#モノローグ 季節の訪れ
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桜が舞っていた。
ここの桜は樹齢何百年とも言われている歴史ある桜なのだそうだ。
そこまで歴史を重ねていけば当然、言い伝えみたいなのも付いてくるわけで。
やっぱりその正体は恋愛に行き着いたりする。
ただ咲いて、葉を茂らせ、冬になれば散っていく。その繰り返しのはずなのに、どうしても惹かれてしまう魔性の魅力があるのだろう。
季節にもよるところがあるかも知れない。春なら新学期、卒業、色々。思いつく限り楽しい事ばかり。
いやーほんと、春ってのは最高だぜ!
そう、私は今、青い春が始まったのだ。
私の前には私よりも頭ひとつくらい高い彼が真剣な表情を見せながら立っていた。
彼もまた、私にとっては魔性の魅力を持っている者だ。
彼は一度軽く息を吸い込むと急に頭を下げた。
焦りはしたが、それよりも私は次の言葉に意識を全て持ってかれた。
「俺と付き合って下さい」
ああ、今日はなんて日だろう。
こんな出来事が起こった日には、もう私は明日死んでしまうのかもしれない。なんたって、私が高校一年の頃に一目惚れした彼から、今日! この日! ついに! 告白されるなんて!
今まで全然そんな気なんて見せてこなかったくせに……。
やばい、にやけが止まらない。落ち着け、落ち着け私。クールに、余裕を持って答えるんだ。
「はっ、ははははい! 私で良ければ、ぜひに!」
無理だった〜! 若干声裏返ったし、ぜひにとか意味わからない言葉遣いしちゃったし……あー、時間戻ってやり直したい……。
変に思われたかと、彼を見ると丁度目が合った。彼の大きくてブラックパールのように綺麗な瞳に思わず吸い込まれそうになる。
思わず見惚れてしまい、反射的に彼から身を引く。
彼は笑っていた。その笑顔が私に向けられているのだと思うと、胸が熱くなってそれから私も笑ってしまった。
私はこの日、春の風に乗せてふと、季節の移りを感じたのです。
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