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エピローグ

ブクマ、評価をくださりありがとうございます!

とても励みになりました!

その後もセラフィーナは変わらず充実した日々を送っている。


レオナルドの貴公子が剥がれてしまったことを心配したが、最後に爆弾を落としたため“箝口令”は忠実に守られているようだ。


「手は回してあるからな」


レオナルドはいつものようにニヤリと笑っていた。



セラフィーナは毎日忙しく過ごしていた。

第二王子妃としてティターニアの代役にもなれるよう、王妃教育を続け、婚礼の準備をし、ユーリアスとともにレオナルドの補佐業務も担っている。


パーティー以降もレオナルドはセラフィーナを唯一だと公言し続け、セラフィーナは第二王子に溺愛された婚約者として皆から親しまれた。

特にレオナルドの部下達からは、セラフィーナの知識量に皆が脱帽し、尊敬の眼差しを送られている。



セラフィーナは日々レオナルドに身も心も愛され、美しさにどんどん磨きがかかっていった。

それを心配したレオナルドが「自身の宮から出ればすべて外部交渉にあたる」とよくわからない理由を無理やりこじつけて、グィード達を専属護衛につけてくれた。

騎士達とはすぐに打ち解けられたがレオナルドとの仲を冷やかされるのが恥ずかしい。



フィリアとは変わらず手紙のやりとりを続けていて、定期的にティターニアと三人でお茶会をしている。忙しいセラフィーナは二人と過ごす優雅な時間が息抜きの場となっている。



アレクセイとティターニアの仲もゆっくり進展しているようだった。

ティターニアの美しさは貴族のみならず平民からも絶賛され、国中から人気を集めている。自身の評判がいずれくるアレクセイの治世に役立つならと公務を頑張っている。



ロイズは相変わらず無表情でフィリアを囲っている。

時折二人を見かけると、無表情なロイズに何か囁かれたフィリアが照れていて、とてもかわいい。

隣で護衛してくれている弟のグィードが「なんすか、あれ」と呆れた顔をしているのでセラフィーナは笑った。



キャサリンとリサはなんと自ら侍女に志願してくれた。

学園を卒業したらキャサリンはティターニア、リサがセラフィーナの侍女につくことが決まり、二人は学園の休日毎に王宮で手解きを受けている。二人が側にあがってくれる日が待ち遠しい。



父ローレンとは変わらず距離を置いている。

卒業パーティーで一部始終を見ていたそうだ。涙を流し何度も頭を下げられたがもう終わったことだ。

掛ける言葉が浮かんでこないセラフィーナの代わりに、レオナルドが上手くとりなしてくれた。



モルガン家を継ぐことになったセディは、叔父夫婦と仲良くやっているそうだ。

一度ユーリアスに連れられ、セラフィーナに会いにきてくれた。以前に比べてかわいい笑顔を浮かべるようになったセディに嬉しくなった。異国の言葉も勉強しているようで、すでにレオナルドに目をつけられている。

セディにはぜひ頑張ってもらいたい。









そして今日、レオナルドとの結婚式だ。


真っ白なウェディングドレスに身を包んだセラフィーナを、皆が褒め称え、おめでとうと祝福の言葉をかけてくれる。隣にはタキシード姿の爽やかな貴公子レオナルドがセラフィーナの手をとっている。


お互いの姿を初めて見たとき、セラフィーナは思わず「なんてかっこいいの」と見惚れてしまい、レオナルドは目の色を変えてセラフィーナを抱きしめようとした。

もちろん双子に「「ドレスが崩れます!」」と叫ばれレオナルドはグッと止まった。




大聖堂での式のあと、レオナルドに横抱きにされ二人でバルコニーに向かう。

その先にはクレイズ王国が一望でき、眼下には大勢のクレイズ国民が集まっていた。


“バンザーイ!レオナルド殿下バンザーイ!セラフィーナ妃バンザーイ!”


「すごい!」

「そうだな。皆私達を祝ってくれている。手を振ってやれ」


セラフィーナが手を振るとさらに歓声が上がった。

レオナルドはセラフィーナを降ろし、腰に手を回す。


「これでようやくお前は私の妃になったな。どこに行きたい?」

「エメ様に会いたい!」

「言うと思ってエメレーンには書簡を送ってある。大歓迎だそうだ」

「本当?!」

「その後はコクーンの豊穣の祭りか。お前を紹介しに、各国回らないとな」

「ふふ!レオ様とならどこへだって行くわ!」


セラフィーナは嬉しくなって、体当たりでもしそうな勢いでレオナルドにぎゅっと抱きついた。


だって幸せなのだ。


ずっとずっと異国を回り続けたいと思っていた。その夢がまさに叶う。しかも大好きなレオナルドと一緒に。この先だってきっと楽しい毎日が待っているはずだ。


激しいタックルを軽々と受け止めたレオナルドは、弾けるような笑顔を見せるセラフィーナを見てククッと笑い、ぎゅっと抱き締め返す。


そして愛おしそうにセラフィーナを見つめた。


「セラ、愛している。この先もずっと」



真っ青な空の下、大歓声の中でゆっくり瞳を閉じた二人は、優しくて甘いキスをした。


以上で完結となります。

長い長い物語でしたが、少しでも楽しんでいただけましたなら、下の☆評価をいただけますと嬉しいです!


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かった。腹黒王子が甘々でちょっとトキメク!
[一言] おもしろかったです。読み始めたらやめられなくて、寝不足でした。エメ様の気持ちとのリンクのお月さまを見るシーンは堪らなく、よかった。 何回も読んじゃいました。よいお話、ありがとうございます。 …
[一言] 何回読んでもおもしろい。
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