一話
寒い・・・・・・・寒い
いつまで寒いのか
大学に入って山岳部に入部し、初登山だったのに
どこの山だったか、国内か外国かそんな事も忘れてしまった
あの雪崩さえなければ・・・・・・・
もう何時間、何日たったのだろう
俺は死ぬのか・・・・・・・・・
あれ、何か聞こえるぞ
足音だ、救助隊か
「初めまして」
気づくと背広姿の男が俺を見下ろしていた
「さてこれから貴方に、二つの選択をして貰います
まず一つ、このままヒッソリとココでお亡くなりになるか
それとも我らと共に来るか選択をしてください」
「・・・・・・・・(口が・・・・動かな・・・い・・・)・・・・・・・」
「ああ貴方の思いを私に思い浮かべるだけで構いませんよ」
「俺は・・・・・まだ生きたい」
今俺は無機質な感じの部屋の中にいる
本当に何もない部屋である
そこに謎のダンディーな感じのおじさんと向かい合わせで座っている
まず俺が目覚めた時は、デッカイカプセルの中にマスクみたいな物を付けられ
全身を謎の液体漬けに成っていた
このダンディーオジサンの言う事には、手や足と体の一部が凍傷に罹り
壊死の始まっていた箇所を切り取り、切断した箇所の再生又は結合の治療を
していたらしい
その後この部屋で今後の事を話が始まった
「体の調子は問題無いかな」
「はい・・・・・・問題ありません」
「・・・・・・ではまず・・・・・何処から話した物かな」
「ああ・・・・・ええと、では私から質問とか聞いていいですか」
「ああ構わないよ」
「ここは何処ですか」
「ココかい、ここは質量の存在が無い世界だよ」
「はい」
「詳しく言えば次元と次元の狭間て言えばいいのかな」
「では俺は如何なって居るのですか」
「如何とは・・・・・・・普通に生きているよ」
「えっ」
「この狭間に私の力で隙間を作ってココでこうして話をしているのだよ」
「じゃあ貴方は何者ですか」
「むーう残念ながら私には名前が無いのだよ、第一人とこうして話したのも
久ぶりだからね」