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1章 15話「Seeker」

めっさ遅れたわ(まあ待ってくれている人なんていないか・・・)

俺達は先回りされて出口につながる扉の前にあの化け物がいる


「どうする?」


「・・・ここから距離的にスタンしても間に合わない・・・」


どうする・・・

化物はこちらを見つめている

幸いにも化物はこちらにはまだ手を出していない

けれどもこれがいつまで続くかはわからない・・・

どうするか考えていると・・・


「・・・私が行く・・・」


「は?」


「ちょっと待て!魔法使い(リスナ)!」


「私がこの化物の習性を一番理解している・・・」

「・・・だから・・・私が行かないと・・・」


そう言いながらもリスナの足は震えていた


「今あんたが行ったら間違いなくあんたは4ぬ!」


「・・・」


バンの言う通り今のリスナは魔力がかなり減っていて撃てるとしてもせいぜい一発だ

更に魔力だけではなく体力までかなり減ってしまっている

今の状態で行くのは無茶だ―――!


「じゃあ・・・どうするの・・・」


「・・・」


できれば戦闘は避けたいのだがそれは厳しいかもしれない

かと言ってリスナでも半分もダメージを与えられなかったから俺達も厳しい

そう思ってると・・・


「・・・あくまでもこいつはまだ試作品なのだからあまり傷つけないでほしい」


どこからか聞いたことがある声がしてきた

するとあの化物の少し上に急に空間が開いたと思ったらモニター上の画面が浮かび上がった

そこには悪役でよくある黒いフードを被った人物が写っていた


「お前たちが今相手しているのはまだ試作品の段階だ・・・」


言ってることはあまり理解できないが声は低い方ではあったがどこか気分が高まっているようにも聞こえた


「どういうことだ!なぜこの化物を知ってる!それにお前は誰だ!」


「・・・少し落ち着け」

「そうだな・・・話さなければいけないことがいっぱいだ・・・」

「まず・・・最初の質問に対しては簡単だ・・・」

「・・・シーカーは私が作ったんだよ」


「どういうこと・・・あいつを作ったって・・・!」


リスナが声を上げた

その声には驚きや戸惑いなどがあった


「まあまあ落ち着けよ魔法使いさんよ」

「お前が驚く通りに生命を創る(つくる)ことは難しい・・・というより無理だ」

「生命を創る(つくる)なんて神の奇跡を使わない限り無理だ」

「だから私は(つく)ったのではない」

「・・・(つく)ったんだ・・・」


(つく)った・・・?」


「その通りだ」

「私は神の奇跡が使えないが科学を使える」

「このシーカーだってとあるアイデアを私なりに再現した結果だ」

「字としては英語のSeekerの方が正しいかね」


「あの化物の名前は―――」


目の前の化物―――Seeker(シーカー)は自らの主の指示を待ってるかのように佇んでいる


「そしてもう一つの質問だが・・・」

「それはまだ言えないな・・・」

「とりあえず・・・」

「K・・・とでも名乗っておこう」

「我々の目的は・・・まだ言えないな」


「お前らのことはよく分かった・・・」

「だが・・・お前らのことはどうでもよく大事なのは・・・」

「今この場をどう切り抜けるかだ―――!」


「その通り」

「君たちもわかる通りに出口の目の前にSeeker(シーカー)がいる」


「・・・どうする・・・」


(これまでのやつの行動は私が知ってる・・・私が行かないといけない)


(だがさっきも言った通りあんたがいま突っ込んでも意味がない)


(・・・突っ込みはしないわよ)

(策はあるけど・・・あなた達が体張ることになるわよ・・・)


(任せろ・・・壁には自信があるんだ)


(そう・・・)


バンたちには何か策があるみたい・・・


「そろそろ行くか・・・」

「やれ」


―――――――――


Seeker(シーカー)がこちらに走り寄ってきた


あいつ(シーカー)は手は大きくて攻撃範囲は広いけど速度が遅いからスキがある・・・」

「だからそのスキに避けて・・・」


Seeker(シーカー)がバンに切り裂こうとする

しかしバンは慌てず周囲を観察する


Seeker(シーカー)の爪が空気を切り裂く


しかしバンはSeeker(シーカー)の懐に潜り込み回避する


(攻撃はしない・・・)

(ただ・・・引き付けはする・・・!)


リスナから言われたことを守り攻撃はしてないが引きつけをこなしている


(やつには攻撃はほとんど通じない・・・)

(残念だけど今の私達じゃあいつ(シーカー)に到底叶わない・・・)

(だけど今の目的はここから脱出すること・・・!)

(あいつは見た目通りの脳筋・・・)

(それなら―――!)


「今よ―――!」


「へい!!」


バンがSeeker(シーカー)の攻撃をうまくかわしコロシアムの中央に移動した


(あとは・・・)


Seeker(シーカー)が突進の構えをした


(やはり突進―――!)


しかしその構えは一瞬だけで気づいたときにはバンに突っ込んでいた

想定よりも速かった


(速い―――!)


が・・・バンは慌てた様子なく横にスライディング―――!


バンは間一髪で猛獣の突進をかわした


バンのいた場所に止まったSeeker(シーカー)は次の攻撃に出ようとする


(今―――!)


中級土魔法(グラドーム)・・・!」


Seeker(シーカー)の周りの土が急にせり上がったと思ったらSeeker(シーカー)を囲い始める


Seeker(シーカー)は土の壁を破壊しようとするが土の壁は固く壊れてもすぐ再生する

やがて土の壁は上まで塞いでしまい土の牢獄に閉じ込めた


「今のうちに・・・!」


「・・・見事だ・・・」


リスナたちはコロシアムから脱出した―――!


―――――――――


「閉じ込めたけど長くは持たない・・・」

「今のうちに避難を・・・!」


「おう!」


今更だけど俺何にもできてない・・・


―――――――――


静寂のコロシアムにて―――


「まさか中級土魔法(グラドーム)を使い土の壁を作り出すとは驚いた」

「さすが魔法使い・・・と言ったところか」

「・・・が」


彼の目線の先には中級土魔法(グラドーム)から解放したSeeker(シーカー)がいた

表情は変わってないが気配から察していた


「改良はまだまだあるが・・・」

「こいつは成長するんだよ」



多分まためっさ遅れるわ

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