしたね」
「面倒だな…」
「まあ、試験ですからね」
試験っていい気がしないんだよな…。
テストはまだ、気楽に出来るけど…。
ここの試験は絶対、実技の事を指してるんだろうな。
まあ、テストだとしても初日からなんてしたくないな。
「着いたな」
「そうですね」
「体育館に入っとくか」
「そうしましょうか」
俺達は、体育館の中へと入ることに。
「座って待っとくか」
俺は、黒科さんと別行動をすることにした。
それにしても、まさか椅子が用意されてるとは思わなかったな。
なんか、自分の席を探すのは大変だな…。
「ここか」
「ここですか」
俺の声と重なるような形にして誰かの声が聞こえた。
「黒科さん!?」
「飛龍さんじゃないですか!?」
どうやら、同じクラスだったようだ。
もしかしたら、寮の部屋に関係してるみたいだな。
まあ、それが普通か…。
それで、俺達は席が近いため話していた。
すると…
バンッ!!
「なんだっ!?」
「きゃっ!?」
一発の銃発音が聞こえた。
「どこからだ」「一体だれが…」「逃げよう!?」
等といった声が聞こえる…。
そりゃそうだ…
『皆様に連絡いたします、ただいま教官が一人銃発され、倒れました。お気をつけください』
教員が撃たれたからな…。
こりゃ、ヤバいな…
「どうする?、飛龍くん…」
「どうするって…」
言葉に詰まる…。
でも、することは一つしかない。
「銃発したやつを捕まえるしかないな…」
「えっ?」
これ以上の被害は無くしたいしな