拝啓、三点リーダーさま ~必要だからルールがある~
拝啓、三点リーダーさま。
あなたとお会いしたのは、私が小説を初めて書き始めた時のことです。
あの時、私はまだあなたの存在を知らず「・・・」と打っていました。
その小説を読んでくれた友人から「三点リーダーって知ってる?」とアドバイスをもらい、アナタの存在を初めて知りました。
その後も「…」と打ったり「………」と打ったりと、アナタのルールを知らないで自由な使い方をしていました。小説の指南をする記事を読んで初めて「……」と二つ続けて打つのがルールと知り、慌てて書き直したのを今でも覚えています。
その小説は無事にエタってしまいましたが、私としては忘れられない思い出です。
今ではすっかりルールを覚えきちんと「……」または「…………」と打つようになりました。あなたのことを「てん」で辞書登録して打ちやすくしていますが、点とか天とか打つときにあなたが出て来てうっとうしいです。でも慣れてしまったので登録しなおすのも面倒です。どうしてくれるんですか。
とまぁ、理不尽な三点リーダーへの文句を言ったところで本題。
三点リーダーの話。
言うまでもなく三点リーダーは二つ続けて打つのがルール。
知らない人の方が少ないと思う。
それでも短編小説なんかを漁ってるときに、二つ続けて打っていない人をたまーに見かける。
そういう人には声をかけるようにしているのだが、最初は何て言えばいいのか分からずスルーしていた。もし「なんで?」と聞き返されたらどう答えればいいのか、よく分からなかったのだ。
このエッセイを書くにあたって、三点リーダーを二つ続けて打つ理由について調べてみた。その起源は定かではないが、その歴史はかなり古くタイプライターの時代にまでさかのぼるらしい。
「昔からそうだった」という記事は見つかったのだが、その合理性を説明している記事は見つからない。詳しい方がいたら、是非とも感想欄で教えて欲しい。
三点リーダーの起源についてはさておき、今でもそのルールが存続しているのは、何かしら合理的な理由があるからだと感じた。その理由について考察してみたのだが……私が個人的に導き出したのは「そっちの方が見やすいから」だ。
身も蓋もない理由だが、そうとしか言いようがない。
三点リーダーの他に続けて二つ使う記号として―(ダッシュ)がある。これについては説明する必要もないだろう。一つだと漢数字の一やー(長音符)との区別がつかなくなってしまう。
ダッシュと同じように三点リーダーにも他の記号との区別のため「二つ続けて打つ」というルールが決まっていれば説明もしやすいのだが……。
「。。。」や「、、、」や「・・・」と区別がつかなくなるわけでもないし、「…」と打っても意味は通じる。
しかし「……」と「…」では見やすさが違う(と思う)。特にスマホだと顕著で「…」が真ん中ではなく下に表示されて_との見分けがつきにくかったりする(私のスマホがそうなだけかもしれないが)。
そしてなにより二つ続けて「……」と打った方が「てんてん」感があるんだよね。
とまぁ、こんなどうしようもない理由で必要だと思ってしまった私なのだが、多くの人がそのルールに従うのは「昔からそう決まっていた」からではなく「ユーザーにとって都合がいいから」だからだと思う。
必要のないルールは自然淘汰される。その代表例が改行の仕方だろう。
以前にもエッセイで語ったが、ウェブ媒体の文章は改行しないと読みづらい。文字がぎっちぎちに詰まった文章だと拒否反応を起こして目を背けてしまう(あくまで私の場合)。
しかし、これが紙媒体の文章だと異なり、改行して隙間を開けると逆に読みにくくなってしまう。新聞や雑誌で改行を多用している記事を目にした記憶が、少なくとも私の中にはない(詩とか俳句とかは別)。
以前にYouTubeで複数のなろうレビュアーの方が、購入した書籍が改行を多用していて読みづらかったとの感想を述べているのを耳にした。ウェブ基準では読みやすくなる改行だが、紙媒体では逆に作用してしまうのだろう。
このように、紙媒体から電子媒体に移るにつれ、新しいルール……と言うか工夫が生まれた。いつの時代もユーザーのために適した表現の仕方が存在するわけだ。
そういう前提があるので、三点リーダーを二つ続けて使うのは、ルールだからではなく、ユーザーにとって必要な事だからだと考えている。
二つ続けて打っていない人を見かけたときも「そっちの方が見やすいですよ」と声をかけるようにしている。
何事もルールに従うことは大切だが、それにはちゃんとした理由が存在すると思うのだ。
その理由について一度深く考えてみた方がいい。
このエッセイを書くにあたって「字下げ」についても調べてみた。
エッセイなどの作品だと私は字下げをした方が読みやすいと思うのだが……ウェブだとそうでもないらしい。
「字下げ 理由」と検索すると、トップにこんな記事が出て来た。
『webサイトの文頭を字下げすることは可能ですが、しないことをおすすめしています。』
アナタはどう思っただろうか?