~魔道の授業~前編
◇登場人物◇
カケル:物語の主人公
ルカ:カケルのクラスメイトで攻撃魔法が得意少し頭が悪い
ルナ:ルカの妹で支援魔法を使いこなす少し性格が悪い
―魔道演習場―
魔道の授業を行う演習場に到着すると視線が集まる。
クラスメイトは小声で何かを話しているが、気分のいい内容ではなさそうなので無視することにする。
「ルナ様! ルカ様!」
声をかけてきたのは、クラスメイトの……誰だったかな? まあいい大した問題ではない。
「こんな奴と一緒にいるなんてどうゆうおつもりですか!?」
「こんなやつとはどうゆう意味ですか?」
ルナが言葉を返す。
「2年前こいつが行ったことをお忘れですか!?」
「仮にあなたが言っていることが事実だとしたらこの男は処刑されているはずです!」
(何それ怖い……処刑されなくてよかった……)
「ですがこの男が討伐隊に召集されること自体が間違いなんです! 魔族を手引きし内部に取り入り遠征先で仲間を死に追いやった! そうでないと説明がつきません!」
「あらあなたそれ本気で言ってるのかしら? この無能に魔族が取り入る訳ないでしょ……それに討伐隊のメンバーを死に追いやるだなんで……これにできると思う? 実行して返り討ちに合うのが関の山よ」
(あの……二人の言い争うなのにむやみに俺を傷つけるの止めてくれない?)
名前が思い出せないクラスメイトが何か言いたげな表情をしているがルナが話を続ける。
「これ以上根拠の無い御託を並べるなら」
「もういい!」
ルナを制止する……これ以上の面倒ごとはごめんだ……ルナはこちらの意図を察したのか、口を閉じる……相手も不満気な表情を浮かべたままその場から立ち去る。
(俺がここまで絡まれるの過去が原因じゃないんだよな……)
俺はクラス中の男どもの刺さるような視線を感じながら集合場所へと向かう。