~決闘~ 前編
◇登場人物◇
カケル:物語の主人公
ルカ:カケルのクラスメイトで攻撃魔法が得意少し頭が悪い
ルナ:ルカの妹で支援魔法を使いこなす少し性格が悪い
カラネ:優秀な剣士気が強く芯の強い性格
―魔道演習場―
「では両者準備をしてください」
講師の呼びかけに応じ俺とカラネは演習場の中心に集合する。
(てかカラネさんなんでそんなに睨んでるの?)
俺の方を鬼の形相で睨みながら開始を待つカラネさん……正直凄い怖い……
「この決闘では『剣術』『体術』『魔法』どの攻撃手段を使ってもよい……そして勝敗は相手の降伏又は戦闘不能……この場合は気絶か死亡が妥当でしょう……その他監督する私が危険と判断した場合決闘を中止して優勢だった方を勝者とします」
(死亡って……何今から俺殺されちゃうの?)
「先生! であればその男を殺しても決闘内の事故になるということでしょうか?」
「そうなりますね……それくらい本気でやらないと決闘にならないでしょう」
(確認するまでもなく殺す気満々だった……)
ルールの確認を終えるとカラネはこちらを向きなおす……さっきより殺気が増してるのは気のせいだと思いたい。
「ルナはどっちが勝つと思う?」
「正直カラネさんに分があるわね……剣術と体術のみならあれにも僅かに可能性があったけどそこに魔法が加わると話は別よ……それにカラネさんは生粋の騎士の家系だし剣術でも大きく劣るとは思えないわ」
(そうなんだよな……まあ女の子相手に殺す気というのもどうかと思うしここはひとつ!)
「カラネさん!」
「黙れ! あんたと話すことはない!」
「まあ聞け! 俺は鬼狩りの一族の末裔だ……代々成人する前に鬼を狩り服従させ使役する……戦闘の際は鬼の魔力と自らを同期させて敵を討つ……その意味が分かるか? 魔力適正が無いのは事実だがそれが本来の実力だと思わないことだな……それだけ殺気を出しているんだ逆に切られても文句は言えないよな?」
「……」
俺の話を聞いてカラネの表情が一瞬曇る……不安か焦りかそれとも強者に牙を向けたことに対する後悔か……
「そろそろ始めますよ……では只今よりカラネとカケルの決闘を始めます! 両者悔いの無いように戦ってください……では開始!」
講師の合図とともに戦いが始まった。