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黒き魂を持つ銀髪の少年  作者: 神代零
3章 軍師を仲間に
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22.オーク軍団

新たな小説、『凄まじいデメリットに、不職業!?』も連載していますので、こちらも宜しくお願いします。

 


 風呂から出たイクスとリエルは魔獣狩りにラム村の周りを歩き回っている。イクスが貯めている魂は数がまだ少ないので、補充のために魔獣を狩るのだ。

 敵なら別に人間でもいいが、ここら辺に盗賊に山賊が出たという情報は聞かない。帝国の奴らはまだここら辺までは手を伸ばしていない。


「ここで出る魔獣は猿が多かったよな。名前はエンテーアだったな?」

「はい。ランク9ですが、繁殖が早い害獣です。村や街に人間がいても恐れずに攻めてくることもあります」


 訓練校に通っていたリエルは魔獣についての勉強を受けており、イクスよりも詳しい。

 歩き続けると、大きな牛が現れた。牛の魔獣であり、ランクは8になる。


「ランク8のアクスルフォアです!」

「ランク8か。リエルは手を出すなよ」


 ここは自分だけで問題はないと判断した。イクスは魔法を使わずにアクスルフォアを撃退するつもりで、鉄の棒を構える。




「ブォォォォォォォォォ!!」




 アクスルフォアは自慢のツノを前に突き出し、突進してくる。そのスピードはボアビッグよりも上だったがーーーー




「見える!」


 王国にいた頃は、守護七騎王という化け物達がいて、たまに指導してくれた時もあった。その人達よりも早いということはあり得なかった。


 イクスの狙いは身体を支えるためにある脚。腕を捻るように関節の限界まで回す。






「四ノ型”輪突”!」






 関節の限界まで捻った腕を解放し、鉄の棒に回転が加わる。その回転は突き出された瞬間に解放したため、最大限の威力を発揮することに成功していた。

 その力が乗った鉄の棒は脚を貫き、アクスルフォアはバランスを崩して転がり回った。


「死ね」


 隙だらけの牛に、三ノ型”地抉り”で地面を削りながら顔面にぶち込んだ。アクスルフォアの頭蓋骨が粉々に砕かれてーーーー死んだ。


「良し、次に行こう」

「もし、複数だった場合は私も加わりますね」

「出来るだけ殺さずに手足を破壊出来るか?」


 イクスがトドメを刺せば、魂を得るのでリエルには出来るだけ殺さないようにと伝えた。だが、


「もし、危ないと思ったら殺しても構わない。自分の命が一番大切だからな」

「それなら、大丈夫です。出来るだけ動かないようにしますね」

「ただ殺すより面倒かもしれないが、頼んだよ」


 イクスはリエルの実力ならランク8まではイクスの希望に答えられるだろう。

 そして、次の獲物を探しに行く。






 ーーーーーーーーーーーーーーー






「なぁ、この辺りではエンテーアが多いんじゃなかったか?一体も見えないんだが……」

「それはおかしいですね……、何かがあった?」


 今まで様々な魔獣と会ったが、数が多いと聞いたエンテーアが全く一体も現れないのだ。

 なら、何かがあったというのか?


「エンテーアを食料としている魔獣っていたか?」

「それは確か…………!?」


 リエルが何かを見つけたようで、言葉を切っていた。

 イクスもリエルの視線先を見てみたらーーーー


「なんで、オークが!?」

「数も多いな……、まさかエンテーアがいないのも?」

「はい、オークの主食がエンテーアなんです」


 これでエンテーアがいなくなった理由はわかった。だが、オークの軍団を放っておくことは出来ない。

 見るには、数は100体に近い。少し考えて、イクスは戦うことに決めた。


「え、やるの!?」

「ああ、魔法も使えばオーク程度ならやれる」


 ここでオークを全滅させることが出来れば、魂も結構増えるはずだ。まず、”魂の共鳴”にて身体能力を上げる。

 次に、数をさらに減らすために”滅びの喰翼”で三発も撃ち出した。




 ドオォォォォォォォォォォン!!




 当たった場所には小さなクレーターが出来ていて、攻撃に巻き込まれたオークは20~30体は消えていた。

 オークはようやくこっちに気付いて、怒りの雄叫びを上げながらこっちへ向かっていた。


「あわわわっ!」

「ここで多人数に対する練習にするぞ!この先の戦争では、この状況を何回も体験すると思え!」


 イクスはそう言いながら”死神の黒鎌”を発動して、向かってくるオークに対して前へ進んで大鎌を振るう。


「も、もう!」


 リエルは仕方が無いと言うように、槍に雷を纏い、囲まれないように動いて行く。オークの中にはリーダーという存在がいないからなのか、統率もなく、ただ突っ込んでくるだけだった。


(始めの一撃でリーダーは消し飛んだのか?なら、やりやすくなったな!!)


 思いがけない幸運で、単調になつわているオークの攻撃をいなして首を刈り取っていく。腰に巻いているマントのように大きくて白いスカーフで、さらに白い服装。それに対して武器は真っ黒に染められている。

 オークから見たら、こちら側の命を刈り取る白い死神のようにしか見えなかっただろう。

 また数体、首を刈り取ると生存者の中から逃走するオークが現れた。オークは他の魔獣と違って、知的は少しだけある。と言っても、武器を扱えたり危険だと理解したら逃げるぐらいだ。


 だが、イクスがそう簡単に逃がすわけでもなく…………


「ブモァッ!?」

「逃げるな。その魂を寄越しやがれ」


 身体能力が上がっているイクスにしたら、オークの走るスピードは遅すぎた。後頭部に鎌の刃が刺さっており、変な呻き声を出して死んだ。すぐに抜いて、周りにいたオークを真っ二つにして魂を奪っていく。


「しばらく寝てなさい!!」


 リエルの方は雷で痺れさせて、動けなくしていた。急所ではない手足を突き刺して、電流を流していく。あとで、イクスが殺せるように。


 殺戮とも言える状況がしばらく続き…………







 最後に立っていたのはイクスとリエルの2人だけだったーーーー





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